事業を立ち上げる上での学び

直近3カ月間、新規事業領域の立ち上げのチームで仕事をしていた。自分なりに中々必死に頑張ったものの、やはり頑張るだけでは上手くいかないことも多かった。その反省を文章に残したいと思う。体系的にというよりは、思ったことを羅列させたい。

事業立ち上げを成功させるとはどういうことか、をまず考える
まず、そもそも成功についてよく考えることが必要だろう。
例えば、成功として”売上”のみを追ってしまうとポジティブなイレギュラー(例えば、たまたま大きな契約が取れたとか)に惑わされてしまう。
だからといって、安直に”契約率”等の指標を追っても、規模の大きな案件に繋がらないならばスケールするビジネスとは言い難い可能性がある。
私は、事業が立ち上がった状態を「事業の継続に必要な学習を終えた状態」と捉えるのが良いと思っているが、その定義に従えば、学習すべき論点をしっかり考え、それが検証されたかどうかを詳細に観察しなくてはならない。

順序を考える
論点を検証していく上で、何より順序が重要であると感じる。どの順番で度の論点を検証していくのかを、慎重に考えないといけない。
順序を考える必要があるのは、事業の状態が、特定の論点の検証しやすさに影響を与えるからである。売上一定規模になって初めて、もしくは、業界知識が蓄積されて初めて検証できる論点もあるだろう。
従って、順序を決める際には、ある論点を検証する中でどのようなことが自社で学習されるのかを始めとし、どのような状態変化が自社に起きるのかをイメージする必要がある。その状態変化も踏まえて、どの順序が最もスムーズに学習を終えた段階に到達しうるのかを想像するべきだろう。

アクションレベルでフォーカスする
”順序を考える”ことと裏表だが、常にリソースが足りないことを自覚し、何にフォーカスするのかを意識しなくてはならない。
また、意識するだけでは不十分であり、日常のアクションレベルで何をすべきなのかを管理する必要がある。
ここを”頑張ればどうにかなる”と思っていると失敗に繋がる。人間は思っているよりも複数のことは苦手だし、思っているよりも日常の業務は忙しく、体力を使う。
本当にしたいことをアクションレベルで決め、それができるように時間を確保し、残りの時間でそれ以外のことを行うべきである。そこに日常業務が収まらないのであれば、日常業務を圧縮する手立てを講じなくてならない。

学習量の最大化のために、経験あたり学習量を意識する
忙しい時に陥りがちなのが、経験量(生産個数や取引回数)をとにかく増やすという思考だろう。それは充実感をもたらす分たちが悪い。しかし、「事業の継続に必要な学習を終えた状態」を目指すにあたり重要なのは、経験量ではなく、あくまで学習量であるはずだ。従って、経験量だけではなく、経験あたり学習量も強く意識しなくてはならない。経験あたり学習量が2倍になるのであれば、経験量が2/3になっても構わないのではないかと思う。
但し、予想しない学習が生じうることも頭に入れるべきだ。そしてそれは、経験量が物を言う確率の世界であるとも思う。
経験量と経験あたり学習量のトレードオフに抗いつつ、どう最大の学習を生み出すかは、よく考えなくてはならないだろう。

解決志向のマインドセットを持つ
スタート地点として、日々忙しく事業の状況が移り行く中で、今直面している困難は何かを明確に認識する必要がある。KPIやOKRはその補助となり得る指標を設定する。
そして、その困難に対して、常に「解決するとしたら…」という視点で向き合う必要がある。なぜそれが困難たるか、という理由をどれだけスマートにまとめたとしても、解決しなくてはいけない以上、あまり意味がない。解決するなら、どうにか乗り越えるなら、そういう空想交じりのマインドセットで向き合わなければ、解決策は見えてこない。
これは、精神的にはタフな作業だが、癖になるまでは意識的に行う必要があるだろう。

次の三ヵ月、同じ学習をしてしまわないように、更に深化した学びを得られるよう、取り組んでいきたい。

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