リフレッシュとは、客観視すること

「エクストリーム出社」とは、サラリーマンが会社に行く前の早朝の時間を使って、何らかのアクティビティをしようという活動である。

例えば、朝早くサイクリングをしたり、山に登ったり、海に行ったりといったアウトドアアクティビティをはじめ、カラオケ、合コンなどインドアの活動もありで、そのまま何事もなかったかのように会社に出社して仕事をしようというものだ。アメリカなどで流行っているエクストリームスポーツになぞらえて、エクストリーム出社と名づけられている。

その名づけ親というか発起人の2人組による本、『サラリーマンは早朝旅行をしよう!』を読んだ。

まず、この活動が始まるきっかけとなったエピソードに共感した。

著者の1人はかつて会社がつらく、月曜の朝に出社するのがゆううつで、日曜の晩に寝つけなくなった。眠れないまま、夜が更けていく。今さら眠ってしまったのでは、朝時間通りに起きられないかもしれない。そこで、もう眠らないことにして、出社時刻までどこかで時間をつぶそうと考え、家を出る。どこに行こうか? ふと思いついたのが、いつもと反対方向の電車に乗ることだった---

実際そのときは、知らない駅まで行ってお茶を飲んで帰ってきたくらいだったそうだが、それを実行したことでリフレッシュできて、ゆううつさも軽くなり、会社のつらさも軽減できたという。それが早朝旅行、つまりエクストリーム出社を始めるきっかけだったそうだ。共感できるし、ちょっと感動的でもある。

そんな活動をインターネットで公開したところ、話題を呼び、各地でエクストリーム出社を実行する人がでてきたそうだ。

しかし、どうして朝、逆方向の電車に乗るだけで、状況が良くなるのだろうか? 

それはいつもと違う世界に身を置くことで、自分を客観視することができたからではないかと思う。リフレッシュするということは、つまり、客観視することではないだろうか。

もちろんそれだけでは会社の問題を直接解決できるわけではないけれど、主観に寄りすぎていた視点を客観に引き戻して、新しい見方で物事を眺めることができる。それを朝という、短いながらも誰にも邪魔されない時間を使って実現しているのが、エクストリーム出社なのである。新しい視点が覚めやらないうちに会社に行ける、というメリットもあるかもしれない。

うーん、自分も早朝旅行をしたくなってきた。その気持ちを、朝、目覚まし時計が鳴ったときまで持ち続けていられるかが問題だけど。

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