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短編248.『全ては馬鹿ゆえに』

 建設的な批判まで封じる開示請求は社会悪だが、単なる負の感情を詰めただけのDMは不幸の手紙よりタチが悪い。

 開示請求が可能な世の中ということが周知されており、実際に逮捕者すら出ている現状に於いて、未だSNSを介した誹謗中傷や脅迫まがいのDMが無くならないのは何故だろう。

 何故って、馬鹿だからだ。

 馬鹿故にDMを送るのだろうし、馬鹿故の読解力の欠如で開示請求については知らぬ存ぜぬ、馬鹿故の想像力の無さから「自分は逮捕なんてされない」とでも思っているのだろう。

 あおり運転もまたしかり、だ。

 こんなにもニュースになって、逮捕者が続出し、法改正までされたのにも関わらず、絶えることはない。

 車の後ろに【後方録画中】のステッカーが貼ってあるのは、もうデフォルトだ。YouTubeを開けば(それがヤラセかどうかは一旦置くとして)、一大人気コンテンツと化している。『あおり運転』というワードが含むありとあらゆるキーワードがこれほどまでに周知徹底された令和という時代。

 にも関わらず、人は今日も煽ることを止めない。

 それが唯一の解決策だとでも言わんばかりに。

          *

【馬鹿は果てしなく馬鹿である】という同語反復を以てしても馬鹿を表現し切れないのは馬鹿が馬鹿たる所以だろう。




#開示請求 #あおり運転 #エッセイ #小説 #短編小説

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