見出し画像

#2【最恐の美容師/フリー脚本(10分・演者2人)】

【あらすじ】
よーし、今日は初めてお客様の髪をカットする日だ!と気合を入れすぎて、朝起きれずに寝坊してしまったんだ…先輩からは説教されちゃったけど、たまにはこういう失敗も…あってもいいよね。失敗しないように、頑張るぞぉ…!(コメディです。)

【登場人物】
サイコパス美容師
お客さん

【本編】
美容師:いらっしゃいませ〜!本日は初めてのご利用でよろしかったですか?
僕:あ、はい。
美容師:かしこまりました〜、ではこちらにお座りになってお待ちください。スタンプカードはお作りになりますか?
僕:あ、せっかくなので…じゃあ。
美容師:ありがとうございます。新規のお客様にはこちらのアンケートにご記入をお願いしております。こちら提出頂くと旅行券があたる可能性もございますので、是非。
僕:これ書くだけでですか?
美容師:はい〜。
僕:わかりました。(ボソッと)ここの美容室はあたりかもな。接客も丁寧だし、試しに入ってみて良かった〜。
美容師:(アンケートを受け取りながら)ありがとうございます!そうしましたら、早速ですがカット台にご案内致しますね〜。
僕:ありがとうございます。

美容師:さて、今日はどのような髪型にしますか?
僕:えっと…夏なのでさっぱりさせたいんですけど、最近毛の量が増えてきまして…清潔感のある髪型にして欲しいんです。
美容師:なっるっほど〜。そうなりますと…前髪は眉毛にかかるくらいでよろしいですか?
僕:えぇ。長くて気になってたんです。
美容師:後ろの方はっと…少しレイヤーいれてマッシュ作ってみましょうか。イマドキ感が出てすごくおススメですよ。
僕;お願いします。
美容師:横の方は…耳は出しておいた方がいいですかね?
僕:あ、どっちがいいですかね?
美容師:うーん、さっぱり出してしまった方が耳の形がはっきりでておススメですけど、お客様の顔の形ですと…うん。出してしまいましょうか!
僕:あ、はい。
美容師:まぁ〜お客様の髪質ですと、あんまりすきすぎないほうがいいかもですね。一本一本が細いので、ボリュームが出るように保つにはすくよりかは長さを変えて、少しレイヤー入れていった方がいいですね〜。
僕:はい。
美容師:シャンプーとか、気をつけてます?
僕:いえ。
美容師:そうですか!最近のは市販でもいいのがあるますけど、この店特製のオレンジシャンプーも格別なので楽しみにしていてくださいね。気になったら購入もできますので、是非。
僕:はい。

一瞬間。

美容師:この店に来るまでに迷いませんでしたか?結構入り組んでたと思うんですけど。
僕:んー、まぁ。
美容師:そうですよね〜。僕も迷いました。
僕:…ん!?
美容師:はい?
僕:迷われたんですか?
美容師:そうなんですよ〜。人も多いしでなかなかなれないですよね。今日なんて1時間遅刻しちゃって…(なぜか爆笑)店長におこられました。


間。

美容師;最近流行りのあの、「black cat」でしたっけ?あのバンドのボーカルの方が今人気らしくって。若い人たちは皆彼のマッシュヘアに寄せて欲しいって言うんですけど…まぁ、お客さんは頭の形的にイマイチ合わないかもしれないですね〜。
僕:はい。
美容師;あ、お客さんの頭不思議な形してますね。こことここが出っ張ってる
(若干笑う)冗談ですよ。冗談!あんまり気にしないでくださいね。知り合いからはよく口減らずって言われるんですよ。

間。

美容師:あ、今カット道具持ってきますね〜。

美容師退散。

僕:びっくりした〜。なげぇ〜〜〜〜〜〜!
僕;えっここ美容室だよね?ホストクラブじゃないよね!?
僕:(頭さすりながら)あれ冗談だったんだ…まじで怖かった。サイコパスかよ!


美容師が戻ってくる。

美容師:お待たせしました〜(片手にはキッチンバサミ。あるいはもっとわかりやすい、明らかにカット向きじゃない刃物をもってくる。)
僕:え!?
美容師:今準備しますね〜。(リップクリームぬったり、ハンドクリーム塗ったり手にアルコール吹き付けたりしている)
僕:あ、あ、あ、あの!?!?
美容師:はい?
僕:それ…キッチンバサミですよね?
美容師:…あ、間違えた(笑いながら)冗談ですよ!

美容師再び退散。

僕:怖いよ〜!!!!なんだよあれ、あいつ何カットしようとしてんだよ!?!?
僕:え、今のうちに逃げた方がいいかな?でも…ただドジっ子なだけかもしれないし…。

美容師入場。

美容師:すいませんねお待たせして。
僕:あ、いえいえ…
美容師:でね、僕って誰かに似てるとおもいません …?
僕:え?え〜っと。ちょっとわかんないですね。
美容師:デコポン。
僕:は?
美容師:地元で、「3中のデコポン」って呼ばれてたんですよ!?(爆笑)顔のボコボコが…そっくりなんですって!(爆笑)
僕:そうですか。
美容師:いやいやお客様、冗談ですよ!肩の力が入りすぎてます。リラックス、リラ〜ックス!

美容師は急にマッサージを始める。余計肩に力が入る。

僕:ひぇ!
美容師:何緊張してるんすか!?肩が凝ってますよ!…でもその気持ちわからなくもないです。
僕:…へ?
美容師:実は僕、カット始めてなんですよ。
僕:えっと…どういうことですか?
美容師:さてとっ、前髪は眉毛にかかるくらいで、よろしかったですか?


終演。

最後まで読んでいただきありがとうございます! ▶︎「4コマ漫画」「ボイスドラマ」 などで活動中のシナリオライターです。 活動費用が意外とかさむため、よろしければサポートして頂けると嬉しいです!“あなた”のサポートが私のマガジンを創ります。 お仕事のご依頼もお待ちしております!