見出し画像

私へ|47歳 UXデザイナー

とても小さい頃、お父さんが怖くて、お父さんがお母さんに怒鳴る度、自分の幼さを呪ったね。かわいそうにね。でも、よく一人で苦しさ受け止めたね。

そんな私にこれ、言いたいです。そんな風だけど、あなたは守られているんだよ。そんな彼らに、彼らなりのやり方で愛されている。お父さん今ではすっかり丸くなったよ。お母さんは強くなって。ふたりとも元気だよ。だから大丈夫だよ。

10代の頃、私は言われる程賢くなくて、でも、がっかりされたくないから、これからはそれを隠して誤魔化しながら生きて行くしかないなんて、いつも心の底で自分を責めたよね。最悪だよね、そんな若い時から周りの目を気にしなきゃいけないなんて。ごめんね。

そんな私にこれ、言いたいです。勉強できたって幸福じゃない人、いるんだよ。今はね、幸せになる方法がいくらだってある。だからもっと自分に優しくね。

20代の頃、周りとは別の道を選んで、わざわざ遠回りをして、全く先の見えない毎日の繰り返し。本当に私ってこんなんでいいのかって自分に嫌気がさしてばかりだったね。光の差さない暗い道をたった一人でただ足元だけ見て歩いてたね。しんどかったよね。

そんな私にこれ、言いたいです。それでも歩みを止めないように。蛇行して、蛇行して、ついにこれかなっていうものに出会うよ。それはこれからの視野をぐんと広くしてくれる知識と技術。
だからね、あまり焦らず、コツコツね。

30代の頃、公私共にひっちゃかめっちゃかだったね。人生の歯車に殆ど振り回された状態で。とにかく走って、走って。目の前の事をこなして、毎日生きるのに精一杯だったね。何度も壁にぶち当たり、転んで、落ちこんで、悔しくて、泣いて。それはそれは辛かったね。もう止めたいね。何やってんだろうね。

そんな私にこれ、言いたいです。それでも立ち上がって、また走ってね。もう無理って思っても、それは乗り越えられない壁じゃない。ふらふら立ち上がって、よろよろ歩き出したその時の決断は、どれも間違いではなかったって、いつか分かるよ。

40代、自分の限界領域を見たね。何もかもここで終わりにして、たった一人っきりになってやり直したいって、心から思ったね。いつの間にか自分を覆う意味不明の鎧はとんでもなく分厚くなって、これではもう一歩だって進めないっていう感覚。本気で疲れたね。

そんな私にこれ、言いたいです。はい、ご苦労さまでした。よっこらせと腰を下ろしてここで一息つきましょうか。今まで良くやって来たもんね。少しスピードゆるめましょうか。そして、今までの自分にきちんとお礼を言った方がいい。

いろんな時代に、いろいろ経験してくれた私に、ありがとう。

あの時、笑ってくれて、ありがとう。
あの時、泣いてくれて、ありがとう。
あの時、悩んでくれて、ありがとう。
あの時、真剣になってくれて、ありがとう。
あの時、ふざけてくれて、ありがとう。
いろいろ、諦めないでくれて、ありがとう。
いろいろ、諦めてくれて、ありがとう。

今ここに導いてくれた私に、本当にありがとう。

私はちゃんと私です。
だから、全部の”わたし”に感謝しかないんです。

Season 1 - 作文集credit


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?