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エンケラドスから中継された、アストロバイオロジー概論・藤島皓介 先生 の講義を聴きました。


めっちゃくちゃ面白かったです。youtubeで配信されている、オンライン講義を受講しました。誰でも聴けるからぜひ聞いて欲しい。超面白い分野でした。

自分が素人の分野でも、アウトプットすることによって、理解が深まるという話を先日知り合いから聞いたので、講義メモを取りました。少しでも興味持ってくれる人が増えれたらいいなと思い、noteに載せます。

ちなみに、私は理数系は全く通ってこなかったので。理解が間違っているなどありましたら、ご指摘いただけたら幸いです。

自分の感想は ()内に書きました。あとは、書き起こしや箇条書きとして、記録してあります。

ということで、司会のたかはぎさんからの、イントロダクションからスタートです。



アストロバイオロジーオンラインセミナー開講にあたって

〜〜〜司会、たかはぎさんからのご挨拶〜〜〜

コロナ自粛の中、みなさまどうお過ごしでしょうか。家で過ごす時間が長い中、誰とどのように過ごすかというのが、改めて重要になってきています。

そんな中、学びのスタイルも変わってきていて。これはいい傾向だと思うのですが、オンライン上で、どこでも誰でも勉強ができるという流れが広まってきていています。

私たちは、アストロバイオロジー勉強会というのを2019年からやってきたのですが、それがどういう学問なのか、どんな面白さがあるのか。これからどうなっていくのか。ということを多くの人と共有したい。勉強したい。

ということでオンライン上のセミナーを開講させていただきました。アストロバイオロジストを名乗っている研究者がそもそも少ないのですが、その中で藤島先生は本場、NASAで学んできた方で、初回の講師にはふさわしい方と思っています。

〜〜〜ということで、藤島先生が登場しました〜〜〜

1 導入 アストロバイオロジーって??


アストロバイオロジーは、生命の起源・分布・未来を包括的にあつかう学問

大きくわけると、次の3つの問いの答えを探究している。

・我々はどこから来たのか? Where did we come from?
・我々は宇宙で唯一の生命か?Are we alone?
・我々はどこへ向かうのか? Where are we going??

私、今ですね。土星の第二衛星のエンケラドスという場所にきています。「この中にひょっとしたら、生命がいるかもしれない!」ということで、遥々きたわけなんですが。

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(土星の惑星、エンケラドスから中継してくれていました^^)

ここに来る途中に、たはかぎさんから「是非、アストロバイオロジーの面白さについて、話して欲しい」ということだったので。この場を借りて、アストロバイオロジーの面白さを伝えていければと思っています。

〜〜〜藤島先生の自己紹介〜〜〜

・「生命のシステムは、なんて複雑で緻密なんだろう」というところが学びのスタート。

・「どこで、どうなったら生命は、ここまで来たのか」という興味から、生命の起源研究ができる場所はないかといことで、アストロバイオロジーに出会う。

(確かに、生命の始まりは、超、気になる、、、。ちなみに専門分野は古細菌のtRNAについての研究だそうです。)

・簡単にいうとアストロバイオロジーは「生命の起源・分布・未来を包括的にあつかう学問」で、その言葉を再定義したのが、NASA。

・それまでは、地球外生命の部品を中心に、分析する学問として捉えられていたものを、地球を含めた包括的な学問に、アストロバイオロジーを再定義。

(宇宙と言えばNASA。くらいの知識しかない、、、)

〜〜〜それを知った藤島さんはNASAに向かった。〜〜〜〜

・NASAに行けば、起源探究が学べると思って、2011年、藤島先生は、NASAに向かう。

(研究したい!!と思って、NASAで研究できちゃうんだからすごいよな、、、。かっこいいな、、、。NASA時代の話、いつか聞いてみたい)

・そして、2016年に帰国。その時には日本にも、東京工業大学に地球生命研究所(ELSI)という研究所ができていた。

1地球がどうやって、できたか
2そして生命はどう誕生したのか

このふたつをがっちゃんこした研究所ができたことを知り、
2016年からは、そこに所属。

ELSIは公用語も英語、半分は外国人の研究者が集まっている。そこで、原始地球における生命の誕生の研究や、社会の科学リテラシーをあげる、というような活動をしている。

2019年には、アストロバイオロジー寄附プログラムが(株)ファーストロジックとELSIで設立されて、そのプログラムの特任准教授として、活動をしている。

(webサイトもありました。)

活動は、JAMSTECや

(僕が保育園の時に住んでいた、小笠原諸島父島に、しんかい2000を引き連れてきていたのが、JAMSTEC。しんかい2000のプラモデルもらいました。ありがとうございましたww)

JAXAとも

(JAXAは、特に思い出はない。)

連携をしながら、研究をしている。


2 歴史を辿る。アストロバイオロジーという言葉が誕生する前

・生命の起源に関する学問は、過去においては、哲学やアート領域だった

・アリストテレスー自然発生説
・デカルト近代ー動物機械論
・ゴーギャンの絵 など。

20世記に入り、それが、科学の領域にも登場してくる。科学領域の「生命の起源」の古典としては以下の2つが有名。

・20世紀 シュレーディンガー「生命とはなにか」(1596-1650)

・オパーリン 生命の起源と生化学


・哲学や芸術的アプローチからしか理解できなかった「起源への問い」が、サイエンスで(ゲノム配列に基づく研究など)アプローチできる非常にエキサイティングな時代。それが今。


1、我々はどこから来たのか? where did we come from?
2、我々は宇宙で唯一の生命か?Are we alone?
3、我々はどこへ向かうのか? where are we going??

哲学や宗教で捉えていた、この大きな構図をアストロバイオロジー領域でどういう研究をしているのか。

(いよいよ、本題へ。難しそうだな、、、、)

3 我々はどこから来たのか?宇宙で唯一の生命か?

・生命は、核酸とアミノ酸、2種類の「ひも」からできている。
(キーワードは核酸とアミノ酸。人間も、この2種類の「ひも(DNA,RNA,タンパク質)」で、できている。「ひも」のはじまりを知ることが、生命のはじまりに大切なこと。「ひもの謎」が解明しないと、生命の起源にはたどり着けない。ってことですよね、、、??)

・ひもの材料は、宇宙から来た可能性もある
・原始宇宙や原始地球において、ひもの材料となっている元素がいつから、どのくらいあるのか
・それぞれの天体にもたらせているのか
・どんな環境で、材料がひもになるのか
・そして、ひもがポリマー(重なったりつながったりする)になるのは、どういう時か
・ひもが、なぜ機能を持つようになったのだろうか

(レゴブロックでつくった鎖に例えると。その部品はどこから来たのか。また、どういう条件で、鎖になるのか。レゴの鎖は人間が介入しないと鎖にならないように、自然界では、どのような条件が、鎖をつくりあげたのか。ということですよね??)

核酸とアミノ酸の「ひも」が自然界で発生することを見つけたら。

・(ひもがつながったとして)そこから、どうやって自己増殖が起きたのか。
・自己触媒的なフィードバックがどうして可能になったのか。
・自己と外をどう区画化できたのか。

(レゴブロックが自然界で鎖になった先に。材料のコピーがつくれる工場が、いつのまにか鎖のシステムに内在しちゃってて、いい感じに、勝手にレゴブロックが増え続けているんだが、いつどこでそうなった!!??という問いにつながって。)

さらに

・それが、地球で特別なのか、普遍的に起こり得ることなのか

という宇宙へのアプローチも含めて。

地球の生命起源と地球外生命探査は、コインの表と裏になっていて、どっちもわかると、普遍的なものになるのではないか。

という探究につながる。

(壮大!!!!)

その生命の起源を、陸・深海・wet and dry(陸と海の交わるところ) ・宇宙など、それぞれの専門領域をまたがって、研究者が協力しながら進んでいるところが、アストロバイオロジーの魅力。

それぞれの起源の仮説などは省略しました。是非、動画みてね。生命の起源は、異なった専門領域の研究者が、力を合わせて進んでいく、というのが、とっても大きな魅力ですね)

・藤島先生が、この日、なぜエンケラドスから中継をしていたかと言えば。エンケラドスの南極から、プリウムと呼ばれる氷の粒が吹き出していて。そこで有機、無機分子が発見された。さらには熱水噴出孔が内部にあり、そこで、生命のはじまりが起こるのではないかという仮説があるから。


(2017年のニュースになってましたね。アストロバイオロジー領域では激アツな星!!!)


4 我々はどこへ向かうのか?の前に。現在のことを。

・生命の歴史はエネルギーの歴史。

(材料を組み立てて、自己増殖する生命の過程では必ず「エネルギー」が必要となる。)

・そのエネルギー生産において、38億年ぶりの更新が行われているのが現在。

・38億年前から生命は、酸化・電気・光・熱をつかってタービンを回してエネルギーをつくっている。

・今まで、人間がやってきた発電などのエネルギー生産は、生命がミクロスケールでやっていたことのマクロスケールでの再生産にすぎなかった。

・現在、電磁波・原子力・核融合など、生命がミクロスケールで行っていたことの再生産ではなく、生命が生み出せない材料で、エネルギー生産ができるようになった。

(38億年ごしの転換期なのか、、、。この辺の話は、ついていけないが、おもしろい。この動画思い出した。)

(「文明社会は発電や車など、非常にうまく回転を使っています。生物は回転をうまく使えないと思われていましたが。人間が水車を発明するはるか昔の何十億年前から、できていたわけなんですね。」(吉田博士16分〜))

5 我々はどこへ向かうのか? 


〜〜〜エネルギー史としての未来〜〜〜

(今は利用できないけれど)
・銀河放射線
・小天体の運動エネルギー
・惑星
・超新星爆発

などがエネルギー生産の材料として、使えるようになる可能性がある。

フリーマンダイソンさんの

生命は進化していくにつれて、中心の星のエネルギーを全て使い尽くすようになる。星をつつんで、放射されるエネルギーをすべて使うようになる。

と、地球内部の熱源も全て利用していくようになる。という仮説もある。

(ダイソンさんが、最近亡くなったと、藤島先生が残念そうにしていたのが印象的でした。)

・今まで使えなかった材料で、エネルギーがつくれるようなると、生命はもっと生命を生み出せるようになる。無機物を有機物に変換して、バイオマスを取り込んでいく。

どこまでバイオマスを増やして、かつ「生命圏」を地球以外に見つけていくようになる。善悪は別として、未来はこの方向性に向かっていく。

(ここは、全然想像できない、、、、。挫折、、、。有機物、無機物、バイオマス、、、???。ここ苦手な分野だ、、、。)



〜〜〜人類の宇宙進出についての未来・「生活圏」が宇宙に到達した時の問題を3つの視点で解説してくれました〜〜〜

「健康・生活・保護///宇宙で暮らすための3つの視点」

・健康維持の問題
 ・宇宙被曝
 ・微笑重力による骨萎縮
 ・精神的ストレス(環境の変化やロケットでの閉鎖的な生活など)

・生命活動・社会活動をどうサポートするか
 ・食料・水・空気ー運搬コストがすごいので、合成生物学、微生物学分野のアプローチで、エネルギーや食料を現地増殖可能にしたいー
 ・資材や部品加工 ー運ぶのか・現地工場でつくるのかー
 ・住居や産業・法律 ー土地の問題や、宇宙法、権利の問題ー
 

・惑星保護
 ・仮に人間が住めるくらいの環境ならば、その星由来の生命がいる可能性があり、それが「地球由来」なのか「その星由来の生物」なのか。判断できなくなってしまう可能性がある。研究にとっては、大問題。


(健康・生活・保護って、まさに地球での問題でもありますね。)


6 最後にー研究分野のチャートと参考文献ー

・最後にこの講義を聴いて、自分が面白かったと思ったことが、どの学問になるのかということをチャートにしました。
(チャートは、ぜひ動画の後半を見てくださいー^^)

・あとは、アストロバイオロジーの入り口としての参考文献もいくつか上げておきます。
(こちらも、動画を是非見てくださいー^^)

(10冊の本を紹介してくれていたのですが。そのなかでも一押しだった、こちらの一冊をさっそく買いました。読んでみようと思います。)

(あと、見慣れたイラストが表紙のこちらも買いました^^)

ということで、講義メモは以上です。
ありがとうございました。

7 受講した感想

アストロバイオロジー、面白い。藤島先生も、司会のたかはぎさんも、めちゃくちゃ面白かった。改めて、科学の研究者かっこいいなと思いました。

この記事で、説明は省いたのですが、核酸とアミノ酸の領域の話が特に面白かったです。

・リンは水に溶けにくいのに、なぜ、水に溶けて核酸となったのか。
・リン酸、五炭糖、塩基をどうひもにしたのか。

その辺の話と。

・仮に RNAワールド仮説が成り立つとしたとして。でもそもそもどうして、それが可能になったのか。

という話とか。

生命の起源としての 陸・深海・wet and dry それぞれの仮説の話がめちゃくちゃエキサイティングでした。

【核酸、アミノ酸が、ひもになれたとして、そこからどう自己増殖・自己触媒がはじまったのか】

ここは、ほんとに、超面白いなー。

この前、読んだこの本の知識とかも役に立ってよかった。

ぜひ、また、最先端の講義を聴かせてください。ありがとうございました。


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