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なかなかどうでもいい話3

我は出不精である。
不治の病ばりの出不精である。

もともと出不精だった自分であるが、在宅ワークを始めたことにより更に出不精が加速した。

朝起き、軽くランニング。ちょっとそこまで走る程度。の30分ランニング。

あとは、たまに食材無くなり買いに行く程度のちょい外出。

後はひたすら家である。

なので、出会いも無ければ、刺激もない。そんな生活を四ヶ月ほど行っている。

幸い、人気のない時間又は人気のないところにしか出没しない希少価値高めの生物の為、巷を賑わせているコロナに罹る影響は通常の人の三分の一程度に危険度は設定されている。

疲れもほとんど感じない為、抵抗力もつき、ストレスフリー。風邪もひかないのである。

外に遊びに行くことも無いし、昼食も家で済ませるので、財布の紐もどうやら緩んでても出ていないらしい。ユルユルの財務省である。

しかし、そんな生活にも一つ難点がある。

毎日コミュニケーションをとるのは、近所付き合いのおはよう又は時々電話がある母のとの会話のみとなっており、急に話す機会があると言葉のチョイスが鈍る傾向にある。

後、発していないせいか、声がでない。

そんなこんなで、流石に四ヶ月でここまでコミュニケーションに関して患った言語視野を伸ばすべく、そして、先日話したお酒に対する抵抗を伸ばすべく1人バーなど小粋に嗜んでみようと発案したのである。


早速、何度かお世話になった、バーに電話をいれ、お客さんの入り状況を確認した。多ければコロナの影響がある+多ければ緊張してしまう危険性があるからである。なんて言っても1人バーなんて初めてだからである。

ある程度、テンション高めの設定にしてくれた神様ではあるが、陰キャの側面も併せ持っている為、パーテーピーポーなんぞが、いたら風呂上がりのコーヒー牛乳を飲むばりの一気をかまし、バーをウォーキングスルーするだろう。

話を戻すが、バーに連絡をし、今は1人しか来ていないことを確認。朝方までやっているそうなのでいつ来ても大丈夫とのこと。ただ1人で来ることを伝えると待ってます。と言ってくださった。

イケメン解答である。懐を開けで待っていてくれる。聖母である。

とりあえずバーなので軽く家で食事を済ませ、タクシーに乗りいざ聖戦の地エスカディアへ。


重々しい重厚な扉を開くと暗闇デフォルトの中に青の照明と白の照明がある店内へ。

パーテーピーポーはおらず一安心。

どーぞ。っと席を案内され、カウンターへ。

何にしますか?と聞かれとりあえずビールを頼んでみた。そービールである。

出てきたビールは細いグラスに注がれており、それをグビッと飲んだがどうやら自分の口にはまだ馴染んでいないらしい。苦さと喉を越さないなと鳥肌がたった。しかし、出されたものは残さないと教育を受けていたので、残さずのんだ。

それから、店員が話を振ってくれた。

何度か来たことある旨と、1人でバーは初めて来たこと、そしてお酒が味的に苦手な事を伝えた。

初めて来てくれたのがここのバーであることに感謝してくれた後、そのバーテンダーは衝撃な事を言ってのけた。

「僕お酒全然飲めないんです。」

実に衝撃であった。しかし話は続いた。

「お酒飲んだら赤い斑点が出来て気分が悪くなるんです。救急車で運ばれた事もあります。」

なんと衝撃であった。

楽器を弾けないバンドマンがデビューしたくらいの衝撃であった。

「でも、お客さんと話すのは楽しいので」

イケメンである。
それからは、オススメのカクテルなぞをこしらえてもらい、一つ美味いと思う衝撃のカクテルに出会った。

ディタモニである。

柑橘系のしつこくない感じがどハマりの一杯であった。

ディタモニ…何だか強い武器を手に入れたような感覚に襲われた。

それからはずっとディタモニしか飲んでいない。
ふと気付いた。7杯くらい飲んでいるのに全く酔っていない。それどころか気づいたら隣の知らない人とも話せるようになっている。

バーテンダーの力恐るべし。
ワザと薄く作ってくれたり、自然と隣との会話を作るトークスキル、完敗である。

1人バーも悪く無いななんて思いながら、閉店ギリギリまで飲んで会計。また来たくなるお店でした。

自分にディタモニという武器をさずけ、会話まで引き摺り出してたったの3500円。経験を安く買えた。満足である。

少し1人バーハマりそうだなーーなんて思いながら、薄灯の朝の光を浴びながら帰宅した。

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