◆コラボレーションの失敗例から学ぶ事
おはようございます。
今日もご覧いただきありがとうございます。
いよいよ初回投稿から連続100回投稿まで今日を含めてあと4日となり、カウントダウンに入りました。自分でもよく続いたな~と思います。
5月1日が100日目となりますが、なんとか最後まで走り続けたいと思います。ご覧いただいた皆様ありがとうございます。
さて、本日のポストは、私が長年行ってきたコラボレーションの失敗事例を書かせていただきます(少し長分です)
その中にコラボ成功のためのヒントがいくつか隠れているので良かったらご覧下さいね。
コラボレーションと言うと
大手企業や芸能人の専売特許だと思われる方が多いのではないでしょうか?
私自身も昔は同じように考え、自分のような小売店では到底縁のないものだと一歩を踏み込もうとしませんでした。
しかし、ニュースで色々な方がコラボして成功しているという事実を知ると
自分でも工夫次第で出来るのではと考えるようになりました。
頭で考えているだけでは結果は出るはずもないのでとにかく何かやってみようと考え、最初は体操着を販売しているところとにコラボレーションの提案をしてみることにしました。
まずは、簡単に体操着販売店の概要を説明します。
子供が中学1年になると親御さんは学生服の他、それに付随する色々なものを購入しなければなりません。
その中の1つに体操着も含まれます。
体操着は主にスポーツ店で販売するのですが、基本的には自由競争なので、学校の許可があればどこで販売しても構いません。
私はその中の1つの店にコラボの提案をしました
体操着店の社長に提案した内容はこんな感じです。
私のお客様は、御社の地域では毎年80名くらいの新規客がおります。
そのお客様を紹介しますので、私の店のお客様に少し値引きをしてもらえませんかと言う提案です。
割引券の作成や配布はこちらですべて行いますという事も伝えました。
紹介する代わりに、少しだけ当店にも手数料を頂きたいというこちらのメリットも話しました。
手間もかかるので当然の請求だと思っていたからです。
私は当初、素晴らしい提案ですぐにOKを頂けるものだと思っていましたが、現実はそう簡単ではありませんでした。
相手の社長さんは、いきなりあらわれた私をけげんそうに見つめ「なぜあなたのお客さまだけに値引きしなければならないの?」と言われてしまったのです。
後から分かったことですがこの社長の言っている事は当然だったのです。
体操着は、利益率が非常に低いために、値引き交渉は難しかったのです。
ましてや手数料まで支払うという事は、当然受けられる話しではなかったわけです。
それにまだ信頼関係のない私に、胡散臭さを感じたのも大きな原因だとも思いました。
この失敗から、私はコラボレーションの考え方をガラリと変えました。
◆コラボレーションは誰の為にやるのか
コラボレーションと言うと
多くの方がコラボ相手と自分の利益を出すためだと思うのではないでしょうか?
私も当初そのように思っていました。
当然の考え方ですが、今回失敗したことにより、少し視点を変えて考えてみる事にしました。
メリットを享受できるのは、自分のお客様と言う視点に変えてみたのです。
体操着店との失敗事例から、コラボ相手にも大きなメリットを提案しなければ話すら聞いていただけないとも悟ったので、自分のメリットは後回しと言う視点でも考える事に・・・。
イメージとしてはこんな感じです。
まずは自分のメリットは無視して、どんな提案だったらコラボ相手が話に載ってもらえるのだろうと考えたのです。
ここがクリアできないと、話がまったく前に進まないからです。
そして出た結論が、靴屋さんに提案するコラボでした。
内容はこんな感じです。
まずは私のお客様100名ほどに、コラボ相手の靴屋さんで販売している学校指定の上履きの半額券を配ります。(600円のサービス券です)
もちろん、半額券は当店で作り、配布も行います。
そして
その半額券を持ってきたお客様に上履きを半額で販売してもらいます。
すると靴屋さんは600円損をする事になるので、その半額券を同値で当店が買い取るという提案です。
つまり、靴屋さんには一切のリスクがありません。
それどころか、新規客が多く来店するという大きなメリットがあります。
イラストにするとこんな感じです。
新規客が来店するという事は、対応を間違えなければリピーターになる可能性があります。
それに、割引券には住所・氏名を記入してもらうように工夫してありますのでハウスリストも出来るという靴屋さんにとっては至れり尽くせりの提案です。
お客さまからしても、通常1,200円する上履きが半額で購入できるので
とても喜びます。(実際95パーセントくらいの使用率でした)
この提案なら、コラボ相手、自分のお客様に大きなメリットを提供することが出来ます。
ここで少し疑問を感じる方もいるのではないでしょうか?
私のメリットがどこにあるのかという疑問です。
このコラボを成立させようとすると、私の店は6万円近くの赤字になります。手間を考えるともっと経費が掛かるでしょう。
しかし私は、お客様の為に思い切ってコラボ相手になってもらいたい靴屋さんにこの提案をしてみました。
すると案の定、靴屋さんにもその辺を指摘されました。
「あなたのお店のメリットは何ですか?」と聞かれたのです。
私はこのように答えました。
「私のお客さんに喜んでいただく事が一番の目的です」
この時期、私のお店では口コミを聞いて来店するお客様が多かったので、このサービスを行う事により、良い口コミが発生することを期待しているという事も合わせて伝えたのです。
この話を聞いた靴屋さんの店主はとても感心していただき、この提案を快く受け入れてくれました。
これは大きなリスクがありましたが、誰もやってない事に挑戦するのも面白いのではと考え実践してみたのです。
結果、靴屋さんはついで買い等で、通学靴、体育館シューズ、親の靴も売れたようです。
◆当店のコラボの効果は
さて、割引券を予定の時期に対象者全てに配ろうとしたのですが採寸時期が少しずれてしまったのが原因で、割引券を全ての対象客に手渡すことが出来なくなってしまったのです。
そこで仕方なく、割引券を渡せなかった方にこんな手紙を添えて郵送する事にしました。
「かねてから交渉中でありました靴屋さんとのコラボが成立いたしました。中学校で使う上履きを半額で販売して頂く事に賛同いただきましたので半額券を贈らせていただきます。・・・・」
あえて、アリタが600円分を負担するとは書きませんでした。
靴屋さんとの交渉でという文面を前面に出したかったからです。
郵送代が余分にかかってしまいましたが、動き出したコラボを何としても成功させたかったのでその辺は目をつぶりました。
さて、すべての割引券を渡して間もなく割引券を配ったお客様から1本の電話がかかってきました。
「私の友達も紹介しますので、割引券を頂けますか?」という電話です。
私のもくろみはズバリと当りました。このお客様はその後3名の友達を紹介してくれたのです。
私の商売は
1件のお客様が来てもらえると7万円前後の売り上げになります。
という事は、電話を掛けてきてくけたお客様1人で20万円以上の売り上げを作って頂いたという事になります。
これだけで、赤字の6万円は埋め合わせが出来てしまったのです。
その後も何人か新規客を紹介して頂いたので、結果的にはだいぶ黒字になりました。
今回、お客様一人に対し、600円強の経費が掛かったわけですが、これが「値引き」であったらここまでの反応はなかったと思います。
私の店で取り扱っているノベルティーでも、反応は薄かったのではと考えています。
売り上げを増やす為のサービスだとお客様が感じてしまうからです。
しかし、他店とのコラボによるサービスは、視点がお客様に向いているので「売り上げを上げる為」という事をあまり感じることがないのではないでしょうか。
お客様が全く予想していなかっサプライズサービスという事も口コミとなった要因ではとも思っています。
このコラボでは、得をした会社があと2か所あります。
それは靴屋さんのメーカーと、学生服のメーカーです。
メーカーからしたら大した売り上げ増と感じないかもしれませんが、お互いのメーカーの売り上げに貢献できたのは事実です。
それから何年もの間、この靴屋さんとは良い関係を築くことが出来ました。
当初は半額分すべて私の店で負担していたのですが、2年後にはその靴屋さんの店主から「少しうちで負担しますよと」言っていただき、100円分負担してもらいました。
靴屋さんの利益率も低い事は知っていたので、このくらいが妥当かなと思い100円という事で手を打ちました。
私はこのコラボを時間差コラボと名付けました。
自分の利益は後からついてくる。そんな考え方のコラボです。
下記の事例は以前noteで書かせていただきましたが、ご覧になっていない方の為にあらためて紹介させていただきます。
◆英会話教室の事例
私は、このコラボの事例をある英会話教室に話しました。すると、その英会話教室の社長が地元商店街のスイーツ店とコラボして面白い結果を出してくれたのです。
私の店と同じく、英会話教室の社長は自分の教室で教えている小学生にスイーツ店の無料券を配りました。(500円以下のスイーツ1つ無料券)
もちろんその券はすべて英会話教室が買い取るという条件でスイーツ店には提案したようです。
提案日は、クリスマスの少し前の時期です。
教室の生徒は50名くらいいたので、全員がこの件を使用すると2万5千円近くの赤字になります。
この試みを実践したら、ほとんどのお母さんがそのスイーツ店で買い物をしたそうです。
どのご家庭も、スイーツを1つだけ交換する方はおりません。
家族の人数分購入する方が多いので、スイーツ店の売り上げはこのサービス券のおかけで大変上がったという事です。
クリスマスの時期なので、クリスマスケーキの予約も入り、ケーキ屋さんには大変喜んでいただいたようです。
そして、この商店街では普段は年配のお客様が多いのですがサービス券を配ったら、若いお母さん方が沢山押し寄せて他の店でも買い物をする姿を見かけたと言っておりました。
それから、この引換券は英会話教室のスタッフにも配ったようでスタッフにも大変喜ばれました。
つまりスタッフのモチベーションが上がったわけです。
ブログにもその様子を写真入りで書き込みしたので、宣伝効果もあったのではと言っています。
たった500円でスタッフのモチベーションが上がれば安いものです。
お客様が喜び、スタッフのモチベーションも上がり、スイーツ店からは感謝され商店街の他のお店からも感謝される。
そんな効果があったようです。
もちろん、その後紹介客もあり新たなお客様(生徒)が来てくれたので投資した金額以上の効果があったと言っておりました。
それから
この逆も試してみると面白い結果が出るのではと感じています。
今回は、このコラボの仕掛け人なっているのは、英会話教室です。
この仕掛け人がスイーツ店だったらどうなるかという事です。
スィーツ店が、自分の自腹を切って英会話教室に500円のスイーツ券を50枚プレゼントするという方法です。
(スイーツ店の経費は原価で済むので実際の経費は半額以下だと思います)
オーナーが逆になっただけですので、同じような結果を出せるはずです。
この方法は
まだ本人には伝えていないので、今度提案してみようと思っています。
この方法なら
毎年交互に経費を出し合う形になり、経費を半分に出来ます。
お互いの利益にもなりますし、話題性もあり、英会話教室のお客様の為にもなります。
一度うまくいっているので、スイーツ店も前向きに考えてくれるのではと思います。このコラボレーションは、他の業種でも使えるはずです。
自分のお店で、1人のお客様が購入してくれる商品の個数が比較的多い商品を扱っている店でしたら、そのうちの1つのサービス券を作って喜んでいただけそうな所へ配る。
(コラボ相手として協力してもらえそうな店がGOOD)
考えられそうな店は
ケーキ屋さん、100円ショップ、スーパー、ドラック店、おもちゃ屋さん等々です。
おもちゃ屋さんでしたら
クリスマスの少し前に100円~200円位のおもちゃやカード等の引換券を保育園や幼稚園にプレゼントするのも面白いかと思います。
引換券は幼児が一人で交換に来ることは考えにくく、親が一緒に来てくれるはずです。
そうすれば、ついで買いでクリスマスプレゼント等も売れる可能性があります。
もちろん他のおもちゃも売れるかもしれません。
引換券ですから、持ってきた枚数分の経費しか掛かりません。
子供の誕生日が分かっていれば、その少し前にプレゼントすれば、本命のおもちゃが売れる可能性も高くなります。
その他の店でしたら、来店動機を作る目的や、ハウスリストを作る目的と考えれば出来ない事はありません。(広告宣伝費と考えても良いのかも・・・)
引換券は、自分の店から配るのではなく、コラボ相手から配ってもらう事に成功のカギがあると思います。
是非、オーナーになる方、そうでない方と両面で考えてみてください。
自分のお客様が普段地元のお店で何を購入しているのか、どんなサービス券なら喜びそうなのか、という事をリサーチすればどこと手を組めばお客様が喜ぶのかという事が分かります。
又、ケーキ屋さんのように季節によって大幅に売り上げが伸びる時期がありますのでサービス券をプレゼントする時期に合わせたコラボ相手を探すのも良いかもしれません。
私は、以前100円ショップと手を組んで2割引券を10枚綴りで差し上げたことがありました。
もちろん値引き分は全てこちらで持ちました。
(使った分だけ定期的に回収してその枚数分だけ支払うというやり方です)
20円×10枚ですので、1人あたり200円の出費です。
少し前の話ですので、今はやってくれるところがあるかどうか分かりません。しかし試してみる価値はあると思います。
100円ショップでは、消費税分サービスの日がありますがたった10円のサービスでもかなり込み合いますので、20円のサービスでしたら使う方もかなりいるのではないでしょうか。
私はやらなかったのですが、10枚つづりを一括して使う事を条件とすれば、コラボ相手の事務処理の負担も少なくなり、受け入れやすいのではと思います。
もう少し予算がある方でしたらガソリンスタンドと手を組む方法もあります。
1回限定で、1リットル当たり10円の値引き。
満タンにすると50リットル入る車でしたら、500円の出費です。
あと、文具店ともやったことがあります。
コラボした文具店では3の付く日(3日、13日、23日)に3割引をしてくれるのでかなり込み合います。
そこで、私のお客様にその文具店でいつ購入しても3割引にしていただけるよう交渉し承諾を頂きお客様に、年間3割引券を渡しました。
この文具店との交渉では
3割引に対する私の補てんはありませんでしたので年間割引券を作る経費だけに抑えることが出来ました。
コラボ相手によっては、事務処理が大変になると分かったところは途中で断られたこともありました。
他にもお寿司屋さん、自転車屋さん等ともコラボしましたがお客様の趣味嗜好の強い商品を扱っているお店では、それほど割引券を使うお客様がいなくて、効果はありませんでした。
コツとしては、普段からお客様が良く使われる店。割引券があれば必ず使うであろうという店を探す事です。
このようにコラボは、コラボ相手の利益になるような提案をすると結構色々なお店と出来ます。
一つ注意してほしい事は、出来れば地域一番店又はそれに該当するようなお店を選んでください。
なぜなら、自分のお客様を紹介するわけですからコラボ相手とお客様がトラブルになった場合に自分のお店の信用が落ちてしまうからです。
地域一番店でしたら、トラブル防止の策も持っているでしょうし、万一トラブルになったとしても対策はあるはずです。
それから、条件面をしっかりと確認しておくことも重要です。
こんな場合はどうするのかという、色々なケースを話し合う事も大切です。
これらのコラボは時間差コラボなので、先行投資をしなければなりません。
ただ、人にフォーカスするとこんな考え方も出来ると思った次第です。
お客様が喜ぶコラボレーションは、口コミ誘発の原動力となります。
「あの店で買うと、こんな事、してくれたのよ!」
「どうせ買うなら、あの店がいいわよね!」
という口コミです。
私の店では、毎年新規客が多いので、効果があるかどうか疑問でしたが、それでもかなりの反応が取れました。
ですから、ニュースレターを出しているようなお店では既存客との信頼関係がある程度出来ているので、更に多くの反応が取れるのではないでしょうか?
追伸
私達のような小売店は、利益率によってお客様にどんなサービスが出来るのかが変わってきます。
私の商売は、利益率が約3割なので一人あたりのサービスに使うことが出来る金額は限られてきます。
それほど経費を掛けないでお客様に喜んでいただけるにはと考えると自分のお店単体では、どうしても、サービスの幅に限界がありました。
しかし、他業種とコラボする事によりこの問題が一気に解決したような気がします。
コラボ相手が利益率の良い商品やサービスを扱っている場合には、自分の身銭をそれほど切らなくてもお客様に喜んでいただくことが出来ますし
コラボが成功すると、コラボ相手のとの信頼関係が築けますので人脈も構築できます。
それには、まず信頼関係を築く事が大切ですが、同じ志を持っている仲間ですからそれほど難しい話ではないはずです。
以上ヒントになれば幸いです。
今日はとても長くなりましたが
最後までご覧いただきありがとうございました。
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