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モノづくり産業へ愛をこめて…

モノづくり産業に携わるようになって、2年が経とうとしています。

正直私は特定の物事を深く好きになりにくいというか、何事にも広く浅い性分なので、コンサルティング業界からキャディに入社し、製造業ど真ん中で働いたときに、果たして自分は飽きずに続けられるのか結構不安でした。

ところがどっこい、働けば働くほどこの業界のディープさにはまっていっております。日に日にモノづくり業界、そしてそこで働く人たちへの尊敬は増す一方で、この業界に貢献したいという思いが強くなっています。

この記事では、モノづくりに携わっていてよかった、もっとモノづくり産業のために貢献したいと心の底から感じた、エモっぽいエピソードを書きたいと思います。恥ずかしいけども。

お前と出会えたからええんや、と言ってもらえた話

1年半ほど前私は、当時としてはかなり金額規模が大きく、チャレンジングな案件の受注向けて、試作製品の製作や、受注に向けた見積もりを担当していました。

当時の私は、まだ素人同然でモノづくりの知識が不足しており、試作も一歩進むごとに問題が出てくるような状況でした。そして、それに対して毎回修正の方法を模索するのですが”やってみなきゃわからない、けどそれやって失敗したら取り返しがつかない”といった判断の連続でした。本当に、「一生納品できないんじゃ…」と思い悩む日々で、モノづくり産業のシリアスな側面を思い知りました

私の実力不足で迷惑を掛けながらも、製作いただいた加工パートナーに何回も長い時間残業していただきながら修正を掛けてもらい、結局元々の納期から1ヵ月以上遅れてどうにか試作を納品することができました。

納期が遅れるというのは、どの業界でも大惨事だと思います。この件でも、お客様の組立工程が後ろ倒しになり、エンドユーザー様への納品にも影響が出る懸念まで発生し、お客様には相当なご迷惑をおかけしてしましました。

試作納品後、本格的に大規模案件の話が立ち上がり、見積と生産体制の準備に取り掛かりました。案件の規模がかなり大きかったため、加工パートナーの既存生産体制では間に合わないとの判断の下、工場を新たに立ち上げてもらいました。もちろん相応の金額を伴う投資が必要で、相当な信頼をしてくれた上で、かなりリスクを取ってくれた判断でした。

ところが、大規模案件受注を目前に、試作の段階での品質懸念などが響いて、お客様の社内でキャディへの発注に疑義が唱えられ、結局案件を失注してしまいました。加工パートナーとしては、工場への投資を回収できる見立てが足元なくなってしまう形となりました。私の実力不足が最悪の形で影響してしまい、相当落ち込みました。

仕事上のドライな関係のみであれば、極端な話、どう投資分をキャディが補償するのかとか、そういう話になりえたと思います。しかし、案件失注の報告を加工パートナーの社長にしに行った際に言われたのは、以下ような言葉でした。

確かに失注したことは、金額的には痛い。だけどこの案件を通じて、キャディは精一杯やってくれたことはわかっている。これがきっかけで、お前と出会えたから、それでええ。この人間と人間との関係はこれからもずっと続くし、投資した金額以上の意味があったと思う

私は、人と人とで仕事をするという感覚を初めて感じた気がしました。その加工パートナーの社長とは今も、案件でもそれ以外でも太く付き合っています(時には人生相談をしたりしてます笑)。

社運がかかっていても、それでも助けてくれる話

またまた大迷惑をかけた話なのですが(笑)、お客様からキャディが製品を受注した後に、かなり加工が難しい点が見つかってしまい、製作ができず私がピンチに陥った時の話です。

色々な加工会社にコンタクトを取って製作可否を相談しても、「正直作ってみて形になるか、やってみないとわからない」と、何社にも製作を断られてしまうような代物でした。

困り果てた私は、特に普段から関わりの深い関西の加工パートナーに相談を持ちかけました。本来ならその加工パートナーが得意としている領域ではないのですが、

下郡さんが困っているなら何とかしますよ

と電話で言って下さり、すぐ関西に飛んでいきました。

しかしタイミングが悪いことにその加工パートナーの社長は、社運がかかっているほどの大型海外向けプロジェクトの山場を迎えており、(正直金額的には大したことがない)私の厄介な案件に時間を使っている場合ではない状況でした…本当にものすごいドタバタで、5分と話す時間をとれない状況でした。

翌日も朝から出張で東北に行かないといけないとのことだったので、流石に厳しいかと思い帰ろうとしたところ、

本当に時間取れなくてすいません。駅まで車ですか?車の中で話せますか?

といっていただきました。明らかに余裕がないのにも関わらずです。本当に申し訳ない思いの中、駅までの1時間で案件の状況と製品仕様について詰めさせていただき、後は任せてくださいと、言っていただきました

そして、何社にも断られた製品を、休日も出勤しながら、納期通りに製作いただきました。お客様もその製品の品質を喜んでくれるほどの仕上がりでした。

(その案件で時間なさ過ぎて、手書きで超汚い図面書いてステンレスを切って貰った奴↓(笑))

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おわりに…

きっと、モノづくり業界はこういう人間臭い関係で、お互い支えあいながら成り立っており、そして、日本を支えてきたんだと思います。

それは間違えなく素晴らしいことですし、私はすっかりそんなモノづくり産業のファンになってしまいました。

が、時代の変化とともに、それだけでは回らない部分も大きくなっているんだと思います。「人と人とで成り立っている世界だから」こそ、効率化を進める部分は進め、人と人でないとできないこと、強みに集中できる産業に変革していかないといけないと思います。

これだけ素晴らしい人がたくさん働いている業界が、もっといろいろな人に尊敬されてほしいと思うし、もっと働きやすくなってほしいと思うし、もっと希望にあふれていて欲しいと、結構ピュアに思えています。そう思わせるものがある業界だと思います。

そして、キャディはそれを実現できる可能性があると信じています。
ので、気合を入れて頑張るぞ!
と同時に一緒にやってくれる方、興味持っていただいた方、ぜひお声がけくださいましm(__)m


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