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農家詩人 福岡正信さんについて

福岡正信先生をご存知だろうか?
わら一本の革命は有名な本だが、自然農法に興味ない方は知らない人が多いかもしれない。
そもそも福岡正信とは、どういう人物か?
それは一農民である。
しかし何故その一農民が世界を代表する有名人であるのか。
それは自然農法を開拓し、実践し、世界に広めたこと。その後インドタゴール国際大学学長のラジブ・ガンジー元首相から最高名誉学位を授与。アジアのノーベル賞マグサイサイ賞を受賞したことが挙げられる。
詳しいことは、わら一本の革命を読んで欲しいが、福岡正信が発見したことはとてもシンプルである。それは農業をやらないことである。農薬散布も除草しない肥料も耕すことも何もしない。人間が今まで農業として実践したことを一切止めて、自然の力のみで作物を見守ること。それが自然農業の考えである。
しかし今回農民としての福岡正信を考察したい訳ではない。芸術家としての福岡正信を語りたいと考えている。

わら一本の革命にしろ、百姓夜話にしろ、本の構成として農業の専門書というより文学的価値の方が高い。それは農家に向けて書いている訳でなく、人類に向けて書いているアンチテーゼが前提にある。つまり農業に限ったことではなくて、本当にあなたのしていることは必要なことなのか?という哲学的問いが繰り返す。

無門の大道 人気無く 
天静かなれども 地はさわぐ
誰が立てるか 波風は
右じゃ左じゃ 攻め守れ
何がよいやら 悪いやら
うちわの風の ウラオモテ
どちらも同じ ハッチャメチャ
人無き園に 仮の庵
今日1日が 百年で
大根 菜の花 花盛り
西暦2000年 月おぼろ
無我夢中 あの世この世を 素通りし
定め無き身の空の旅
あとは野となれ 山となれ

福岡さんの詩作である。
私は詩人は知と感情の同一化がなければ本物ではないと思っている。
この詩には福岡正信さんの歩みがイキイキと表現されているように感じる。

私は農民ではないが、教養としてわら一本の革命をおすすめする。

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