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ほんとそうだなって思った言葉

会社員時代のある時、懇親会レベルの集まりがあって、職場の同僚や私より役職が上の人たち、当時私が秘書をしていた役員など10人くらいで飲み食いしていました。

よくあることですが、すごく楽しそうに参加している人が多数の中で、若干場の雰囲気にノリ切れていない人がいました。仕方なく来たのかな、気が進まなかったけど断れなかったのかな、と思いつつも秘書という職業柄、場を見てさりげなく話題を振ったり、あるいは話題を転換したりしてその人がどこかでノレれればいいなと思っていました。

ただ、みんなが楽しそうにしているところにいるだけいい、というタイプの人もいると思うのであまり無理に引き込むこともないかと様子を見ながら私もお料理を楽しみ、会話を楽しんでいました。

そんな流れの中で、役員が、ノリきれていない人に向かって、会話の途中でさりげなく「どうしたんだ?元気ないか?」と言ったような声をかけました。

それに対してその人は、いえ大丈夫です、単にしゃべることがないものですから、みたいな返事だったと思います。

すると役員が「なんか君のところだけ空気が滞留してる感じだったから」と声をかけて「空気はさ、自分で変えればいいんだから」と言ったのです。

その一言は私に向けられたものではないのですが、私はハッとしました。

「空気は自分で変えればいいんだから」

例えば食事や懇親会などに誘われた時に、行くか行かないかを返事するにあたって、他のメンバーは誰かな?そのメンバーなら面白そうだから行こう、ああそのメンバーだと盛り上がらなさそうだから遠慮しておこう、のような判断基準で返事をすることがよくありました。

面白い空気を循環させるメンバーなら行く、面白い空気が発生されないだろうメンバーならやめとく。私には「空気は自分で変えればいい」という発想がまるで無かった。

その役員は、どんな空気の流れも自分に引き寄せるトークの面白さがあったし、なんだか話を聞きたくなる人間的魅力もあった。それだからこそ大企業の役員にまでなったのだと思う。

綺麗な空気のところならいく、澱んだ空気のところなら行かないって考えじゃなくて、自分が座った場所の空気は自分で循環させるっていう考え方、なんとも素敵ではないかと思ったのでした。

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