たんぬ

施設で働いてる何者でもない29歳の自己同一性を獲得できない人です。パブロフの犬的な人生…

たんぬ

施設で働いてる何者でもない29歳の自己同一性を獲得できない人です。パブロフの犬的な人生をすごしています。

最近の記事

燃える馬糞の水曜日

牛のうんこの方がお前より価値があるよ。野菜が育つからね。 空気が真っ赤にうねり、燃えていた。焼け爛れたアスファルトを這う黒とオレンジ色の毛虫が、蒸発せんばかりに音を立ててマンホールの蓋に足を踏み入れている。タバコがいつもより勢いよく燃え、私は2本目のタバコに早くも火を付け直した。昔は高校として使われていた校舎の壁がドロドロに溶け出しかねない暑さの中で、地下を流れる下水の音がとても涼しげだった。車が通った後に舞う砂煙とタールを感じる副流煙に飲み込まれ、その一方で視界に広がるく

    • 爆速!初恋ぐぬぬ。

      女性と話す勇気のない義務教育期間だった。田舎の小学校といえど各学年3クラス、男女比は半々。60人の女性がいる学年で男しかいないような素振りを撒き散らしながら、常に女子を意識したヘンテコな男児だった。 ある日私は足が速くなった。通学路を歩いている時に野良犬3匹に追いかけられた夢を見た朝、外を走ると爆速だった。病弱な母が買ってくれた靴はいつも通り臭かった。しかしアスファルト蹴飛ばし、身体は空気の重さに耐えきれず、後ろにのけぞるほどだったと記憶している。自分の脳内はスパークした。

      • おばさん

        限られた人間にのみ与えられた特権「美貌」。 男女問わずその美貌に狂い、時間と労力を割くものも少なくない。 特に女性は日々の化粧、スキンケア、プローポーション維持、身ぐるみの質の向上など努力できる範囲は大変幅広く、時間がたつにつれ、納得の行くラインを求めるためには多大な時間が必要になる。 一方で男性は美貌に惑わされ、美貌にひざまずくために金をかき集め、肉体を磨き、毛を増やし、話を聞き、スポーツで成績を残し、むだ毛を抜き去り、恋に恋をしている。 美しきものもいつか崩れ去る

        • 普通とは

          「普通の29歳はこのくらいの貯蓄があるという普通」に阻まれている物ですが、どうしたらお金が貯まるんでしょうか。 そりゃあ普通に生きてれば貯まるだろ。給料が入ったらまず貯蓄口座にお金を入れて、節約志向を身につければ貯まるよ。まずたばこやめたら? 普通というハードルが出来てしまっている現代社会。ただ生きていれば超えられる境界線では無くなってきている物が多々あるように感じる。 今日日の普通もわからないのだから、今後の普通もきっとわからないまま、追いつけないまま死んでいくのかも

        燃える馬糞の水曜日

          聖峰!!吹奏楽!!

          「お前も女の子と仲良くしたいんだろ?知ってんだよ。入るべ。」 まだ雪解けの進まない極北の大地の春。試される大地と言われた島のほぼ中心で生まれ育った僕は、生まれた場所にちなんでまだ内向的なひよこちゃんであった。 その日僕の肩にのる掌から生えた指は、ドイツ産の豚の腸詰を思わせた。極太である。背丈は大きく、さらに威圧感から3メートル、バンド名で言うと10feetくらいに感じられた。彼は僕の内向的な性格を見抜き、最も的確な謳い文句で私を勧誘する。 「女ばっかりだぞ?9割女だ。」

          聖峰!!吹奏楽!!

          恥とは

          まぁどうでもいいんですけど。 彼女とロックバンドのライブに行ったことがありました。 まぁそんなことはどうでもいいんですけど、その後一泊して先に彼女が地元に帰るって言うので、お見送りをして1人で珈琲屋さんでタバコを吸ってた時のことです。 暇つぶしに買った神田松之丞についての本を読みながら、おしっこを我慢してたわけです。 当然本には集中出来ないし、それでも我慢するのが癖なのでずっと我慢してたんです。 ぼんやり暇を潰していると、隣に座っていた客が帰ったのが目に入る。そこに