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撮影機材はなにがおすすめ?ボディ編・後半

前回の記事で、初めてカメラを購入する方にオススメのメーカーについてご紹介させていただきました。

今回は、野球を撮影する場合に特化して、一眼レフの中でもオススメの機材についてご紹介します。

主に「2タイプ」あるという基礎知識

主語が抜けました。一眼レフには「センサー」が主に2タイプあります。
「センサーって?」…深く考えなくていいです。「フルサイズ」と「APS-C」という2タイプがあるということだけ、覚えておいて頂けたら十分です。「フルサイズ」はともかく、「えーぴーえすしー」なんて言われたら画面をそっと閉じたくなる気持ち、とても分かります。「APS-C」が何の略かなんて検索しなくていいです。ただ、店頭で「カメラください」と尋ねると希望メーカーに次いでほぼ確実に「フルサイズですか?APS-Cですか?」と聞かれます。そのくらいボディ選びで重要なポイントです。この先搭載するレンズの効果にも大きな違いが出てきます。

それぞれどんな違いがあるかを解説する前に、先に結論をお伝えしておきますね。

野球を撮るならずばり、APS-Cです。

開幕まで時間がない方は、このページを最後まで読まなくても「APS-Cのカメラください」だけ覚えてお店に行けば、店員さんがスムーズに案内してくれるはずです。

フルサイズとAPS-Cの違い ~レンズ編~

先ほど「野球を撮るならAPS-C」と結論を先に言ってしまったので、APS-C寄りで違いを説明していきます。

APS-Cだと、同じレンズをフルサイズに搭載するときと比べて焦点距離が1.6倍違うんです。「焦点距離」?…カメラ用語はどれも難しい言葉を使うので嫌になりますね。すごくざっくり言うとピントが合う距離のことです。レンズのオススメ記事で詳しく書く予定ですが、野球を撮るなら300mmから600mmくらいのレンズがオススメです。数字が大きければ大きいほど、遠くの選手にピントが合います。

300mmのレンズを買ったとします。フルサイズ機に搭載すると、300mmの焦点距離で撮影できます。ここまではいいですね?続いて、同じ300mmレンズをAPS-C機に搭載します。すると、480mmの焦点距離で撮影できるんです!APS-C機は焦点距離がフルサイズの1.6倍あるんです!300mm×1.6倍=480mm という計算になります。

野球中継に使用される望遠カメラは800mm~1,100mmのレンズが多いです。600mmのレンズをフルサイズのカメラに搭載した場合は600mm。一方APS-Cカメラに搭載した場合、600mm×1.6倍=960mmと、時にはテレビカメラマンが見ているような景色で撮影することができます。

フルサイズよりもAPS-Cのほうを強くオススメした理由のほとんどは、この「レンズの距離をもっとオトクに活かすことができること」に他なりません。

フルサイズとAPS-Cの違い ~夜撮編~

レンズ編だけ見るとAPS-C完全勝利のように思えてしまうので、フルサイズが圧倒的にAPS-Cに勝るシチュエーションをお伝えしますね。それは暗所での撮影のときです。

ただ、プロ野球に関して言うとデイゲームはもちろん、ナイターゲームでもほとんどの球場にライトがしっかりついているのでフルサイズが大きく秀でるシーンはあまり無いように思います。(一部、関西のパリーグ球団本拠地なんかは照明がついてても暗くてカメラマン泣かせですが、その話は改めて球場ごとの撮影記事にまとめます)

兎にも角にも、明るさよりもまずは焦点距離を伸ばしてピントを合わせなければ始まりません…!

ただ、フルサイズだと暗い場所でもこんなにキレイに見えたよという写真をご紹介しておきます。

夜のマツダZoom Zoomスタジアムでの1枚です。2018年の日本シリーズで撮影しました。撮影当時、ホークスの勝利を願っていた私でしたが、球場を染める真っ赤な景色があまりにも綺麗で、お気に入りの一枚です。

サブ機のSONY(フルサイズ)のカメラで撮影していますが、照明の当たらない客席までも、明るく見えます。…が、メインで撮りたいのは照明がきちんと当たった場所でプレーする選手なので、やはり野球撮るならAPS-C。改めて推しておきます。

フルサイズとAPS-Cの違い ~背景ボケ編~

フルサイズだと、APS-Cよりもセンサーが多いので、APS-Cと比べて被写体の輪郭はくっきり浮き上がります。背景ボケが強いので特にそう見えているのかもしれません。

ただし、上記の写真はフィールドシート(福岡ペイペイドームの場合コカ・コーラシート)から撮影しています。そのため、レンズの焦点距離が短くてもマウンドやバッターボックスは難なく撮れる場所でした。

内野席から撮影する場合は、やっぱりAPS-Cかなと思います。ちなみに、フィールドシートから撮影しても、外野手のほうまで撮りたいときはやはりAPS-Cのほうが焦点距離が伸びるぶん有利です。

野球を撮るならAPS-C

ちなみに、再び念を推しておきますが、APS-C一択というのはあくまで「野球を撮る場合は」の話です。結婚式場のカメラマンや俳優さんのポートレートを撮影するカメラマンは真逆で、皆さんフルサイズ一択だと思います。

前半記事と合わせると、これから野球撮影目的でカメラを購入する方にはCANONかNIKONのAPS-Cカメラがおすすめです。

次回、私が使用しているCANONのAPS-Cカメラを軸に、CANONの中でのおすすめ機材をご紹介します。


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