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【連載】旅先で『日常』を走る

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実際に私が旅先で走った記憶を紐解いて、旅先で走ることの楽しさや意義などを綴っていきます。(2020年3月〜) #PLANETSCLUB #WERUN #ランニング   #旅ラン … もっと読む
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" 10分でわかる「【連載】旅先で『日常』を走る 」"

こんにちは。蒲公英こと大野です。 このたび(2022年9月時点で)、共同運営note『WE Run』にて一年半に渡り連載しておりました『旅先で「日常」を走る』が完結しました。日本全国47都道府県すべてに赴いて走り、その体験を記録するというコンセプトでスタートしたこの連載。なんとか無事に完走することが叶いました。 「編集会議」で下書き状態の文章に添削やフィードバックをくださったWE Runのメンバーたち。アップした記事を読んで感想や「スキ」の反応をくださった読者の方々。そし

紀伊半島で『ワーケーション』を走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-off㉑~ "

2024年。今年は毎月どこかでマラソン大会に参加しようと意気込んで、すでに上半期の分はすべてエントリーを済ませた。マラソン大会とはいっても、私が主にエントリーするのはハーフマラソンの部ではあるが。 1月の八丈島に続き、2月は和歌山に遠征することにしていた。11月ごろから仕事が立て込んで忙しく日々を過ごしていたので、絶好のリフレッシュ休暇になる。はずだった…… 年明け早々、和歌山市での空き家再生プロジェクトに伴う「発酵酒場」のメニュー開発を引き受けることになった。これが思い

西の果てを走り、鯵を食べつくす九州旅 " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑳~ "

2023年11月8日。午後3時。 私は高速バスと新幹線・在来線特急を乗り継いで、長崎県の佐世保駅にたどり着いた。 今日と明日は、地方出張の合間にできた休日なのだ。 -- 今回の出張、最初の目的地は熊本県五木村。最近、ついに人口が1,000人を切ってしまったという、九州で最も人口が少ない自治体である。 この村で生まれ育ち、進学で五木を離れたが社会人として東京で3年勤務した後にUターンして、村の活性化に尽力しているTさんという方がいる。彼女の招きで、というか「一度現地を

ニッポンの最北端を走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑲~ (後編)"

前回のあらすじ ~ ニッポンの最北端を走る(前編) ~ " ここ北限の地で走るという数年来の悲願を満たしにはるばるやってきたのだ。さっそく走ろう! " * 稚内からJR特急に揺られて4時間、終点の旭川に私は到着した。 齢50にして旭川に初上陸した。 駅を出るとまっすぐに、道幅の広い目抜き通りが広がっている。 多くの地方都市では、このような通りの先にはお城が鎮座しているのだが、ここは北海道だ。お城など存在しないし、この道も明治時代の開拓によって作られたのだろう。

ニッポンの最北端を走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑲~(前編) "

北に旅立ちました。失恋とか自殺志願者ではありませんのでご安心を。 * 2023年9月22日。羽田空港から新千歳空港を経由し、稚内空港に降り立ったのは11時頃だった。空港内にあるレンタカーのカウンターに「予約した者だが」と声を掛けると、しばらくして迎えの車が到着した。空港から車に揺られて3分ほどで営業所に着き、諸々の手続きを済ませると、車のキーを渡された。今日はレンタカーでここからさらに北へ向かうのだ。 ペーパードライバーの私でも、北海道の広くてまっすぐでほとんど人通りの

観光地とベッドタウンと地域創生 " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑱~ "

◆ 9/3 豊岡 / 宮津 2023年9月3日 16:30。ここは兵庫県豊岡市。 京都丹後鉄道豊岡駅のホームで、私は列車を待っている。今日の宿である京都府の宮津に向かおうとしているのだ。 ところで、兵庫から京都への移動といっても、多くの人がパッと思いつく移動手段であろう東海道線を使うわけではない。ここ豊岡も目的地である宮津も日本海側に位置しており、それぞれの県庁所在地から高速道路を使っても車で3時間前後かかるくらい離れたところに存在している。これから乗車する区間は第三セク

北アルプスの絶景を眺めながら、安曇野でハーフマラソンを走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-of⑰~ "

2023年6月4日。時刻は午前7:30。 長野県安曇野市、豊科南部総合公園に私は立っていた。 これから『第9回信州安曇野ハーフマラソン』に参加するのだ。 8:30に迫ったスタートに備え、すでに1,000人は軽く超えるだろう参加者たちによって、メイン会場であるこの公園内は早朝とは思えないほどの賑わいを見せていた。 これから安曇野から望む雄大な景色を楽しみながら走れることに、すでに軽い興奮を覚えている。それほどに、私は安曇野に魅せられてしまったのだ。 -- 2021年8

夜ノ森で『桜のトンネル』を走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑭~ "

2023年4月3日、月曜日。東京駅前から高速バスに乗り、16時前にいわき駅前に到着した。 いわきに来るのはおよそ3年8ヶ月ぶりだ。前回は塩屋埼灯台に上り、そこからいわき駅まで走って、その後は駅前の映画館でいわきを舞台にした映画『薄暮』を観たのだった。 久々に訪れたいわきは、特に変わったところは見受けられなかった。震災や水害に翻弄されてきたここ十数年を経て、ようやく街が落ち着きを取り戻しているように見えた。 ひと安心したところで、駅改札に入り目的地に向かう。じつは今日に限っ

名阪神の中核市をノルディックウォークしながら、大阪のフェスに参加するGW旅 " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑯~ "

2023年5月2日、時刻は午前6時。 東京駅から夜行バスに乗った私は、名古屋に到着した。 いつもならバスが到着した笹島ライブの停留所から名駅までの道すがら、名鉄レジャックビル1階にあるマクドナルドでブレックファーストを摂った後、6階にあるカプセルホテル『ウェルビー名駅』で汗を流すのが名古屋旅のルーティンであった。 ところが、リニア中央新幹線の開通に伴う名古屋駅周辺の再開発事業により、このビルが取り壊しになってしまったのだ。旅の楽しみがひとつ潰えてしまい残念だが、しかたがない

50歳の誕生日に、人生初のフルマラソンを走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑮~ "

2023年4月16日。 ここは加賀市陸上競技場。私は、陸上トラック内に3,000人ほどのランナーによって作られている列の最後方に位置する、「H」と書かれた一群の中に立っていた。今から、我が人生で初のフルマラソン『加賀温泉郷マラソン2023』にたった一人で挑むのだ。 -- 45歳の秋にABCマートの店先に陳列されていたランニングシューズを衝動買いしてから4年余り、運動とはまったく縁のない生活を脱却して私は日常的にランニングを楽しむようになった。最初はひとりで家の近所を走って

この世でもっとも美しい風景は早朝の江津湖と私の心の中にだけ存在する ” 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑬~ "

2023年2月24日、金曜日。仕事の都合で滞在している長野県松本市にある『信州まつもと空港』から、夕方の便に乗って私は九州に向かった。 今回の渡航の目的は、日曜日に大分で開催される『大分うみたまごシーサイドたすきリレー』に参加するためである。じつは、去年のこのレースにも総勢6名でエントリーしたのだが、その時は全国的な新型コロナウィルスの感染増加によって、開催が中止になってしまった。それでも、有志4名が大分に集結して雨の中を走るオフ会を開催したのであった。去年は現地に来ること

2022年夏、青春18きっぷを使った伏線回収旅 ” 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑫~ 後編 "

【前回のあらすじ】 お盆休みを使って、かつて日本海側を旅した際に行きそびれた場所へ足を運ぶ「伏線回収旅」を決行した。ここまで、" 銀山温泉入浴 " と " 万代バスセンターのカレーライス " を回収した。 8/15 終戦記念日に新潟県を横断する 万代バスセンターの立ち食いそば屋で無事にカレーライスのブレックファーストを摂った私は、その後新潟駅に戻り各駅停車で一路長岡駅へと向かった。この区間で上越新幹線を使わなかったのは、この旅では『青春18きっぷ』を使って移動しているから

2022年夏、青春18きっぷを使った伏線回収旅 ” 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑫~ 前編 "

今年のお盆休みは、8/13から17日までの5日間となった。 この連載では何度も話しているが、私は大学を出てからずっと飲食業に従事しているので、お盆や年末年始などいわゆる暦通りの休みを取ることなく20年以上過ごしてきた。ところが、転職やコロナ禍による業務転換など思わぬ要因が重なり、最近ではようやく人並みに盆暮GWに5日間づつの休暇を取れるようになったのだ。 まとまった休みを過ごすことに慣れていない私は、休暇を目いっぱい使って旅に出るようにしている。今回は8/12金曜日の勤務

" 旅先で『日常』を走る ~episode0~ "

簡単な自己紹介 こんばんは、「蒲公英」こと大野です。都内在住、飲食業を営む46歳のおっさんです。40代のうちにフルマラソンを完走したい、できればサブ4を達成したい、というのが目下の目標です。 このnoteを書く理由 このnoteでは、私の趣味である「旅先で走る」ことの楽しさであったり意義であったりを綴ることによって、見知らぬ誰かに少しでも興味を持ってもらえたらいいなと思っています。 しかし軽い気持ちで書き始めてみたものの、なにから書いたら良いものなのか、またどんなふう