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【創作SS】運命の扉

 岩瀬が音楽室に入ると、新田はすぐに気がつき、ピアノでベートーヴェン第五交響曲の冒頭を弾き始めた。
 プロジェクターから『ジャジャジャジャーン』という3D映像が岩瀬の方に映し出され、小さな振動が岩瀬の体に届いた。
「何これ?これを見せたかったの」
「うん、耳の不自由な方が音楽を体感できるよう、父が開発した『オノマトペピアノ』の試作品。オノマトペの3D映像と振動で音楽を表現するんだ。弟さんにどうかな」
 岩瀬の弟は、先天的に耳が不自由だった。
「楽しめるかわからないけど、試してみたいかな」
「岩瀬さんの弟さんの話を聞いて、何かできないか親父に相談したら、これを開発してくれた。音源はピアノ以外でも大丈夫だから、良かったら自宅で試してみない」
「ありがとう。運ぶの手伝ってくれる。良かったら三人で聞きましょう」
「よろこんで」

 二人は微笑あい、一時間後には三人で音楽を楽しんだ。 

 将来は家族になる二人、運命はこのようにして扉を叩いた。

(本文ここまで)
オノマトペピアノ
#毎週ショートショートnote
たらはかにさんの「毎週ショートショートnote」お題に挑戦です。

#何を書いても最後は宣伝
 noteではふざけた展開が多いですが、今回は素直にお題に取り組み、恋のお話となりました。はい、完全にフィクションですね。福島太郎の「恋物語」と言えば、代表的なのが「恋する旅人」と「会津ワイン黎明綺譚」ですね。

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 なお、福島太郎は「文学フリマ東京36(5月21日)、文学フリマ大阪11(9月10日)」に出店を予定しています。
 また「文学フリマ岩手(6月18日)」は出店の抽選待ちですが、出店できない場合は、遊びに行く予定です。



サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。