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「極悪女王」を見て思い出したこと

またもニューヨークが面白かったと言っていたので、ネトフリのドラマ「極悪女王」を見ました。


「地面師たち」の時は第1話から「めっちゃおもろ〜😳」と思いましたが、「極悪女王」はさほど引き込まれず、途中で「もう見るのやめようかなー」という気持ちにもなったのですが、第3話だったかな?で、唐田えりかと剛力彩芽がクラッシュギャルズを結成するところで、やっとおもしろくなってきた〜という感じでした。



そんな私が、いちばん「うおーーーーー!!!✊️」と思ったシーンは、ゆりやん演じる松本香が「覚醒」するシーンです。


親友だよと言っていた唐田がどんどん人気になっていき寂しい思いをしている中、雑誌で「練習生時代は孤独だった、それを救ってくれたのが剛力だった」と発言しているのを読み、さらに追い打ちをかけるように、実家に戻ると父親が帰っていて、「出て行け」と怒鳴るゆりやんに向かってお母さんが「やめて!」という言葉を放ちます。


これはショックです。



友に裏切られ母に裏切られたゆりやんは怒りを爆発させ、とうとうダンプ松本へと進化し、やりたい放題反則上等で大暴れするのです。


そうだよね、ゆりやん。悲しいよね、悔しいよね、暴れろ暴れろーー!!カッコイイぜ!!ゆりやん、いやダンプよ!!!




うちも、あそこまでではありませんが、飲んだくれでろくに働かない世話の焼ける父親で、母親の愚痴をずっと聞かされ、「私がお母さんを救わなくては」と思い込んでいたので(感情的に母に支配されているとも知らず)、あの時のゆりやんの気持ちがめちゃめちゃ刺さりました。


だってゆりやんはお母さんのために頑張ってるのに、そのお母さんがクソな親父の味方をするのです。お母さんはなんだかんだ言ってお父さんのことを好きなのです、女として。



こんな裏切りってないですよね。そうです。これは間違いなく、紛れもなく、裏切りです。



私も母から父の愚痴ばかり聞かされ、中学生にの頃に母に離婚を進めたことがあります。


その頃、姉はもう働き始めていて、妹は小学生でしたが、私が高校に行ったらバイトして自分の生活費は自分で稼げばいい、姉はもう仕事をしているし、母は自分と妹の生活さえまかなえばいい、あんな父親がいない方が私たちは幸せになれる、と思ったのです。


ある日このことに気づいた私は「こんな名案はない!これで全部解決だ!!」と、目を輝かせながら母に離婚しようよ!私バイトするし!!と、持ちかけました。


「ありがとう。お母さんうれしい」と言って涙ぐむ母を想像していた私に、母は「うーん…でもねぇ…情があるからねぇ…」とかなんとかごちゃごちゃぬかしやがったのです!!


私はあまりに予想外の母の返答に脳みそが追いつきませんでした。文字通り、鳩が豆鉄砲を食らった時の顔をしていたことと思います。




この出来事は長いこと忘れていて、確か20代後半くらいに思い出したのですが、その時になってようやく「あー私はあの時傷ついたんだ」と自覚したのでした。


母が離婚しない理由はおそらく、経済的な不安だったのでしょうが、私が差し伸べた手を取ってくれなかったことが思い出され、健気な少女だった私のことを、自分で抱きしめたくなりました。


想像してください。

中2の少女が母親のために父親を切り捨てようと持ちかけてフラれるんですよ。神様のいたずらはたちが悪すぎる。




そしてもうひとつ、ゆりやんのこのシーンを見て気づいたのは、離婚を選ばなかった理由は経済的なことだけではないということです。


母は「情」という言葉を使いましたが、ドラマの中の仙道敦子のように、恋とか愛とか言うとのともまた少しちがう何か、でも女が男に対して抱く感情、まあまさに「情」ですが、そういう思いもあったのかもしれないと気づきました。

最初から私はお呼びでなかったのです。




最終回まで見て思ったのは、強くなりたい女の子たちって美しいな 、人気レスラーになれなかった子たちも、みんな何かを抱えて、何かに向かっていった。


おんなじように、何かを抱えて、何かと格闘しているあなた、そして私もきっと、たぶん、美しいと(大きな声で)私は思う!



おしまい☺️

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