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優しい人になりたくない

優しいっていう言葉ほど優しくないものは、ないなと思うんです。もし、人から○○君って優しいねって言われたことがある人なら、なんとなくわかってくれるかもしれません。いや、私がひねくれているのかもしれないのですが、優しいねと言われて気分が良かったことはほぼないような気がします。なぜかというと、自分が自分で優しくなんてないということがわかっちゃってるからなのかな。

優しいって何なんでしょうね。相手が傷つかないようにすることでしょうか。相手が言って欲しいことを言うことでしょうか。それとも、相手の話をうんうんとなんでも聞いてあげることでしょうか。それとも、相手に対して思っていることをきちんと言えることでしょうか。この中に正解があるのならば正直に言って私は優しい人と言われるには程遠い気がしますね。

もちろん、日常の中にはあらゆるシチュエーションがあり、人間関係はうまくいかないものです。またある時には「優しい人」でいられる時もあるのだと思います。ただ、私は優しい人になりたい、とは口が裂けても言えません。と言うより、なれません。そして自分が相手に対して「優しい人」である時、自分に対して決して「優しい人」ではない気がするのです。

そんなことをたまに思ってしまうのです。

とにかく人間一人で生きられるわけではないので、いくら考えたって仕方がないことなのですが、世の中の大抵のことには表と裏があるなということです。ポジティブな瞬間があればネガティブな瞬間があり、期待しているときは期待していない時ほどうまくは行くもんでもない。また基本的に人は人に興味がなく自分のことで精一杯なんですよね。

一見優しくない人の存在って、優しい人よりもむしろ優しいなって思うことがあります。パラドックスみたいですが。優しくしないことの方がエネルギーを使うんですよね。自分にそれだけエネルギーを使ってくれているってことがもう優しいですよね。ちょっと意味不明ですけどね。

なんにせよ、「優しいって言われるのはなぜか辛い」、ということと、「一見優しくない人の存在は意外と大事にしたほうがいいかもしれないな」、と思った話でした。



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