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施設サービス計画書のみかた

先日知人に施設サービス計画書、いわゆるケアプランのみかたについて尋ねられる機会があったので、ざっくり思考の整理を兼ねて。

ちなみに『施設サービス計画書』で検索をかけるといろんな画像がたくさん出てくる。

スクリーンショット (164)

が、確かにこれのどこを見てどう活かすの?っていうのは「介入側の立ち位置と職域による」箇所が多すぎる笑。
なのでぱっと見わかりにくいのも事実だなぁとこの画像を見て思ってしまった。

なので、あくまで参考程度として、私なりの見るときのポイントやコツ。

自分の立ち位置を認識する

まずこれだと思う。
『施設計画書』は、『施設を利用している個人の生活を支援するために作成された計画書』
施設、という箱があって、その中に対象者がいる。

ここが二重構造だな、とよく思うのは、支援計画の対象である個人のみに焦点を当てればよいのではない、ということ。
「施設」という箱(組織、と言い換えても良いと思う)があることで「施設の事情」にある程度配慮していく必要がある、ということ。

なので、「あなた」は
●施設という箱、あるいは組織に対して自分は身内(内部関係者)か、それともよそ者(外部関係者)なのか
●どの職域(医療・介護・それ以外)を担当するのか

の立ち位置確認が大事だなぁと思う。


サービス計画書で見ておきたいところ

1.を踏まえてケアプランに目を通す。
そうすると、
●本人、家族、施設の意向がわかる
●把握しておいた方がよいリスクがわかる

につながってくるのかな、と。

ミラプロ ケアビューティコース

※計画書画像はネットに挙がっていたもの。

①の要介護度区分を確認することで、想定される介助量の目安になる。
たとえば、要介護3以上であればトイレ介助が必要になることがほとんど。
合わせて、施設入居者であれば
●多くの場合認知機能の低下も付随している
●ご本人の発言を鵜呑みにしない、かつ、聞き方への配慮を一段階上げて行う必要がある
というイメージ。

②の本人及び家族の意向は、これは「どんなことに配慮してもらいたいか」の指標だと思っている。
●本人の意向=本人がやりたいこと、家族が本人にやってほしいと思っていること
●家族の意向=家族が本人にやってほしくないと思っていること

が表出されていることが多いな、と思って見ている。


サービス計画書の「目標」と「サービス内容」

目標は、わりと雰囲気でふんわり書かれているだけのことが多いけど、それでも見ておいた方が絶対にいいと思う。

ミラプロ ケアビューティコース (3)

③の部分に挙がっている内容として、
●過ごし方(穏やか、元気に、などどういう表現がされているか)
●対人関係について(他者と仲良く、等)
●趣味について(インドアorアウトドア、『すき』や『嗜好』の記載)
が言及されているかどうか確認するだけでも、その方個人についての想像の余地はかなり広がる。

ミラプロ ケアビューティコース (4)

そのうえで④が、一番大事な箇所かな、と思う。
ご本人にとって、というよりも、周囲のチームメンバーと連携をとる上で、一番大事になってくるであろう箇所。
ここは結構具体的に書かれていることが多い。
つまり、過去の事実や想定し得る何らかのリスクについての対策が載っていることが多い。

それを把握しておくと、「してはいけないこと」をちゃんと回避できる。
信頼関係を築くための第一段階がかなり楽に突破できると認識している。


サービス計画書に目を通すことがアセスメントになる

なので、計画書は読み物ではなくて、そのまま評価表になり得る、というかなる。

●生活課題と生活目標は何か
●施設側と足並みそろえるべきコミュニケーション方法は何か
●リスク回避、あるいはリスク発生時にどんな対応策が必要か

このあたりのことは実は読めばちゃんと書いてある。
ので、あとは「目標達成のために、あなたがあなたの立ち位置でできるアプローチは何?」を考えれば良いだけかな、と。

もちろん、この「だけ」が曲者であることは間違いないのだけれど、思考に矛盾を生じさせない、周囲とコミュニケーションを取るためにはケアプランのみかたを知っておくことは必要なことだと思うよ、っていう話をしたりした。



ほかにこういう解釈もあるよ、という話ができると、それはそれで嬉しいので異論は受け付けております。


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