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営業マンから起業した話

営業マンとして働いていたことがついこの間の事のように思える。

当時は、自分も会社もイケイケな状況でたくさんの実績を残し、基本給以上にインセンティブが付くのは当たり前だった。

来月のインセンティブでは、ブランドのオーダースーツを作ろう!

と楽しみもあった。

しかしながら、そのインセンティブ制度は急遽無くなる事となる。

今思えば、その原因の一つは私が稼ぎ過ぎていたことも理由の一つではないかと思われる。

実際、会社のトップ経営陣の報酬に匹敵するくらい稼いでいたからだ。

自身からすれば、自分の仕事をし、会社に貢献し、その対価を貰うのは当たり前だと思っていたが、上司やその周りの社員からすれば、稼ぎまくる私が気に入らなかったのだろう。

翌年からインセンティブが無くなり、基本給とその他手当てだけになった私には、恐ろしい金額の税金がかかってきた。

正直、インセンティブで貯めていた貯金を切り崩さなければやっていけない程だった。

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いきなり貧乏生活の始まりだった。

会社に何故、インセンティブが無くなったのか聞いても

会社の事業が軌道に乗ったから

と返事が来るだけだった。

つまり、私はもう必要ないのか・・・。

と思ってしまった。

周りの営業マンも辞めていった。

上司から営業は退いて管理職としてやっていってくれないか?

と打診があったが、営業の必要性を訴え、昇格は断り続けた。

営業職として、相変わらず結果は出し続けていたある日、執行役が私と話をしたいと訪れてきた。

周りからは、めちゃくちゃ怖い方と恐れられていたが、勘ではあったが、この人なら何でも話せられると思った。

執行役員は私を営業職から管理職になってもらいたいと説得に来たのだとすぐにわかった。

それでも私は断った。

会社としては軌道に乗っていると思っているが、実際は今が一番気をつけなければいけない時期だと確信していたからだ。

そして、自身の会社に対する想いや、これからどうしていくべきなのか、こうやっていけば将来的にはこうなるはず。

と熱く語らせてもらった。

執行役員も、私の話を聞いて、すぐにトップ経営陣に話をすると言い、私と話が出来て良かったと仰ってくださった。

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数ヶ月経ったある日、上司から、私の意見を執行役員がトップ経営陣に提案していると報告があった。

こんな一営業マンの話もトップに伝わるんだとすごく嬉しかった。

だが、私の意見を伝えてくれた執行役員の提案は受け入れられなかった。

その報告を受けた当時は、

大きな会社だからそんなに上手くはいかないよな

と落胆することなく考えられた。

だが、私の考えが正解だったことは翌年度の会社の決算報告で明らかになった。

株価も急落し、トップの交代も出てしまった。

あの時、執行役員の提案が受け入れられていればと非常に悲しくなった。

その責任の矛先は営業が結果を出していないからだという、冷たい視線を日を追う毎に感じるようになった。

営業職の同僚も気付けば当時の3分の1まで減っていた。

営業職の居場所を無くしていき、困った時には営業職の責任にするのは会社としてどうなのか?

という不信感が溜まっていった。

私は、その時、だったら自分の理想とする会社をやってみよう!

と思い立ち、半年後に起業した。

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退職する時、執行役員は

頑張れ!

と応援してくれた。

今まで、関わってきた上司の中で最も本音を言えた上司であったことに間違いなかった。

起業して間もなく、税金の等の支払いの多さに非常に驚いた。

会社を運営することの厳しさを学んだ。

正直、半年間は赤字であった。

初めて案件の依頼が来たのは起業して2ヶ月経った時だった。

このままではまずい!

と焦りばかりがあった。

でも、日々、支払いの恐怖をどうやって解消するのかは案件を貰うしかないとわかっていた。

どうすれば案件を頂けるのか考え、実践していった。

そんな中、大手の他社が手を引いてしまった、難しい案件が私のところにきた。

小さい会社ながらも、プロとしてここは絶対に成功させると決心し2日で結果を出した。

この事がきっかけで、絶大な信頼を得る事ができ会社も軌道に乗っていった。

まだまだ小さな会社ではあるが、依頼があればワンストップで対応できる為、重宝されている。

今では、頑張っている従業員は私よりも給料をもらっている。

従業員が私の給料を超えた時に、やっと自分の理想としていた会社が造れた。

起業して本当に良かったと思えた。

起業したばかりの、あの時の重圧や孤独感などの思い出は、一生忘れられないとても良い経験であったと思う。

起業をしたいと思っている人たちはたくさんいると思います。

短期間で結果を出す人もいれば、私のように半年後に転機が訪れ、結果を出せるようになる人もいると思います。

途中で挫折してしまう人もいるでしょうし、諦めずに再度、チャレンジする人もいると思います。

諦めたらそこで終わりです。

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この記事を読んでくださった方いいたいです。

どうか諦めないで挑戦し続けていってください。

社長となった今でも、私は毎日営業に出ています(笑)

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