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境港で『妖怪』を走る “ 旅先で『日常』を走る 〜episode45〜 鳥取編 ”


前回のあらすじ


〜 松江で『湖』を走る 〜

“ 県庁所在地の、基幹駅と城址の間に存在する湖。なんでもない平日の朝に訪れると、そのちょっとした光景から、宍道湖が地域の人たちの生活に根付いている事を一目瞭然に感じ取れた。”






境港で『妖怪』を走る


さて、今回は鳥取県について綴っていく予定になっている。しかし、じつは前回の松江編の続きが少しだけ残っていたのだ。

今回はまず、そちらからお付き合いいただくことにしよう。

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松江にはランニング仲間のHさいさんが住んでいる。すでに二人のお子さんの子育てを終えた、私よりも少し人生の先輩の女性だ。

東京からかなり離れたところに在住している彼女は、オンラインランのイベントのみならず様々なZOOM会やイベントに積極的に参加されている。
その他にも子育てに関する文章を書いたり、地元で定期的に読書会を開いたり、イケメン俳優への愛を熱く語ったり、Netflixで配信されている韓国ドラマの感想戦を主催したりと、とにかく興味関心の幅が広くてバイタリティに溢れた方だ。

また、私がtwitterやFACEBOOKでなにか投稿するとマッハのスピードで「いいね」を付けてくれる、とても律義な方だ。いったいHさいさんはいつ寝ているのだろうか? と、つい余計な気を遣ってしまうほどだ。

控えめに見積もっても、私はここ2年くらいは、だいたい週3のペースでHさいさんとZOOMで話している。しかし意外にも、実際にお会いしたことはまだ一度もなかった。

そういえば、どういう偶然だか意外な場所でニアミスしたことがあった。

去年の11月くらいのこと。私は、京都に出張に来ていた。
数日前にランニング部の京都在住メンバーから『京セラ美術館』の素晴らしさを聞いていたので、休日に京セラ美術館に足を運ぶことにした。

美術館には昼前に到着し、2時間ほどかけて館内や中庭の隅々まで鑑賞した。

昭和8年11月、本館は昭和天皇即位の大礼を記念して開設した。明治以降の京都を中心とした日本画、洋画、彫刻、工芸、書、版画など約3,800点を収蔵。海外展や公募展、コレクション展といった市の主催、共催展の他に、美術団体による展覧会等も多数開催されている。

ここは、現存する日本最古の美術館であるとのことだ。展示物うんぬんよりも、とにかく建築物そのものが素晴らしかった。歴史と風格を感じさせる立派な建造物だった。

そして、この美術館に私が訪れたまさにその日、夕方にHさいさんがこの地を訪れていたのだ。私は、それを後になってから彼女のTwitterの投稿で知った。せっかくHさいさんと実際にお会いするチャンスだったのに、それをみすみす逃してしまったのだ。
私が前回島根を訪れた時はまだほとんどHさんとは面識がなかったので、それを含めると知らない間に2回も、Hさいさんとニアミスを起こしてしまったのだった。

すぐ近くにいるのに、会いたい人に会えない… なんという試練だろう。まるでロミオとジュリエット、いや織姫と彦星のようだ。
冗談はさておき、なんとかして一度はHさいさんと実際にお会いしようと想いは募り、私は事あるごとに策を練るようになった。

なにしろ、世界中をコロナ禍が襲っており、私が松江に行くこともHさいさんが東京に来ることも非常に困難だ。
東京都に断続的に発令される緊急事態宣言の合間を縫って、松江まで行こうかと考えたこともある。しかし、感染が拡大している東京から不要不急の用事で松江にわざわざ出向くだけでも、Hさいさんに迷惑を掛けてしまう。
さらにHさいさんは女性の方なので、二人だけで会うのもやはり気が引けるのだ。

というわけで、全国各地のランニング仲間に会いに行くことが趣味の私でも攻略できないほど、Hさいさんと会うことは難易度が高かった。
ところが、つい最近になってようやく、Hさいさんと会う絶好のチャンスが舞い込んできた。

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2021年6月末、私は仕事で定期的に通っている京都への出張が決まった。PCを立ち上げてホテルの予約などを行っている合間、軽く息抜きがてらにFACEBOOKを覗いていた。その時、私の目にひとつの投稿が飛び込んできた。

私が京都に行っている期間中に、なんとHさいさんも大阪に来ているようだ。バレー(踊る方)に本格的に取り組んでいる娘さんの発表会を観覧に来るとのことだ。私はわざわざ松江を訪れることは避けていたが、そこから離れた中立的な緩衝地帯で会うことにはなんの躊躇もなかった。

もう、ニアミスでは終わらせない。Hさいさんが在住している大阪で会おう。瞬時に、私はそう決断した。

幸いにも、我々が所属するランニング部のイベント『探しものRUN』が、ちょうどこのタイミングで企画されていた。
「お互いにあまり土地勘がない場所でこのイベントに参加するならば、いっそのこと一緒に走りながら探しませんか?」我ながら天才的な誘い文句だ。

さっそくFACEBOOKのメッセンジャーでお誘いをかける。すると、いつも通りの光速でレスが返ってきた。

” こんばんは🌙 さっき大野さんいらっしゃるんだぁ〜と思いました。探し物ラン一緒にという発想がなかった。いいですね。どっか出ていったらいいのかな?〇〇〇なんですよ。"

よし! これで万事OKだ。当日の待ち合わせなどのやり取りを済ませ、あとはイベント当日を心待ちにして、私は出張の準備を進めた。

イベント前日の夜から現地入りし、宿泊した。宿は待ち合わせ場所にほど近い西成に取った。

そしていよいよイベント当日。ZOOMで開会式とチームのオリエンテーションを済ませた後、私は9:30に宿を出発した。

これから3時間の間に、決められた20個のお題を写真撮影してチームのスレッドにアップするかたちになる。

Hさいさんは地元である程度探しものを進めてからこちらに移動してくる算段だ。

私は、まずジャンジャン横丁から新世界を抜け、

通天閣に至るルートを取った。

ここではじめて告白するが、じつは私はこの『探しものRUN』のディフェンディングチャンピオンだ。洞察力と想像力が試されるこのイベントで、私は地元を離れても着々とお題をクリアしていく。さすがだ、俺。

小一時間経ったところで、Hさいさんから「そろそろ移動します」とメッセージが入った。では私も待ち合わせ場所に向かって移動することにしよう。

超高層ビル『あべのハルカス』を目印に、待ち合わせ場所の天王寺公園に向かった。到着すると、私ははぐれることがないように入口に設置された『天王寺公園』と書かれたモニュメントの真ん前に立ち、Hさいさんの到着を待った。

海水浴場の監視員のように周囲360°をくまなく注視する。5分ほど監視していると、視界の先に、全身の7割5分ほどをピンク色で纏った女性の存在が入った。
「林家パ(以下略)」もとい、Hさいさんの登場だ。彼女がピンク色大好きっ娘なことは事前リサーチ済みだったので、服装のピンク色が目印代わりになり、迷わずに声を掛けることができた。

Hさいさんと、はじめてオフラインで正対する。他のメンバーと会った時にも感じたが、実際に会って実感するのは、なによりもその人のサイズ感である。
Hさいさんは、想像していたよりもずっと小柄な方だった。自然と見下ろす形になって申し訳ない。なにしろ、ZOOMでは常に同じ高さの目線だったのだ。オンライン化によって女性のハンデが弱まるのはこういう細かいことの積み重ねなのだろうな、と少し思った。

いや、そんな大げさな話題は一旦横に置いておいて、今はつかの間の邂逅を堪能しよう。

「はじめて会った感じはまったくないですね!」などと話しながら、我々は天王寺公園の中を進んだ。Hさいさんはこの辺りにある美術館などに頻繁に足を運んでいるようで、土地勘はバッチリのようだ。
一方、私はこの近辺を年に何回も徘徊しているクセに、新世界やら西成やら飛田新地といったいわゆる「悪所」ばかりに詳しくて、天王寺駅周りのアッパーな地域にはまったく疎いのである。

なのでHさいさんのリードで公園内を進む。

「あのお題、見つからなくないですか?」とか「あの人の投稿は面白いですね。」とか話しながらも、視線の半分は公園の風景で、もう半分はスマホを見ているような状態で、ふたりの探しものRUNは続いていく。

楽しいといえば楽しいし、初対面の人と正対せずに会話をできることはありがたいが、これではなにか味気ないような気にもなる。

結局、制限時間の30分ほど前に探しものを切り上げて、カフェでお茶をすることになった。なにしろ、二人ともお題の20項目をすでにコンプリートしてしまったのだ。

本職がバリスタのHさいさんはカプチーノをオーダーした。私は走り疲れて喉が渇いているという理由で、アイスコーヒーをオーダーした。

席についてようやく対面して会話をするようになった。会話の内容はたわいもないもので、互いにSNSで明かしている近況についてと韓国ドラマの話に終始した。わざわざ会ったからといっても、深刻な話をするわけではないものだ。

そもそも我々は、職場や地域コミュニティに紐づいた関係ではないし、「しなければならない話」などひとつもないのだ。
そしてそれこそが、何者にも侵されない豊かな人間関係なのだな、とふと思った。

Hさいさんはこの後に娘さんの発表会があるので、そろそろお開きにすることにした。再会を願って、ハイタッチでお別れした。

七夕が近い6月末の日曜日、こうしてHさいさんとの束の間の邂逅は終わった。
この先もずっと、織姫と彦星のように年に一回でも逢うことができれば、それが何よりの楽しみになり互いの日常に戻って行ける。

そして、織姫や彦星と21世紀を生きる我々には大きな違いがある。我々にはインターネットという強い武器があり、離れていてもいつでもつながることが出来るのだ! 

とにかく、これでようやく心残りをまたひとつ解消することができた。これにて松江編の延長戦は完結としよう。

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お待たせしました!
それでは改めて、前回の続きを進めることにする。皆さまお忘れかもしれないが、今回のメインは鳥取編なのだ。

2019年10月、旧友と久々の邂逅を済ませた翌朝。私はホテルをチェックアウトして、松江駅前からバスで境港に向かうことにした。
港に用があるといっても、鮮魚を食べに行くわけではない。



水木しげるロードとは、日本の鳥取県境港市に整備された商店街の名称である。観光対応型商店街[1] であり、漫画家・水木しげるが描く妖怪の世界観をテーマとした観光名所として日本では[注 1] 広く知られている。正規の日本の妖怪像として文化的価値も認知されている。

どうやら境港周辺の一帯が鬼太郎タウンになっているようなので、どんなものなのか一目見たいと思ったのだ。

では出発しよう。10:30に出発するバスに乗り込もうとしたところで、バスの乗客に対する珍しいパフォーマンスを見かけた。

「城下町松江へようこそ」と書かれた横断幕を制帽を被った若者たちが持ち、バス車内にいる乗客たちに見せつけている。どうやらバス会社の新入社員研修の一環的なことのようだ。
バスは定刻通りに出発し、40分ほどで境港駅前に到着した。松江も境港も島根と鳥取の県境に立地しているので、楽に往来できるのだ。

バスを降りてまず目に入ってきた光景は、境線のラッピング車両だった。

駅舎内の装飾も含め、すっかり鬼太郎一色だ。しかし私は「『ドラえもん』とか『サザエさん』ならわかるが、そこまで大メジャーな作品か?」と感じてしまい、早くも気持ちは少し引き気味である。

などと思いながら歩いていると、駅の真ん前で水木先生が今まさに執筆中であった 笑。鬼太郎とねずみ男に囲まれている。虚実入り混じった、微笑ましい光景だ。

駅のすぐ先に観光会館的な建物を見つけた。そこのトイレで着替えを済ませて、コインロッカーに荷物を押し込んだ。

では、さっそく走りましょうか。妖怪たちが跋扈する街を!

『水木しげるロード』をまっすぐに進んでいく。駅前のメインストリートだ。ここから800mほど一直線に伸びているとのことだ。正面の見通しが良い。
しかし、ここは左右の街並みに注目しながら進もう。

いきなり左手に公園が現れた。電灯が目玉おやじ。

いきなり斜め上に現れた妖怪に気を取られていたら、今度は足元に気配を感じる。視線を落とすと、目の前に今度は鬼太郎がいた。

しかも、鬼太郎は石にされてしまっている。どうやらこの近くにメデューサが潜伏しているようだ。妖怪のみならずギリシャ神話の世界観も取り入れているのだろうか?

一事が万事こんな状態で、上下左右すべて鬼太郎関連のオブジェだらけだ。もちろん事前に想像はしていたのだが、オブジェだけではなく電話ボックスやらなんやら、観光となんの関係のないお店の店頭までなんでも鬼太郎一色なのだ。

そして一番驚いたのは、平日のお昼前なのにけっこう賑わっていること。「ゲゲゲの鬼太郎」はTVアニメで定期的にリメイクされているので、老若男女問わず幅広い人気があるのだろうか。

などと考えながら進んでいると、左手に『水木しげる記念館』が現れた。

入口は子ども連れを中心に賑わっている。鬼太郎とねこ娘のコスプレをしている子もいる。かわいい。

さて、軽く休憩も取れたところで記念館を華麗にスルーし、通りの外れまで一気に走ろう。記念館的な展示にはあまり興味がないのだ。

スタートから800mの地点まで一気に進む。商店街の外れまで来たことろで、ふいにタピオカ屋を発見した。あまり観光地然とした店構えではなく、脱サラ自分探し系の方が営む店にありがちな小洒落た雰囲気だ。
パッと見、流行りものを安易に扱うような感じには見えないのだが… 喉も乾いてきたことだし、とりあえず入ってみることにした。

店内でメニューブックに目を通すと、どうやらこの店はこだわりの自家製タピオカが売りのようだ。脱サラしてまで(私の妄想です)タピオカにそれほど情熱を注ぐとは、どういったモチベーションなのだろうか?
私は熟考の末、『マンゴータピオカ × マンゴーカルピス』の組み合わせをチョイスした。

予想以上に、オレンジ一色のブツが運ばれてきた。さっそく口を付けてみる。むむ、これはかなり美味だ。モチモチの食感を堪能した後からマンゴーの風味が追いかけてくる。果実たっぷりドリンクよりも、こちらの方がよりマンゴーマンゴーしている。リピートしたいと思える、新食感だった。

水分補給が済んだところで、来た道を戻って行こう。

往路で見落としていたものが、けっこうあるものだ。

しかし、視界に飛び込んでくる情報量がすさまじい。ほぼ鬼太郎関連に尽きるが 笑。

そして、復路を走っている中でひとつ気づいたことがある。他のどんなに人気があるアニメキャラよりも、鬼太郎が最も街並みに溶け込むことができる理由だ。

それは『妖怪』がモチーフになっているからではないか?



妖怪 
化物、変化のことで、「物の怪」など人の理解を超えた怪異現象をもいう。(中略)妖怪の特徴は、出現の時と場所がおおむね決まっていることである。

昼と夜、日常と非日常、意識と無意識、虚構と現実、こういった表裏一体のものをつなぐ僅かなすき間から滲み出る存在が『妖怪』だという。その土地土地の地政や、連綿と流れる歴史や風習、畏れや祈りが彼我のすき間から質量を持って現れるのだ。

つまり、妖怪はドラえもんやサザエさんのような『キャラクター(虚構)』ではないので、異物感なく我々と共存できるのではないか?

こんな風に想いを馳せて走っているうちに、駅前に到着した。ここををゴールとしよう。

スマホにセットしていたランニングアプリを止めよう。
… なんと、ここで重大なミスが発覚した。 アプリのスタートボタンを押し忘れていたのだ。

しまった。このままでは走った履歴が残らない。私はしかたなしにアプリを再起動して、また走ることにした。そのまま、港沿いを中心に1.5kmくらい軽く走り直した。
思わぬかたちでのアンコールランとなった。

無事に走り終え満足したところで時計を見た。米子空港行きのバスまで、まだ30分ほどの余裕がある。

それまで駅前にある足湯に浸かりつつ、時間を潰そう。

しばらくして、米子空港行きのバスは定刻通りにやって来た。

乗り込んで一息ついたところで、「今回は鳥取市をスルーしたな」とふと思った。
そういえば、前回鳥取を訪れた時には鳥取砂丘に行ったのだ。ちょっと思い出してみようか。

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2018年4月、45歳の誕生日を迎えた私は山陰地方を旅していた。島根から鳥取に移動し一泊した。一夜明け、目的地に向かうために鳥取駅前に出た。

バスの時間まで少し余裕があるので、『すなば珈琲』で時間を潰すことにした。

2014年(平成26年)時点の鳥取県には、47都道府県で唯一スターバックスコーヒーの店舗が存在しなかった。平井伸治鳥取県知事の「鳥取にはスタバはないけど、日本一のスナバ(鳥取砂丘)がある」という発言をもとに、地元企業「ぎんりんグループ」が喫茶店の開店を計画。同年4月22日、鳥取市の鳥取駅前にすなば珈琲の1号店が開店した。

マツコ・デラックスのオブジェが鎮座している。ちなみにコーヒーの味はスタバというよりドトールっぽかった。

ひと息ついたところで、鳥取駅前のバス停から路線バスに乗って鳥取砂丘に向かう。ラクダに乗って行きたかったのだが、そのようなサービスは存在しないようだ。残念。

しばらくバスで進むと、車窓に砂丘が飛び込んできた。

次のバス停で降車し、待ち合わせ場所に向かう。

昭和の香り漂う建物に入ったところで、待ち合わせ相手に遭遇した。じつは、今日はパラグライダーの体験講習に来たのだ。
砂丘だけにインストラクターが砂掛けばばあ的なおばちゃんだったら面白いなと期待していたが、現実はいつも凡庸だ。現れたインストラクターは普通のおっさんだった。

おっさんに簡単な説明を受けた後、さっそく砂丘の奥深くまで案内してもらう。歩いているうちに、徐々に靴の中に砂が入ってくる。

ひたすら行軍を続け丘を二つ越えたところで、視線の先に海岸が飛び込んで来た。日本海だ!

ここから海に向かって飛ぶのだ。インストラクターの手ほどきに従って準備を進める。

パラグライダーに無数に取り付けられている紐が自分の身体に絡まらないようにするだけで精いっぱいだが、インストラクターの指導の通りに砂丘を走って、スピードが乗り切ったところで、ハンドルを切って飛んだ。

アイキャンフライ!視界が一気に拡がっていく。砂丘の全容と日本海が視界に同居する。身体に当たってくる風も心地よい。
このままロシアもしくは韓国まで飛んでしまいたい気分になる。まかり間違って北朝鮮まで飛んでしまったら、青年将校と恋に落ちる可能性も無きにしもあらずだ。

しかし、インストラクターから「この範囲に着陸してください。」と指示を受けているので、あきらめて海岸に着陸する。

その後何回か飛行を繰り返したところで、制限時間になった。

パラグライダー体験を通して鳥人間に進化した私はすっかりご満悦で、ランチは砂丘を望むレストランで超豪華海鮮丼を奮発した。


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一通り回想を済ませ、「次回鳥取に来た際にはまた空を飛びたいな。」と思ったところで、バスは米子空港に到着した。さあ、ここから飛行機に乗って東京に帰ろう。

山陰地方は非常に地味な存在だが、掘れば掘るほど面白い場所だ。コロナ禍が一段落ついたら、ぜひ近いうちに再訪したい。
その願いが叶った際には、まず松江に行く。そして、宍道湖でHさいさんと待ち合わせて、綺麗な夕陽に照らされながらふたりで走るのだ。

誰に見られても構わない。その時には、胸を張ってこう言おう。
「私たちはランニング仲間です!」と。


追記

Hさいさんからのanswer記事です。



次回予告


~ 普天間で『国境』を走る ~

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