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国公立大学の一般入試、前期中期後期の選び方_大学選びと入試


背景

国公立大学一般入試を受験する方は、1月の「大学入学共通テスト」の自己採点結果をもとに、志望大学に出願する。その際、前期日程、中期日程、後期日程の各日程の中から最大3校(同じ大学学部も可)まで出願できる。よく「第1志望を前期日程で出願すべき」と言われるが、なぜそうしたらいいかを理解している人は多くない。中期日程や後期日程しかない大学・学部もあり、その場合、どう組み合わせたらいいかを考える上で、知っておくべきポイントに絞って紹介することとする。

前期日程、中期日程、後期日程

国立大学には前期日程と後期日程があり、公立大学には前期日程と後期日程に加えて公立大学中期日程がある。
大学によっても学部によっても異なるが、前期日程がなかったり、後期日程がなかったりするなど多様なパターンがある。一方、前期日程と後期日程の両方がある大学学部もあるが、その場合、募集人員に差があったり、試験科目が異なる場合が多い。これは、各大学学部で、複数の評価点で、それぞれの高評価の受験生を入学させたいという意図があるのだろう。実際には前期日程の方が募集人員を多めにしているケースが多い。また、前期は学力を筆記で評価する試験、後期は面接や小論文等で評価する試験を採用しているケースが多い。
なお、全体傾向としては、前期日程入試が全募集人員の約8割を占める。

各日程別合格発表と入学手続きとその最重要ポイント

前期日程、中期日程、後期日程の各合格発表と入学手続きのスケジュールは下図のとおり。

国公立大学一般入試スケジュール

ここで、最重要ポイントがある。以下の2つ。
1 前期日程の合格後の入学手続き期限が、中期日程や後期日程の合格発表前であること
2 前期日程の合格後の入学手続きをすると、中期日程や後期日程で受験しても、合格対象外となること

「第1志望を前期日程で出願すべき」の理由

上記の最重要ポイントを踏まえ、第1志望を前期で受験すると以下のようになる。
合格した場合、入学手続きをする。不合格の場合、中期や後期日程入試を予定どおり受験して、合格したら入学手続きをする。シンプルな方法である。
一方、第1志望を後期(中期)とした場合に、前期日程も受験すると以下のことが起こる。
第2志望の前期に合格した場合、中期や後期日程入試の合格発表前に、前期の入学手続締切がきてしまう。入学手続きをしてしまうと、中期日程や後期日程で受験しても、合格対象外となる(お金を払ったら何とかなるという問題ではない)。入学手続きをしなければ前期の合格の権利を失うことになり、滑り止めにならない。中期日程や後期日程の合格発表前に自分の手ごたえのみで判断する方法もあるが、実際には不可能だろう。

中期・後期日程を第1志望にする場合、前期は受けない方がいいのか?

原則としては受けない方がいいと考える。ただし、こんな方法もある。中期・後期日程の第1志望を超える「夢の第1志望」を前期日程で受験するという方法である。「夢の第1志望」なので、ダメ元で気軽に受験し、もし奇跡的に受かったとしたら、前期日程で入学手続きをしてしまえばいいからである。

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