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サラリーマンクリエイターがクリエイティブな正気度を保つ方法

4月に会社に入ってきた新入社員くんたちのキラキラした目を見ていたら、おじさん、なんかモゾモゾと語りたい気持ちになってきちゃったんだけど、こういうの直接言うのって老害臭がするし、ここに穴を掘ってこっそり呟いちゃうんだよね。王様の耳はロバの耳!

サラリーマンでクリエイターやってると、よほど幸運に恵まれない限り、自分が作りたいものだけを作っていられるわけではありません。忙しいプロジェクトに有無を言わせずぶち込まれたり、謎の実験プロジェクトに駆り出されたり、逃げた担当の後釜が突然振られるなんてこともある(少なくとも僕は全部あった)。それでも担当になったからには好きになれるように努力するし、そうすることで自分の世界が広がることもあるので、決して悪いことばかりではないのだけれど。

とはいえ正直、ストレスは溜まる。

特に、昨今主流の運営系タイトルでは、頑張れば頑張るほど売り上げが伸びてプロジェクトが終わらず、いつまでも別のモノを作れない、なんてことも、よくある話。「頑張れば頑張るほどゴールポストが遠ざかっていく」なんて虚ろな瞳で愚痴っているクリエイターを最近見かけます。

もちろん、独立して社長になるとか、インディで頑張るとか、会社の方針を左右できるくらいの権力を手に入れるとか、「自分が何をやるかを決める立場に自分を据える」というのがひとつのスマートな解決法ではある。上手にやれてる人ももちろんいるんだけど、独立したらしたで仕事場や機材を整えたり、法務や税金回りも全部自分でやらないとならないし、会社の権力を手に入れるためにはクリエイティブ以外にもどうしても政治に割く時間が必要になる。僕の場合は、アーケード筐体を作りたい人間なので、どうしても巨大資本の力が必要で、インディでは夢の実現が難しかったりもする。

では、サラリーマンクリエイターが自分のクリエイティブを守りながら働き続けるためにはどうすればいいのか?

それはもう、業務以外の時間を自分のクリエイティブにあてる。これしかない。ゲーム作ってヘトヘトで帰ってきても、毎日1時間でも時間をつくって、自分のゲームを作ったほうがいい。ゲームでなくても、小説を書いてもいいし、マンガを描いてもいいし、とにかく自分のやりたいクリエイティブの羽根を伸ばしてあげたほうがいい。土日だけではなく、できれば平日も毎日。そうすることで、モチベーションが維持できるし、好きな方面の技術力がつけば仕事の引き出しも増えていくので、結果的に自分のやりたい方向の仕事を任せられる可能性も高まっていく、というのが僕の考え。ゲーム業界で例えたけれど、他のクリエイティブな仕事でも、きっと同じことが言えると思う。

そんなわけで。

届いてないと思うけど、我が社の後輩諸氏へ。

仕事を効率化して、堂々と先輩より早く家に帰って、自分の好きなゲームどんどん作るといいぜ。


(今日のお酒:恋寅。芋焼酎なのに麦と米も使っている不思議なお酒。)

サポートいただけましたら、ありがたく創作の糧にさせていただきます。