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”寸劇ができる”までやり切れ!失敗から学んだ、本当の顧客理解のためのフレームワーク

僕は”UX”という概念がとても好きです。ずっと資格嫌いで、友人の持つ国家資格をディスっているのに、自分はHCD-net人間中心設計スペシャリストの資格をとったくらい好きです。

この記事では、普段から自社サービスや顧問先で使っているフレームワークを通じて、「本当に顧客を理解するとは?」を説明したいと思います。
BtoBビジネスをしている方に向けた内容ですが、課題解決型商材であればBtoCビジネスでも役立つ内容だと思います。

顧客理解ができていなくて、死活問題を引き起こした事がある

HCD-net人間中心設計スペシャリストとか偉そうに名乗っていますが、顧客を理解していなくて、手痛い失敗をしたことがあります。
当時は死活問題になるような失敗でした。詳しくはこちらの記事で。

ちゃんと顧客の解像度を上げる努力をしていれば、こんな失敗はしなかったのにと深く反省しています。

マジックワード化する”UX”

近年、UXという言葉が浸透したことは嬉しいですが、一方でマジックワード化しているとも感じています。
「顧客理解なんてしなくて良い」と言うマーケターや経営者は流石にいないと思いますが、果たして「十分な時間と労力を顧客理解に当てているのか」と言われるとどうでしょうか?

・自身がユーザーとして自社サービスを使い倒す
・営業同行やCSを積極的にやる
・定期的なユーザーインタビューを実施する

こういったことに時間を使わず、小手先のテクニックや些末なABテストに夢中になっていませんか?
※僕自身も気を抜くと小手先情報に踊らされます。自戒を込めて…

BtoBビジネスにおいてサイトやデジマに関してはある程度、勝ちパターン(セオリー)が確立されています。その勝ちパターンの再発見に時間を使うのではなく、マーケターが本来リソースを注ぐべき「顧客理解」と「市場作り」に時間を割いてほしいと思っています。

僕が普段使っている顧客理解のフレームワークを公開することで、「顧客理解」に一人でも多くのマーケターが時間を使えるようになれば嬉しいです。

【前提】BtoBビジネスは全て”課題ありき”である

フレームワークを紹介する前に、前提としてBtoBビジネスに関して説明させてください。
BtoBビジネスは全て課題解決型のサービスであるという特長があります。つまり、顧客はなにかしらの課題(ペイン)を抱えています。このペインを正しく理解し、深く共感することが顧客理解の第一歩です。

BtoBビジネスのCMを見てみると顧客理解のヒントがあります。

▼BtoBビジネスのCM

Sansanの「それさ、早く言ってよ~」

モチベーションクラウドの「打つ手なし!!」

ベルフェイスの「It’s OLD営業(それ古いです)」

他にも楽楽精算、ジョブカン、ビズリーチ、キャリトレ、ハーモス、b-dash、チャットコマース…どれも悩みに対して~という構成です。

タイトルで”寸劇ができる”とは、CMのように担当者の苦悩の吐露を言えるかということです。

顧客理解のフレームワークの紹介

顧客理解においては、2つのフレームワークを組合せて使っています。

①共感マップ
②顧客理解シート

共感マップに関しては、詳しい説明記事があるので紹介します。

僕が独自に使っている顧客理解シートは次のようなものです。

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スプレッドシートのリンクはこちらです

簡単に説明すると、
・ターゲット深堀り
・ペイン深堀り
・アプローチ深堀り
の3段階に分け、サービスメッセージを決めていき、最後に言葉を研ぎ澄ますというものです。

具体的なフレームワークの活用手順

それでは①共感マップと②顧客理解シートの具体的な活用手順をお伝えします。

■はじめに、②顧客理解シートで実際のお客さんの事例を埋める

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きちんと実際のお客さんのことを具体的に書いてください。ここでよくある失敗が、”一般論で終わる”、”社内の人間の想像で埋める”といったことです。意味がありません。

もし埋めている内容に自信がなかったら?具体的にかけなかったら?

簡単です!今すぐ、お客さんのところに行って話を聞きましょう!!
※おすすめはお客さんの会社に丸一日、常駐することです(本気です)

■次に、①共感マップでお客さんの解像度を上げ、統合していく

具体的なお客さんの事例があれば、そこから共通の内容が見えてきます。それらを統合しつつ、共感マップの中身の解像度を上げていきます。

僕が特に大切にしているのは「思わず吐露する一言」です。

同じ境遇の人がその一言を聞いた瞬間に、「わかるわ~~~!マジそれ!」と反応するような言葉です。これが出てくるとほぼ勝ちだと思っています。

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■続いて、ペインを3つ以内にまとめてみる。更に一言にする。

いきなり一言にペインをまとめ上げるのは中々大変なケースが多いです。
そのため、まずは3つ以内にまとめてみます。まとまった3つを
・ペインの強さ
・発生回数(頻度)
・自社サービスでの解決具合
で評価してみると差がついてくるはずです。
その評価を踏まえつつ、さらに一言にまとめ上げていきます。

ペインがはっきりしていると、それを解消するアプローチもシンプルに整理することが出来ます。これがホームページや広告、商談といったマーケティングやセールスにおいて一貫して発信されるメッセージになります。

■最後に、言葉を磨く

どんな言葉が本当に顧客の心に響くのか?
自分たちが伝えやすいだけでなく、顧客が社内で他の人(決裁者含め)伝えやすい言葉にすることを意識します。

おわりに

”寸劇ができるまで”顧客理解ができると、本当の意味で顧客の目線になることができます。
UXの本質は”ユーザーに向き合う”ことではなく、”ユーザーと同じ目線でサービスを見れる”ことです。

ぜひ一度、自社のサービスで”寸劇できるほど”の顧客理解をしてみてください!

▼憑依を考えさせてくれるマンガ「アクタージュ」
※キャッチでも使わせてもらいました。面白い漫画です!

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個人的にBtoB専門でグロースハック(UX設計、マーケティング)のお手伝いもしています!特に立ち上げフェーズが得意ですので、気軽にDMください^-^
顧客理解のためのフレームワークを実際に使ってカベウチしてもらいたい!というご要望もお待ちしております♪

https://twitter.com/tasuku_ishida


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