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谷郁雄の詩のノート4

ある日の朝、自分の詩集を持って近所の公園に行きました。そのとき、詩集をブランコに乗せて、写真を撮りました。これがその写真です。「詩を読みたくなる日」というタイトルの詩集ですが、若い頃にたくさん読み漁った詩集は、本棚の片隅で埃をかぶって眠りこけています。そろそろ図書館か本屋さんに行って、知らない詩集を見つけ、詩を読む時間に没頭したいと思ったりしています。


「あなたの一日」

あなたが
見たもの
あなたが
さわったもの
あなたが
感じたこと

あなたが
生きる一日

あなたが
見なかったもの
あなたが
さわらなかったもの
あなたが
感じなかったこと

ぼくが
生きる一日


「命」

キラキラ光る
命を買えば

もれなく
死も
セットで
付いてくる

不幸や
幸せが
たくさん
味わえる

おじさん
ぼくにも一つ
ちょうだいと
言ったことさえ
すっかり忘れて

ぼくは
光に
背を向ける

足りないものは
何もないのに


「カサブタ」

生き方の
コツなんか
知らない

笑顔には
笑顔を返し
涙には
思いやりを持って接し

傷が
カサブタになって
ぽろりと剥がれるのを待ち

寒い日は
陽の当たる側を
歩いていくだけ


「坂」

坂にも
疲れるだけの坂と
心地いい坂がある

中には
ほれぼれするほど
美しい坂もある

人生の
起伏を
上り下りして

最後に
空へと続く
美しい坂を
上る日も
そう遠くない


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