エレクトリックヴァイオリンを用いるときのアンプ(自身の場合)①

初にお目にかかります。普段は音楽活動を主にやっており、ヴァイオリン講師、バンド(ヴァイオリン&ボーカル)等に属しております、Taoと申します。

今回は、自身が普段使用するアンプについて基本的なところから、思った事を書いていこうと思いますので、エレキを使用するヴァイオリニスト様、メンバーにヴァイオリンがいらっしゃるバンド様等、ちょっとした一つの例として覗いていってもらえれば幸いです。

一般的に、スタジオ練に行くとそのままスタジオのアンプを使用するケースは多いと思います(今はコロナ渦で機会が減り、自身は家での作業が増えましたが…)。
当然ながら、そこにはギターアンプならJazz Chorusや Marshall、ベースアンプではTARTKE、AMPEG等がよく設置されているのではないでしょうか。ギタリストやベーシストの方は馴染み深いと思います。

では、ヴァイオリニストはどのアンプを使用するのが吉なのでしょうか??特にアコースティックヴァイオリンからエレキに持ち変えるという方は、バンドサウンドの慣れ不馴れも相まって、アンプの使い方、選び方は戸惑うことが多いかと思います。(ミキサーに直接繋ぐという選択肢もあります。)
今はザックリと、アンプ選びについて自身の体験からお話したいと思います。勿論サウンドは個人の好みが御座いますし、楽器によって特に変わるので、あくまで自身の意見です。

まず、Jc、Marshallが二つともスタジオに設置されているケースでは、ギタリストとの兼ね合いがありますが、勿論どちらか一方のギターアンプを使用することになります。

自身は始め、Jcアンプから使用し始めました。
ギターでは美しいクリーントーンが出せることで定評がありますが、ヴァイオリンではどうでしょうか?
まずGAINはほぼなし(ボリュームメインの兼ね合いで音がしっかりでるよう調整)、EQはフラットにし、なるべくフラットな音を聴ける状態にしてヴァイオリンの音出しをすると、イメージ通りではありましたが、少し固めで、普段アコースティックヴァイオリンサウンドを聴かれている方々からすると、なんともいえない中途半端なサウンドが出た記憶があります。ボコボコした音色と例えます。

勿論EQの問題も大きいのでここから調整していきます。(EQのセッティングのお話は次回に回します。)

すると最終的にたどり着いたサウンドはTREBLEを抑えめにした割りとなめらかなクリーンサウンドでした。特に弓先でジャジーなフレーズを弾いたときに心地よさを感じました。ビブラートでテンションに差をつけたいときは少々オーバーに演奏したほうが表現しやすかったです。

次に、自身は歪み(ドライブ)、揺らし(モジュレーション)系サウンドを多く使うのでエフェクターでもEQ等調整しながら試しましたが、これは納得いくサウンドがまだ掴めておりません。エフェクトのかかりは良いアンプのはずなのですが、少し線が細くなりギラつきのあるニュアンスになりました。勿論音楽性次第で相性はありますが!

なのでJcの印象としては、なめらかなクリーンサウンドが作り易く、安定した音色のアンプ、という感じです。

一方Marshallアンプではどうでしょう(自分用のアンプを購入するまでは、こちらを選びました)
まず設定は先程のJcと同じでクリーンから試してみました。こちらは思ったよりボコボコはしませんでしたが、TREBLEが強めで、アクセント等ボーイングで強めにやるとかなり痛い音色になりました。しかし、ヴァイオリンの抜けに必要な1Khz(EQ)周辺が気持ちよく出てくれたので、調整に希望が持てました。

結果、TREBLE、BASSを少し削り、少しMIDDLEを足してあげると、割りとハッキリ目の自身が好むサウンドに近づきました。しかし、同時に2Khzあたりも上がってきたので、キンキンする成分が残ってしまいました。この帯域もヴァイオリンの音のヌケには大事な部分ではありますが同時に、上げていくと耳によろしくない音になっていきます。
これは音を実際に聴きながらバンドサウンドとの兼ね合いでアドバイスを貰いながら調整していくのが良いと思います。勿論、ソロの場合は自分の耳が頼りです!
なのでこのアンプは、MIDDLEの調整がかなり重要になってくると思いました。

次、歪み、揺らしを使用してみましたが、これはさすがといった感じで、自分的にはかなりイカした感じに音がしっかり飛んでいってくれました。エフェクトをかなり使用する身としては大変心地が良かったです。
こちらも、MIDDLE次第でかなり変わるので、少しづつツマミを弄りながら調整して頂けたらと思います。

Marshallの印象は芯の通った音がしっかり飛んでくれて、エフェクトのノリも良かったです。

長々と書いてしまいましたが、ギターアンプをヴァイオリンで使用するということも、設定次第でそれぞれの良い音は必ずありますので、是非少しづつツマミを弄りながら楽しんでみて下さい。
追記、音作りをするときは、アンプのスピーカーの正面から聴く方が効果的です!立ちながらやると、実際出ている音とは少し変化して聴こえていると思います。距離等も変えながら試してみてください。

自身の体験も含めお話しましたが、まだ次回に続きます。