時間を止める三ステップ⑤

《それは数息観と組み合わせることもできる・前編》


ここまで心を百パーセント働かせる方法として「全心没入法」と「全心観察法」をご紹介させていただきましたが、この二つの方法は、禅宗の修行法の一つとして知られている数息観(すそくかん)と組み合わせて実践することもできます。

すなわち数息観を実践しながら「全心没入法」や「全心観察法」も併せて実践するというやり方も可能なのです。数息観がどういうものかってことは、インターネットで調べれば誰でも直ぐに分かることではありますが、一応ここでもそれについて簡単に触れておきましょう。

数息観とは端的に申せば、自分の息を数えることです。その数え方ですが、「吸う息、吐く息」をワンセットというか一つのものとして数えます。で、最初の「吸う息、吐く息」を1と数えるところからスタートして、その数が100に達したら一区切りとなります。すなわちその次の101番目に当たる「吸う息、吐く息」はまた振り出しに戻って1と数えるわけです。

ちなみによく調べてみますと、「吸う息、吐く息」ではなく「吐く息、吸う息」をワンセットとして数えるのが数息観の正しいやり方だという説もあります。が、私はその方面の専門家ではないので、それについては何も申し上げられません。どちらのやり方を取るかは、皆さんの選択にお任せします。

数息観は正式には、座禅を組んで実践することになっているのですが、「全心没入法」や「全心観察法」と組み合わせて実践する場合は、それにこだわる必要は無いと思います。そうしたければそうしても構いませんが、そうしたくなければそうしなくてもこれまた構いません。

床の上にあぐらをかくとか、イスに座るとかして実践するのも良いでしょう。何故ならこの場合は、数息観それ自体の効果(どんなものかは詳しく知りませんが)を期待して数息観を実践するわけではないからです。

ここでは、数息観というのはあくまでも、「全心没入法」や「全心観察法」を実践するための手段にすぎないので、数息観の正式なやり方に細かいところまでこだわる必要はないのです。

ただし、「勘定(息の数え方)を間違えないようにする。もし間違えたら、また1から数えはじめる。」という最低限の決まりごとだけは守りたいものです。


今回の話は以上です。


中島タローでした。


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