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公務員のタマゴに伝えたい話 #13人事はひとごと、他人ごと

 人事異動は公務員にとって一大イベントであり、何十年勤務していても気になってしかたのない事象です。もしかしたら公務員に限らず、民間事業者の方々にとっても、人事は大きな事象かもしれません。
 しかし、人事異動に一喜一憂しない方が良いのではと考えています。

 筆者が体験した印象深い出来事としては、課長に昇格したくてウズウズしていた課長補佐に昇格の内示がなく、怒りにまかせて早退してしまったことや、異動する前提で書類を廃棄すべく荷造りしていたのに、内示がなく荷ほどきをした同僚などがいました。
 また、普段は上着を着用していない職員が「昇格」の内示があることを期待し、朝から上着を着用していたのに、午後からは上着を脱ぎワイシャツで仕事をしていたということがありました。

 さて、現実的には、希望どおりに異動できるといいうことはほとんどなく、上司も部下も選べない。ということを理解しておく必要があると考えています。
 公務員志望の方々には、『公務員になったら「あんな仕事」「こんな業務」「模範となる上司」「すてきな同僚」』などの環境を待されている方が居るかも知れませんが、そんな幸運はほとんどありません
「薄っぺらな紙切れ一枚」の辞令一つで、どんな分野の業務にも就かなくてはいけない、勤務先も選べない、嫌な人とも仕事をしなくてはならない。そんな覚悟を持つようお願いしたいと思います。

そういう訳で、人事異動に一喜一憂しないとしています。与えられた環境で職責を果たすことが必要なのです。

 少し切ない事例としては、「○○課」という内示が出た職員が、新しい職場に挨拶に行ったところ「貴方は当課の出先の○○施設勤務(当市では僻地&汚れ仕事)」というものがありました。

 また、通常は一つの職場に3年~5年勤務することとされていますので、1年で異動するという例外的な内示が出た場合などは、あちらこちらで
あの人、何をしたの
という枕言葉のあとに、各種ハラスメントや人間関係、不祥事などについての情報が飛び交うことになります。しかし、人事異動の理由について、担当課から情報が出ることは一切ありません。鉄壁の緘口令がひかれているのです。

 なお、国家公務員時代には、先輩が課長に対し『かなり積極的かつ辛らつな意見』を述べた後、自席に戻り「これで次の異動は最北端の出先だな」とつぶやいたことがありましたが、次の人事異動において、実際にそのような内示が出た、ということがありました。

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