見出し画像

大学生になったら未成年でも酒を飲んでもいい、という風潮。

私はこの風潮が大嫌いだ。

悪夢から目覚めたときのパジャマの湿り気ぐらい大嫌いだ。
歯磨きをした後に食べるミントアイスぐらい大嫌いだ。
新しく買ったスマホに保護フィルムを貼ったときにできる気泡ぐらい大嫌いだ。
ゴキブリの羽とエビのしっぽは同じ成分である、というクソ知識ぐらい大嫌いだ。
市民プールの床に落ちた誰かの足の爪の欠片くらい大嫌いだ。
睡眠不足の日の晴天くらい大嫌いだ。
お気に入りのシャツにできた毛玉くらい大嫌いだ。



なぜ私がこんなにもこの風潮を嫌うのか。
そんなこと言うまでもない。法律違反だからだ。
法律違反だということを分かっていながらも泥酔報告をしてくる彼奴等をみると、1発ババチョップしてやろうかといつも思っている。
しかし、バカ真面目に「未成年なのに酒を飲むな!」とか言っていると、彼奴等には「なんか絡みづらいやつだな」と思われてしまうのである。クソが。



部活を引退してから『水以外飲まない宣言』をした私は、そもそもお酒を飲みたいと思うことがないし、半年前に20歳になってからまだ2回しかお酒を飲んだことがない。そのうえ、友だちからの日頃の飲みの誘いをどのように断るか、についていつも頭を悩ませている。そんな自分の姿を見て「コダック?」と尋ねられたことすらあるぐらいだ。

私は‘性格の悪さ’で一世を風靡していたことがある。その頃のカツヲは『笑っていいとも』に呼ばれた際、タモさんに「メンチ切ってる?」と聞かれたし、『アッコにおまかせ』に出演した際は、アッコさんに「君はそもそも何もされてる方なのか、別に知りたくもねぇや」と突き放された。
カツヲはそんなお墨付き腹黒ボーイであるから、有名人の未成年飲酒が発覚して世間が盛り上がっている時私はこんなことを思う。
「‘一般人’という着ぐるみのおかげで助かってる君たちは、どういう気持ちでこのニュースを見ているんだい?」
でも残念なことにSNSで未成年飲酒を発信していたり、声高に酒飲み騒ぎ報告をしてくるようなバカは、罪悪感なんぞ持っちゃいないバカだから、そんなバカみたいなニュースにはバカ面浮かべてなんも考えずにバカバカ酒を飲み明かしているだけで、なにも感じないんだろう。


悪いこと=バッチ、ワッペンだと思っているカツヲは、そのバッチをなるべく付けないように過ごしている。
友だちを殴ったら[友だち殴り]というラベルの醜いバッチが、人を殺したら[人殺し]というラベルの歪んだバッチが、己の自意識に張り付いて消えないのだ。
未成年飲酒をしたら[未成年飲酒]のバッチが張り付き、ボランティアをしている時や就活の時に、「でも自分にはこんなバッチが着いているんだ」となって、罪悪感に揉み潰されればいい。
でもよく考えてみれば、進んで未成年飲酒をするようなバカは、罪悪感なんぞ持っちゃいないバカだから、そんな罪悪感すら浮かばないんだよな。馬鹿野郎。
しかも、周りの人からも比較的見えるうえに一生残る[人殺し]バッチや、その友だちが己の心に存在してる限り消えない[友だち殴り]のバッチとは異なり、[未成年飲酒]バッチは20歳を超えたらほぼ見えないものとなってしまう。
大学生の中では、もっと言えば世間の中では、暗黙の了解になっている[未成年飲酒]バッチは、あまりにも肌の色と同化していて誰も気づかない。


私はほんとに悲しいヤツだから、声高々に「お酒は飲みたくない宣言」をしているのだが、そんなことをしていると色々な人から色々なことを言われるのだ。それらの言葉は、基本的に哀れみを含んだ皮肉なのだが、ハッキリとした「酒は飲まなくてもいい思想」をもっているカツヲは、それらの言葉を簡単に跳ねのけることが出来る。そんな華麗な跳ね除けの数々を少し紹介しよう。

“友だちいなくなるよ”
>> その程度で壊れる友情なんか要らねぇよ!!!

“1回お酒で失敗しといたほうがいいよ”
>> そんなわけねぇだろ!!!

“人生楽しいの?”
>> う、うるせぇ!!!

あぁ、なんて華麗で「苦し紛れ感」が一切ない完璧な跳ね除けなのだろうか。


あれ以来飲んでないよ
という未成年の友だちには、洗濯機の中で放置されたしわくちゃの親父の靴下みたいな顔をして
そうだね
と返す。
そして、わたしが「まぁ、みんな飲んでるしね」と言っているときの正しい読点の位置は「まぁみんな飲んでる、しね」である。


この記事を書いてわたしは不幸になった。
大嫌いな「未成年飲酒」について余計に思考を巡らせて文句を言っているのだから当たり前だ。大好きな女優の森川葵さんの魅力について喋っている方が何億倍も幸せだ。
この風潮さえなければ、わたしはこの記事を書くことによって不幸になることがなかった。しかし書きたくなってしまうほど、あまりにも周りに未成年飲酒をしている大学生が多すぎるのである。
まだまだとめどなく文句が出てしまいそうだけれど、もう不幸にはなりたくないから一旦終わりにしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?