見出し画像

【詩】石ころ

かがんで地面の土から
てきとうな石ころをひろう
手のひらに乗せてみる
ころころと無抵抗
つまんでこすってみる
ざらざらと無機質なてざわり
頬にあててみる
少しあたたかい
石ころ自身の熱ではないだろうから
太陽の熱でももらったかな
石ころをそっと地面にもどす
立ち上がってすこし引きで見ると
石ころはただ自然の中にあって
何もしない

――ほんとうにそうかな?

ふと疑ってみたくなった
実は石ころ自身にも
体温があって
呼吸をして
生きている
そう想像したくなった

ぼくなんかよりも
よっぽど人間らしい石ころを
想像したくなった

ぼくは人間不適格だろうか
ねえ、石ころくん
どう思う?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?