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相手に発達障害を伝えるべきか?

こんばんは。
今日は少し暑い一日でしたね。

梅雨の谷間の日差しの強い日。明日までこの天気になりそうです。
お出かけする方は紫外線対策を忘れずにしておきましょう。

今日は私の質問箱に届いた内容から、回答いたします。

先に書きますと、今回の質問。
回答内容が、原稿用紙10枚以上。
かなりヘビーな内容だと感じたので、しっかり向き合って回答いたしました。

【質問】

(いつもなら全文を書きますが、ちょっと略しますね)
職場の同僚の発達障害を疑っているが、その人に病院へ行ってもらいたい。
病院に行ってもらうには本人にどのように話すのがいいのでしょうか?

【回答】

私の場合、病院に行けとは言わないですよ。
どうするべきかは、最後までご一読下さいな。

まずは、私のnoteを読んで下さり、ありがとうございます。
私は今でもADHDと向き合いながら、占い以外にもお昼の仕事をこなしています。

質問を受け、回答をじっくり考えました。
そして、考えながら思ったのは、ご期待に沿う回答はできないだろうなということ。

「病院に行ってもらいたい」と言う切実な言葉は、とても心に沁みます。
ただ、発達障害の当事者がこれを言われると本当に辛いですし、悲しくなります。

まず、世間での発達障害を考える風潮について書かせて下さい。

単純作業が出来ないイコール、発達障害。
と言う風に、今の風潮だと捉えることが出来るかも知れませんが、実は別の障害の可能性もあったりするのですよ。

一口で「発達障害」と括ってしまうのは簡単ですが、私のような不注意の多いADHDもあれば、ASDのようなコミュニケーション障害の場合もあります。
あと、LDやSLDと言った文章や図形を理解できない学習障害の方もいらっしゃいます。

さらに、これらが複合して出ている方も、世の中にはいらっしゃるのです。
ただ、この検査や診断は、最終的にはお医者さんがするもの。
我々がこれだと思っても、絶対に決めつけてはいけないのです。
私はそのような考えを基にして、人と接しています。

話を戻しますが、もちろん相手の人と話をしていて「そうなのかな?」と感じる方はいらっしゃいます。
でも、それと決めつけて「あなた、ADHDでしょ?」なんて言えませんよ。私は言ったことないですし、人を傷つけることは出来ない人です。

本人に伝えたい気持ちもわかるのですが、普段から注意され続けている人から「病院へ行け」と言われても人って動かないんですよね。

これは、私の体験談だから言えるのです。
もし、私が上司から「病院に行け」と言われたら、「はいわかりました」とは言わないですよ。言っても無視しますよ。

「行ってもいいけど、代わりにお金を出してくれ」と言いたくなります。
実際に病院に行くと、診断や面談、診療、そして薬代。1万円はざっと掛かりますからね。

だから、伝えても関係が改善することはないと私は思うのです。

私の話をすると、しばらくして単純な作業ですらミスをするようになったので、これはおかしいと思うようになりました。そして、自分で自分の気持ちをコントロールできなくなったので、仕事を休むようになったのです。

私がミスをする原因は、上司の度重なる注意による自信喪失です。
注意する人がきっかけで、ミスを重ねている事も考えられるのです。私は心が萎縮して、そんな状況に陥ってましたから、わかります。

上司は、発達障害の可能性に気づいていました。
でも、最後まで言いませんでした。そこだけは偉かったなと思います。

上司も私の診断書を読んで、上司は上司で悩んでいたと苦しい胸の内を明らかにしました。
その時「病んでいた」私は、何も言葉を返しませんでしたが、後々回復して考えたら「この人、私に散々パワハラしていた癖に、よく言うよな」と後から思いました。

もし上司から「あなた発達障害でしょ?」って言われたら、私はさらに酷い鬱になって、しばらく仕事ができなくなっていたと思います。そして、人生ずっと恨んでいたと思います。

そして、その後自分が回復したら、上司をパワハラで訴えていたと思います。それぐらい、人に対して発達障害の話をするのはデリケートな問題だったりするのですよ。
そこはご理解して下さればと思います。

ちなみにその上司は、何年か後に地方に飛ばされました。
私以外にも、何人も人のメンタルを潰していたんですよね。
私も回復してから飛ばされましたが、これは余談なのでここまでにしておきますかね。

まあ正直ここまで、ご質問された方のストレスが増えるような回答しかできていなくて申し訳ない気持ちで一杯ですが、ここから、もし私が同じ立場の場合、どのように相手に伝えるのかを書いて行きます。

私も、自分が発達障害ですし、周囲にそのような疑いがある人とお仕事をしているので、参考になるかも知れません。

まずは、今回のゴールは何かを考えてみて下さい。

一緒にその人と仲良く円滑に仕事をすることでしょうか?

私は違うと思うのです。

自分のストレスが減って、相手のストレスも減る。

こうなれば、理想的ではないでしょうか?

先程まで書いた話の通り、「相手に発達障害を伝える」というのは、お互いのストレスを更に上げる危険な手段なのかなと私は考えたのです。

なので、相手の持ち場を変えることが、一番なのかなと思うのですよ。

なぜなら、その方に他の仕事をさせた方が、まだ仕事が出来る可能性があるからです。
もちろん、出来ない可能性の方が高いですよ。
でも、何でもさせてみて、それなりに出来ることを見つけるのも一つかなと思います。

あなたの担当から外れる形になるかも知れませんが、それが可能であれば、そういった選択肢も一つになるでしょう。

まずはどれぐらいの職場の大きさなのかわかりませんが、この話をする場合、大きな会社だと人事の方や管理職でも上の方に入ってもらう必要があると思います。

また、小さな会社であっても、自分の味方ではなく、中立的に物事が見れる誰か(できるだけ若くて役職の高い人)に入って相談をすることが大切です。

私の話をすると、適合障害の診断書と一緒に、元の部署に戻してくれと上司と役員に伝えました。

なぜなら、元の仕事内容の時は、問題なく仕事ができていたからです。
持ち場の変更を提案できる人は、上司の更に上役になりますから、その上役を交えての面談を私からお願いしたのです。

ただ、持ち場が変わるまで二ヶ月掛かりました。相談をされた受け入れる側としても、すぐには出来ない訳ですよ。
だから、それまでは一緒に過ごすことになります。

では、今の問題をどのように軽減するのかについて、考える必要があります。

そこで考えるべきことは、今その人に出している指示の出し方が、本当に適切かどうかを振り返ってみましょう。そして、マニュアルが本当にわかりやすいものなのかどうか、確認をしてみましょう。

なぜこのような話をするのかと言うと、発達障害を抱えている人は、複数の事をこなそうとすると、失敗するパターンが多いからです。

例えば、ブロックを組み立てるとします。
1・Aの右にBを置く
2・Bの上にCとDをくっつけて置く
3・Cの上にEを置く
この3つの指示で、

  E
  CD
AB

と言う形が出来たのを、今回の話ではいったん正解としましょう。
ところが、Bの上にCとDをくっつける事ができず、あたふたしている間に次のEの指示が来てしまうと、どうすれば良いのか、訳がわからなくなるのです。

この指示だと、わざわざAとBを離して
  E
  CD
A  B
みたいな形で並べることがあったり、時間がないからやっちゃえとなり、
E
CD
AB

とすることもあります。
そしてその人は、出来たからそれでいい、と思っているのです。

普段生活している方からすると、この考え方は「信じられない」って思いますけど、発達障害の人からすると、たまになぜ注意されるのかがわからなくなるのです。

だから相手が間違わないように、2つ目の指示を、さらに細分化するのです。

2−1・Bの上の中央の左側に、Cをくっつける
2−2・Bの上の中央の右側に、Dをくっつける
3・Cの上にEを置く
の後に、
4・Cの下に、Aがないことを確認する

と書けば、相手も混乱しなくなります。

「なぜ、ここまでしないといけないのか?」と思いますが、しないとダメなのです。発達障害の方には、伝わらないのですよ。
なぜなら、発達障害って、このような脳の作りになっているからです。

本当に困りますけど、これが現実だったりします。

こう言った話は、手順を細分化したり、明確な指示をすることで、失敗の確率は確実に下がります。

実際に私は、IT関連のマニュアルの作成をよく任せられます。
そして、そのマニュアルは丁寧だと、外からいつも評価されています。
なぜなら、私が読んで間違えないように作っているからです。
「ここまで書くの?」と言う内容まで、書いていたりします。

少し具体例を書きましたが、間違いがよく起きるのであれば、今の手順書や、作業をしている順番をきちんと理解して、進める必要があるのです。

あとは、作業の優先順位付けです。
優先順位をつけることは、一日の最初に、必ずしてあげましょう。
手持ちの指示されたことが2つあると、どちらを先にやっていいのか判断がつかないのです。
そして、1つのことをやっていても、他のことが気になって集中できません。
だから、きちんと伝える必要があるのです。

例えば、このような形です。

「今日はAの事をやる。それが終わったら、Bの事をやる。他に依頼が来たら、私に相談して!」

こんな形で、相手と約束事を作るのです。

指示の出し方や優先順位の話をすることは、応急処置みたいな形です。
一つ一つ作業の手順や振り返りなんかをして、やっていくことも大切なのかなと私は考えています。

まとめますと、
・中期的な目標としては、持ち場を変える配属転換を考えてみましょう。
・短期的な目標としては、作業の明確化、細分化をしてみましょう。
・仕事の優先順位を付けて伝えることも大切です。
・私の場合、発達障害の話は絶対に伝えません。

となります。

ご質問をされている方が、どんな職場でお仕事をされているかわかりませんが、レジって、たくさんのことをマルチで行う仕事なんですよ。
だから、絶対にその方は向いていないですね。

あとは、原価表ですか。
私の場合、「原価表」と聞いたら、「そのような大切なものは私に近づけるな」と周りの皆さんに言います。なぜなら、扱って作業をすればミスをするのが容易に想像できるからです。

ちなみに、コンビニなんか、マルチタスクの最たるものです。私は仕事内容を近くで見たことがありますが、自分には絶対に無理だと思いました。
もしコンビニだと、「店長にどうにかしてくれ」と言うしかないですよね。
あるいは、シフトを変えるとかですね。

スーパーでしたら、例えば配置転換で魚を捌いてもらったり、棚の入れ替えやアイデア出し、商品のポップを書いてもらう事に専念してもらったり。
バックヤードで活躍する方が、会社的には良いのではないかと思うのですよ。
その方にも、働き方の可能性が広がりますからね。

このように、今の世の中って、みんなが幸せになる方法を考えることが大切です。
「その人にとっても、自分にとっても良いことは何か?」と考えると、私は自分の経験からも配置転換が良いと考えるのです。

発達障害の人って、世の中どこにでも居るんですよ。
だから、上手に付き合う方法を考えなければいけないのです。

一緒に付き合う環境に居るのであれば、指示の仕方を工夫するしかありません。思うに、そういった人と付き合う試練に来ているのな?と感じる時もあります。こんな試練はゴメンだと言いたいかも知れないですが、うまく対応することが出来たら、自分の良い経験にもなります。

正直、発達障害の人とお仕事をするのは大変だと思います。
実際に苦労もされていますから、尚更です。
私の場合、一緒に仕事している係長には、いつも申し訳ない気持ちでいっぱいですから。

ただ、そんな人にも活躍できるフィールドが、世の中には必ずあると言うことを理解しておきましょう。
そして、お付き合いをする必要があるのであれば、上手な指示の出し方を心がけてみましょう。

ここまで書きましたが、どこかにぶつけたくなるお悩みだったと思いますので、お気持ちはわかります。
ただ、相手にそれを言わずに済む方法もあるよ、と言うのを私はお伝えしたいなと思いました。

少しでも心が軽くなりますよう、祈念しています。

ご質問、ありがとうございました。

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