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【読書の魅力】本の基本は喜劇です〜個性的な読書感想文のヒント


1.なぜ本を読むのでしょう。

何もわざわざ苦しむために本を読む人はいません。もし世の中に本がなかったらどうなるでしょう。人は苦しみを背負ったまま、長く曲がりくねった道を進まなければなりません。しかし、本はその苦しい道を平らにまっすぐにしてくれるわけではありません。

本はあなたの目を、道そのものではなく、前に未来に向けてくれるのです。つまり、下を向くのではなく、前に目を向けてくれるのです。

本を読むと未来が開ける、チャンスがやってくる。ビジネスでも儲かるようになる。そんなことはありません。人生の目的がその部分にないからです。自然の法則として、儲かる、稼ぐなどから連想される方向に進まないし、一時的にそうなっても何かむなしくなります。

たぶん自分が人よりも多くの物ごとを所有しようとする時、本はその人の手助けにはならないと思います。世の中にはハウツー物の本がたくさんあります。私はこのような本の存在を否定しません。私も若い時には自分の知らない秘密があるのではないかと、ハウツー本ばかり読んだ時期がありました。

ところが、このような本によって得られた知識はもう既に知っていることばかりでした。

まれに「あっ、そうか」と思うこともありましたが、それは言葉の選び方が新鮮であっただけで、根本的なことは何も変わっていなかったのです。

なぜ人は本を読むのか。本当に人生に役に立つ本は何か。そんなことを考える時間……。📌 心の余裕を生み出す作用こそ本の存在価値だと思います。

2. 心に余裕を作る。

心に余裕を作りましょう。心に遊び、隙間を作りましょう。長い人生の中でどれだけ隙間があったか、どれだけ余裕があったか、そんなことが充実した人生の基礎となるでしょう。お金儲けには関係ない時間、関係ない人間関係……。考えてみればこれらは大切なものばかりです。

最近、家族と話をしましたか? 仕事抜きで同僚と遊びましたか? 旅行に行きましたか?

心に余裕を作るための一番簡単な方法は本を読むことです。本を読む時間は仕事のことも、お金のことも忘れてしまいます。嫌な人間関係や悩みも忘れます。

📌 本は鎮痛剤なのかもしれません。

心に余裕のない、めいいっぱいの人は、ぜひお気に入りの本を一冊、二冊、バッグに入れておいてください。ちょっと時間ができたときに本を広げてみましょう。すぐに気持ちが落ち着いてきます。

📌本の効果は抜群なのです。

「いやいや、本の中には悲しい物語もあるではないか」と言う人もいるでしょう。確かに本の中の物語はハッピーエンドに終わるものばかりではありません。しかし、ほとんどすべての本は読み終わった後に「読まない方がよかった」とはならないものです。

子どもの時には、夢中になって本を読んだ経験はありませんか? どうして大人になったら読む機会が少なくなってしまったのでしょう。それは読書に意義を感じないからではないでしょうか。さらには読書よりも先にやらなければならないことがたくさんある。本を読んでる時間などない……。理由はいろいろあります。しかし、ちょっとした隙間時間に本を広げてみましょう。

本はその時その時のあなたの状態によって、あなたを癒す方法を知っているかのように、読み終わった時の感覚は清々しいものです。

3. 本にはなぜ悲劇が多いのか。

それは人生は苦しみの連続だからです。なぜ苦しむのか。それは変化するものを追いかけるからです。

これは仏教的思想ですが、いわゆる「諸行無常」、つまり、すべてのものは変化する。このことを知らずにあるいは忘れてしまって、いつもそこにある同じ状態で存在すると思うと、自分が所有しているものが失われた時に苦しむようになるのです。

たとえ人生の多くは苦しみであったとしても、人生の真の目的が苦しみのはずはありません。全ての人の目はかすんでしまっているのです。

多くの小説家のテーマはここにあります。ですから物語の最初は悲しく苦しい内容も多いのだろうと思います。しかし、📌読み飛ばしてしまうと気がつかないところに「ほっ」とするところがあるのが小説です。

小説家がよく考えて構想を練って書いているわけですから、悲しみばかり苦しいばかりの小説はありません。小説のあらすじだけ読んでしまうと、このような小さなスポットを見逃すことになります。

4. 本の基本は喜劇です。

ですから、本の基本は喜劇だろうと思うのです。

大きなマイナスがあるから、ちょっとだけプラスになると「ほっ」とするのです。ですから小説家はこのような構想で小説を書いているのです。小説家自身もひょっとしたら小説の基本は喜劇であると思ってるのかもしれません。

暗い小説で有名な太宰治はこの喜劇がとても好きでした。コントと呼ばれる小さな物語をたくさん書きました。

特に太宰治の中期の小説を読んでみてください。なんだかほっこりします。大きな笑いはないですよ。そのかわり心に遊びができるんです。

太宰治の苦しい人生の中の喜劇……。

📌太宰治が本当に書きたかったのは、みんなが「ほっと」して微笑んでくれる物語だったのです。

個性的な読書感想文のヒント
 なんのために本を読むのか
 本は心をおだやかにする
 本に悲劇が多い理由
 「ほっと」して微笑んでくれる物語



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