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公務員のタマゴに伝えたい話 #47 地元(中小)企業は地域の宝


 空気や水、電気やガスなど自然な物、人工物に限らず、普通に暮らしの中に溶け込んでいて、「災害」でもない限り、その「普通」であることの有難さ、素晴らしさに気がつかないものが、いくつか存在していると思います。
 その一つとして、「地元の中小企業」も上げられるのではないでしょうか。

 「大企業」と呼ばれる企業は、実のところ産業全体でみれば、企業数も従業員数も、決して多くはありません。正確な数字は手元にありませんが、どちらも多くて1~2%程度になろうかと思います。
 日本の産業、経済、雇用を支えているのは、中小企業です。地域内に企業、事業所が多くあるということは、堅牢な社会基盤、豊かな自然と同じように、地域が持つ大切な宝物なのです。
 そして、子どもたちが将来地元で働きたいと願う時に、その雇用の受け皿となることにより、子どもたちの未来の生活を守る存在になります。
 地元の中小企業を大切にすることは、社会基盤を守り、子どもたちの未来を、その家族を守ることにつながるのです。

 それと「行政」がどのような関係があるのか。

 国に経済産業省があるように、基礎自治体にも「商工や観光の振興」を担当する部局があります。また、その中には「企業誘致・企業立地」と言われる業務を担当する職員がいることが多いです。
 そして、首長や議員の選挙公約にありがちなのが「1 企業誘致による地元経済の活性化、2 地元企業の振興」という順番が多いようなのです。結果として、当選後に編成される予算や人員も「企業誘致」の方が「地元企業振興」よりも、多い傾向があるような気がします。

 順番が逆ではないでしょうか。

 「企業を誘致すれば地元企業も活性化する」というビジネスモデルは、当の昔に崩壊しており、大企業は、全国どころか世界規模でサプライチェーンを構築しており、「地元に発注」なんてことは余りしていませんので、大企業が立地しても、地元企業は活性化しません。また、機械化が進んでおり、地元からの雇用人数は微々たるものです。
 そして、大企業は撤退する時には、迅速、かつ全国、世界規模で動きますので、「地元」ということに大きな意義は存在していないように見えます。

「300人の大企業誘致より、地元の300社が1人の従業員を増やす施策」

の方が大切ではないでしょうか。

 そのために行政として、具体的にどんなことが必要かと言えば、社会基盤の整備、高等教育機関などによる人材育成、そして、国・県などの施設誘致や事業の取り込みになるのではないかと考えています。

 また、地元企業を大事にする施策を実施し、地元企業が成長していくことが、遠回りに見えますが、大企業との良好な関係を結ぶことにもつながるのではないかと考えています。
 さらに、大企業を誘致するのではなく、地元の企業に大企業を目指して成長していただく。そんな施策に携わることができたらと、考えています。
 行政が積極的に、ビジネスに関ることは、民間企業の邪魔になるだけですので、関係機関等と協力して施策を展開していくことになると考えています。

 実際のところ、今、筆者ができることは、地元企業の良いところを学び、好きになり、機会があれば、他の方に紹介できるようにしておくことと考えています。
 地元企業は地域の宝です。その価値を見出せるように審美眼を磨いていきたいと考えています。

サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。