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文化的な活動の継続について考える

こんにちは。ざまたかです。東京では桜が咲きました。春だなあ。花粉が辛いし、これから始まる新年度を思うと目まいがしそうですが、桜はいいなあ。日が伸びてきていることも実感できるようになってきたし、春はやっぱりいいですね。

来年度から新しく始める仕事の関係で、ずいぶん昔にお世話になったことのある学校に伺うことがありました。当時、演劇部の顧問をしていた私は、ひょんなことから自分も劇に出ることになりまして、その稽古だったか打ち合わせだったかでその学校に行ったのでした。新築で校舎はピカピカ。体育館は舞台の正面から照明や音響の操作ができるようには設計されていました。どういうことか少しわかりにくいかもしれないのですが、「学校の体育館は体育の授業をすること、あとは儀式をすることくらいしか想定されていないのだけど、演劇ができるようにこだわって意見した」とその学校の校長先生であり、中学校演劇界の重鎮はおっしゃっていたのです。私が勤めていた学校の体育館は照明や音響を舞台の袖、しかもギャラリー部分からしか操作できなかったので、生徒の表情もよくわからないし、音を出すタイミングも難しかったので、「こんなところで発表できたらいいなあ」と思ったのでした。

久しぶりだったので、一応地図を確認するかとネットを検索し、当然演劇部や和太鼓部は残っているのだろうと探してみたら、なんと

両方ともなくなってる!

せっかくあんなに素敵な体育館があるのに。和太鼓部だって校長先生が持ってたんだよ?引き継ぐ人はいなかったの?これが運動部だったらどうだったんだろう?サッカーや野球だったら同じようにあっさりなくなっていたんだろうか?

部活をなくすのも新設するのも、今はとても難しいです。少ない生徒を取り合うかのような様子もあります。「好むと好まざるにかかわらず、今ある部活を持て、つぶすな」という無言のプレッシャーは昔より強くなっているがします。実際運動部では顧問が指導できなければ外部指導員を、と言われます。私は長く文化部の顧問をしていて、例えば他の部活の人数が少なくなると「合同にならないの?」と聞かれたこともあります。運動部に置き換えて考えれば「野球部とバレー部、それぞれ人数が2~3人しかいないから、合同にできないの?」と言われる感じです。それから、顧問を引き継ぐときに外部指導員がいなくなることを伝えた時には管理職から「(外部指導員の)アテはあるの?」と聞かれたこともあります。サッカー部やバスケ部で同じこと聞くかなあ?経験も知識もないけど顧問を引き受けるのに、外部指導員まで自力で探すの?と途方にくれたものです。まあ、賞や外向けのアピールなど無縁の文化部の扱いってぞんざいなものなのですよ。

そんな中で、以前に投稿した「茶道・華道部」はまだ残っているようです。

あのころと同じ外部指導員の先生がまだ頑張ってくださっているようです。嬉しいなあと思います。私は基本的に部活は地域に移すべきだと思っています。実は水泳部だけはそこそこうまく移すことができているのですが、他の部活はなかなかうまくいきません。顧問の方にも部活を手放せない人たちは多くいますし、入試の面接などでも部活のことくらいしかその子の人柄を伝えるところがないかのような気風があります。(もちろん、部活を地域に移すためには大人の働き方も変えていかなくてはいけないです。学校が放課後の子どもの時間まで管理することはおかしいと思うのですが、子どもを地域に放り出すだけでは何も解決しません。)むしろ部活を地域に移すことは文化部の活動からやっていった方がいいのかもなあと今回のことで思いました。小さな小さな文化的な活動を学校で続けていくのはもう難しいのです。

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