詩|蒼い夜
手放してはいけないよ
と
シューザッハがいう
君はその下を知らない
捉えられた手の
置き去りにされた肩の
腕をかけて落ち着いてぶら下がっている
その下の虚空をしらない
紺碧の闇の
深く密度を増す
その青をしらない
判りかたは二つあるのさ
と
シューザッハがいう
たくさん考えてその気持ちになること
それとも
実際にそうなったときの
そのときの気持ちを思い出すこと
それは
例えば間違っていたとしても君の気持ちであり
それは
例えばあっていたとしてもその人の気持ちである
だから
全然違うんだよと
シューザッハは
その価値を知っていたから手放してはならないという
プールサイドで見つめるその価値は
あがれば水浸しだが
落下速度には渇いているのだろう
知らないのだ
価値を
青の落下速度も
知れば
そこにそうしていられることなど
出来はしないからだろう
知らぬまま知ることと
見つめることの
価値を
シューザッハはいっているのだろうか
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?