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伝わらないは、つらいよ。inネパール。

福祉や医療の仕事をしていると、様々な理由で自分の思いを言葉で伝えるのが難しい人と出会うことがある。

スッと言葉が出てこなかったり、思うような言葉が出てこないことは、相当歯がゆく、頭も体も疲れるだろうなといつも感じる。

自分も言葉を伝えることが出来ずに、歯がゆい思いや不安に襲われた体験をしたことがある。


ネパールに行った時のことだ。
カトマンズからポカラに移動し、ヒマラヤ山脈を見たあとに、ブッタ生誕の地、ルンビニに向かった。

途中何度か韓国人に間違えられ、その都度
「アイム、ジャパン!」と、どや顔で間違えながらなんとかバスを乗り継いでルンビニに着いた。 

ホテル近くの屋台で、モモ(ネパール式餃子)を食べながら、情報収集。
どうやら歩いて10分くらいのところにブッタ生誕の地に行くバスがあるということが判明する。

翌日、バス停に着くと警察官が2人立っていたのでバス停はここであっているのか尋ねると大丈夫とのこと。

30分くらい待っているとバスが到着。

中には小学校に向かうと思われる15人くらいのちびっこが乗っておりパンパン。そして皆私に興味津々。キラキラした目で質問してくる。
名前、年齢、どこから来たのか?どこに行くのか?いつ帰るのか?といった個人情報がバスの同乗者に知れ渡るのに5分とかからなかっただろう。

ちびっこたちが学校で降りると、急に静かになり道もだんだん舗装されていない感じに。
1時間くらい乗っていただろうか、目的地に到着すると、すぐにバスは引き返していってしまった。

バスから降りて近くの人に声をかけるが、なんと英語が通じないではないか。。。
もちろん日本語は通じず、知っているネパール語はミトチャ(美味しい!)のみ。

とりあえず町(村)を歩いているとサドゥー(修行僧)をちらほら見かける。
片手をずっと上にあげている人やゴミ拾いしてるのかなぁと思ったら食べちゃう人。強烈な人は見つかるが、英語を話せる人が見当たらない。。。

そして30分もしてくるとすんごい不安になる。。

このまま帰れなかったらどうしよう。
お腹空いた。。
トイレ行きたい。。

言葉が通じない、思いが伝えられないということがこんなに辛くて怖いとは。とにかく不安。

ただ、そんな切羽詰まった状態でも話しかける人は選ぶ。そう、
なんか感じのいい人
これにつきる。

やっぱり急いでそうな人、怖そうな人、イライラしてそうな人、ゴミ拾って食べちゃう人には話しかけない。



結局この後、道案内してくれるって言う人に金せびられて喧嘩になったりもしたけど、親切な人に出会えて、ブッタが出家するときに出ていったという場所にも行けたし、無事帰ってきて屋台のモモ食べてミトチャということも出来た。

ただ、喧嘩してる場面を見られたら暴言、暴力(はふるってないけど)と言われ、リスパダールを飲まされるかもしれない。なんて。
ただ、高齢だったり、認知症と診断がついていたりすると、冗談に聞こえなくなる。

不安が強い時に、酷いと思うことをされたり、言われたら冷静ではいられない。

なかなか思いを伝えられない人に出会うといつもこの体験を思い出す。














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