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ウルトラマラソンまた完走しました2019年編

 2019年北オホーツク100kmマラソンを完走。すっかりウルトラマラソン、というか北オホーツク100㎞マラソンの魅力に取りつかれ、ふるさと納税してTシャツ着て各大会を「走る広告塔」として勝手に宣伝(結構声をかけられました)。しかし、いざエントリーの時期に来ると少々ためらいます。やる気はあるのですが、2つの理由が…


1.マラソンは体に悪い

 高負荷のスポーツは免疫力が下がるというのです。実際、太っていた時期はほとんど風邪をひくことはありませんでした。最近は毎年体調を崩し、完治するのに時間がかかります。さらにウルトラマラソン以降「喘息」「帯状疱疹」を発症。治りはしましたが、喘息なんて言われたことない病気にかかってしまい、ビビってしまいました。年のせい?


2.またあの練習をするのか

昨年は本のメニューどおりに練習しました。12時間を切るタイムの練習メニューをこなしたつもりが、結局12時間50分。あんなにストイックに走っても目標タイムに届かないなんて。

それにお金もばかになりません。昨年は高負荷の練習を大会にぶつけました。参加料と交通費・宿泊費も含めると結構な金額です。前もって伝えてあっても、家族は家を空けるとあまりいい顔されません。


2019年の早朝は曇り空だったが、日中は前日の雨で蒸し暑く…


コンディションが上がらない

 今年も5月5日の豊平川マラソンから本格的に練習を開始します。昨年は不安を抱えながらも自己ベストを更新。今年は無理をしないペースで走ったつもりが…後半は大ブレーキで2時間を切ることができません。洞爺湖マラソンにもエントリーしましたが、娘の運動会と重なりキャンセル。「カムイの杜トレラン43k」は5月なのに最高気温30度を超え、戦意喪失し1時間も遅い記録。どうもリズムに乗れません。

GPSウォッチの最大酸素摂取量(VO2MAX)も伸び悩みます。昨年は52まで到達しましたが、48~50を行ったり来たり。

そして一番は体の痛み。昨年末からお尻が痛くて思うように走ることができませんでした。なかなか回復しない体の張り、急激な気温変化で2週間前に風邪をひいてしまい、「今年、完走は無理かもしれない」「何でこんなことしているんだろう」と、弱気になってしまいました。

いよいよ大会

今年も昨年の温泉宿を取ろうと思ったら満室で、昨年の経験から「大会後に運転して帰るのは無謀」と判断。車中泊2泊で腹をくくりました。今回は前夜祭や後夜祭にも参加することにしました。

前夜祭は17時スタート。ゲストランナーの藤崎舞さんとノルディック複合のメダリスト阿部雅史さんと立食パーティーです。お2人の大会のメダルを見ることができました。「そこに置いときますんで自由に触ってください」だって。無防備すぎます。


2人のトークは本当に楽しかった

食事は町の女性部の方たちでしょうか?が作ってくれた地元食材を使った料理でとてもおいしく、おなか一杯になりました。ビールサーバーも置いてあり、明日100㎞走るというのにぐいぐい飲んでいる人がいました!しかし、案の定救急搬送されている人がいて…金曜日から土曜日の朝は大雨。大会当日は浜頓別町では珍しく28℃を超える予報で、5時のスタート前でも蒸し熱くなりそうな予感です。

大会当日。前半は名物「エサヌカ」の8㎞ある酪農地帯を走る直線。昨年は向かい風の浜風でペースが上がらず我慢の走りでしたが、今年は西から東への風。無理せず自分のペースをキープします。抑え気味に走っていると、鬼太郎の仮装をした人やスパーダーマンや被り物をした人が追い越していきます。

体の不調が出始めたらちょうどいい具合にエイドがあり、補給と復活を繰り返します。ふと気が付けば、このままいけば前半は昨年と同じくらいのペース。何とか頑張って折り返せば、昨年のゆっくりペースでも十分完走できるのではと思い、ペースを上げ過ぎたかもしれません。予想通り、昨年とほぼ同じタイムでの折り返し。しかし太ももが筋肉痛のような嫌な痛みを発症しています。


今大会最大の敵

折り返して横風を受けながら60㎞の関門を抜けると、山のふもとの酪農地帯を横断します。ここまで来たら「タイムはともかく完走はできる!」と確信しました。ここから強い向かい風。大きなアップダウンもあり、昨年のアドバイス通り「400m走って100m歩く」を繰り返しますが、気温もみるみる上昇し、向かい風も影響し、ペースは上がりません。かなりロスしてきました。

歩いていると体のあちこちに何かが止まっていることに気づきます。そして痛みも!そうです!噂のアブです。気が付けば、自分の体の周りをたかっているではないですか!振り払ってもまとわりついてくるので、走って逃げるしかありません。ランナー同士はらって走りました。アブが大会期間中に大量発生したのは3年ぶりだそうです。「雨の翌日、天気が良くて気温が高い」と出てくるとか。

80㎞のエイドで再会

足の痛みも強くなり、ペースが上がりませんが、自己ベストは狙えなくても制限時間は十分間に合う計算です。80kmのエイドで被り水をしていると私を呼ぶ声が…去年お世話になったKさんではないですか。今年もKさんがエントリーしていることは名簿で確認済み。どこかでお会いしたいと思ってナンバーカードを探しましたが見つけられません。どうやら申込後に怪我をしてしまい、ボランティアとしてこの大会に参加していたのです。

「アドバイスを守って何とかここまで来ました」「一人でここまでくれば大したものじゃないですか。残り1㎞/10分でも10分お釣りが来ますよ」とアドバイスをもらいました。1㎞/10分とは、早歩きのペース。「それで完走できる」と考えるとみるみる気力がわいててきました。後ろから追いつてきたランナーも「あんなアドバイス聞いたら歩くのもったいないですね」と、しばらく一緒に走りました。昨年のアドバイスのとおり、自分も計算しましたが、Kさんの的確さにはかないません。

結局13時間20分でゴール。昨年より30分遅いタイムだったけど、「完走は無理かも」と思っていたから、十分達成感がありました。ゴールにはKさんもいらっしゃいました。「今年、完走は無理かと思っていました」と私。「エイドの時点では13時間40分くらいかなと思っていたら20分縮めたじゃないですか」と言ってくれました。それはKさんのアドバイスのおかげですよ。「来年は走るのでまた一緒に走りましょう」と約束しました。

一度走ったコースなので、起伏やエイドの場所など、見通しを持って走ることができました。ここまで来たら他のウルトラの大会にも挑戦しようかなあと思うくらい、調子に乗ってしまいそうです。


後夜祭にも参加し、勝利の美酒を楽しみました。そこでもやっぱり担架で運ばれる人が…HPの掲示板に苦言を呈される方がいましたが、私も「ちょっとは加減しなさいよ!」と感じました。大会委員長が「来年は記念すべき第10回大会。東京オリンピックと重なってしまうので、参加者が少ないかもしれませんがやりますよ!」と宣言すると大きな拍手が!この会場の誰もが来年も来るよという表情を浮かべていました…

しかし2022年現在、第10回大会は行われていません。23年こそは開催できることを祈っています。


ゴールしたらカレーが振る舞われます。これが美味しいこと!疲れた体に染み渡ります。