絵を描いてみて気づいた「お店が包む距離感」
去年の秋から、お気に入りになったカフェの絵を描いています。
きっかけは、写真を撮るだけだとどうしても消費の速さが気になってしまうのでどうにかしたいという想いからでした。
最近は小売でも「買った後にどうお客さんとの関係を気づくかが大事」みたいなことが言われています。
お客の方も、良かったお店の余韻に浸る時間を大切にした方が満足度が上がります。そういった時間をなるべく増やせたらいいなと思いました。
描いていると、そのお店での光景を思い出すことができます。日差しを描き入れるとき、この日は午後に行って、柔らかい光が窓から入ってきたなとか。店主さんと少しだけおしゃべりしたこととか。
そんな「お店での記憶」を絵と共にご紹介します。
POMPON CAKES BLVD.
ドアの外まで店員さんがお見送りしてくれるとき
「ショートケーキはいちごが好きなんですけど、メロンも合うんだなって初めて思いました。」と率直な感想を伝えました。
「おいしかった」以外の感想を言うと、店員さんの表情がキラッとして話出してくれる瞬間が好きです。
ポンポンケーキさんのお見送りは、まるで親しいお友達の家に行って帰るときみたい。初めて行った時すらそうでした。
お店 POMPON CAKES BLVD.(ポンポンケークス ブールバード)
茶室 小雨
エプロンワンピースを着たお姉さん、金縁の食器、ぽってりとしたティーポット。憧れていたティータイムってこんな感じだったかも。
男性も一人で入店していて、何か面白い飲み物を注文していたのだけれど、あれはなんだったのだろう。その飲み物について会話が弾んでいました。
ヴィクトリアケーキの美味しさも、ここで初めて知りました。
ここは雨や曇りの日に明かりが暖かく見えて素敵な場所です。だから小雨っていう名前なのかな。
STARBUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO
オープンしたてに並びました。コーヒーや紅茶を使ったカクテルなんかが飲めるのですが、クロワッサンとアメリカーノといういつもと代わり映えのない注文をしてしまいました。これが好きなので良いのです。
店員さんはバーカウンターの中で、丁寧に接客されていました。コーヒー好きの方が「最高です」と感想を言っていて、いいなと思いました。
テラス席も広くて、春の朝に行きたい場所。
お店 STARBUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO(スターバックス リザーブ ロースタリー トウキョウ)
Little Village Cafe
根岸線で山手駅というところに降りて、寂しい商店街をしばらく歩くと突如現れるオアシスのような場所です。
インスタグラムに絵を投稿したら、とても喜んでくださって、お店のアカウントにも載せて頂きました。
お店にいかない時も存在を感じていられるのは、SNSのおかげです。
お店 Little Village Cafe(リトル ビレッジ カフェ)
YOUR DAILY COFFEE
ちょうど店を開けるときに着いたので、そのままどうぞと端正な顔立ちの男性がドアを開けてくれました。
開店と同時にわらわら人が集まってきて、満席に。食べ盛りの男の子たちや、小さなお子さん連れのファミリー。街のちょっとした朝ご飯会のようです。
メニューも、みんなが好きそうな感じがそろってる。
お店 YOUR DAILY COFFEE (ユア デイリー コーヒー)
Afterhours
アフターアワーズって放課後という意味なんだそうです。
働いている人たちがとても楽しそう。うまくいっている部活の空気がしました。でもクオリティーは秀逸です。勝手にベストオブ苺ショートに選ばせてもらいました。
今はテイクアウトのみですが、またイートイン再会するといいな。
LITTLE TOY BOX
店主のお姉さんはアンティーク雑貨のバイヤーをやっていたそうで、店内がとても洗練されています。
お一人で切り盛りされていますが、お客さんとのコミュニケーションを大切にされています。
帰る時も忙しそうだったけど、素敵な笑顔で「ありがとうございます。またよろしくお願いします。」と見送ってくれました。
おいしい以上に何かをもらった気がして、こちらも何かしたいと思います。そういうお客さん、多いみたい。
お店 LITTLE TOY BOX(リトル トイ ボックス)
茶房 雲母
開店前から長蛇の列ができていていましたが、みんな離脱せずにがんばって並んでいました。
お手洗いに行った時、トイレットペーパーが切れてしまったので店員さんに報告しました。忙しい中少しは役にたったのかな。
このお店の名前をインスタグラムで検索すると、たくさんの白玉愛があふれてきます。みんな白玉好きなんだね。
TORAYA CAFE・AN STAND
工房が見られるタイプのお店は好きです。作られていく過程は面白いし、作っている人の真剣な表情も見られるからです。
あんバンという商品があるのですが、生地の中にあんこを塗っていく作業が見事で、思わず「すごい」って声を出してしまいました。
店員さんに聞こえてしまって、ほほえまれました。その表情も素敵でした。
お店 TORAYA CAFE・AN STAND(トラヤカフェあんスタンド)
Gratbrown Roast and Bake
孫からチーズケーキを食べさせてもらっている男性がいました。食べさせている孫もニコニコ嬉しそうで、とても良い光景。
みんな、甘い焼き菓子やチーズたっぷりのホットサンドをおもいおもいに注文して、おいしい珈琲と一緒に楽しんでいます。
落ち着ける空間なのにしっかり回転していくこの場所は、穏やかな広場のようです。
お店 Gratbrown Roast and Bake(グラットブラウン ローストアンドベイク )
おわりに
隣に座った人がなんの職業についていて、別の時間にどう過ごしているのか知らない。店主さんの名前も知らないし、自分の名前も知られていない。
「あなたに会えて良かった」ってほど近くはない距離感が、心地良かったりします。
すごく近しい人同士で頼り頼られする関係も美しいですが、なんでもない人同士でお店に存在していることで安心できることもあります。
人生のほんの一瞬だけ同じ場所にいた人が、自分の記憶の中で「点」になっていく。
たとえ線でつながらなくても、点が無数にあれば面のように感じることができます。
お店という場所は、そういう「点」を優しく包みます。
関連記事
最後まで、お読み頂きありがとうございます!