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中国点描 #1 これまでの留学生活まとめ

ごあいさつ

はじめまして。大家好!

 私は早稲田大学の学生で、2022年9月から北京大学の国際関係学院というところにダブルディグリー留学をしています。
(ダブルディグリーとは、一定の条件を満たすことで,元の大学の学位に加え留学先の大学の学位を取得できる留学プログラムのことです。)

 すでに留学開始から半年ほど経っていますが、留学生活の記録を残すべくnoteを始めました。よかったら見てやってください。
   今日は初投稿ということで、昨年9月に渡航してから、秋学期が終わるまでの出来事をダイジェストで振り返ろうと思います。
 記事が長くなったので、隔離生活、その後のキャンパスライフの二つに大きく分けました。この記事を書いた時点(2023年3月)には隔離政策は撤廃されているので、興味のない方は記事後半のキャンパスライフ編からお読みいただければと思います(上の目次から飛ぶことができます)。
 
*なお、記憶が曖昧だったり、また現在とは大きく状況が変わっている可能性があります。あらかじめご了承ください。


1. 9月:隔離生活編

今でこそ中国はゼロコロナ政策を完全撤廃しているわけですが、私が入国した2022年9月時点では中国は同政策を堅持しており、入国者には長い隔離期間が設けられていました。この項目では、この隔離生活について書いていきます。

・入国

 実は、留学開始直前の8月時点でも中国は留学ビザを停止しており、渡航しての留学は絶望的だと思っていました。
 ところが、授業開始(9/5)まで二週間を切った8月末のタイミングで突如ビザが解禁。そこから渡航に伴う健康診断やPCR検査の受診、必要書類の準備等々を行ったため、最終的に渡航できたのは授業が始まって一週間経った13日でした。
 ちなみに同じプログラムに参加したメンバーは14人。例年は全員が同じ飛行機なのですが、今年は渡航が突然決まったため各自で飛行機を予約することに。私は予定があった7人と同じ便で旅立ちました。
 

私たちが乗った飛行機

・隔離生活

昨年9~10月時点での隔離は、こんな感じ。
 
・国の指定によりホテルで10日間隔離。
・大学内の隔離地点で4日間隔離
・入寮後、寮の自室で7日間の経過観察
 (下二つは大学の規定。現在はいずれも撤廃。)

と合計1ヶ月弱も隔離され続けていました。

隔離ホテルの部屋はこんな感じ。

 写真だと分かりにくいのですが、結構せまく、おまけに洗濯機も冷蔵庫もあるのに使えない。そして部屋からは一切出ることができません(廊下に出ることもできない)。また、隔離中は毎日2回、ホテルのスタッフに体温と体調を報告する必要があります。

食事一食分、あまりにも多い。

 隔離中は授業と課題以外やることがなく、食事も油っこい+辛い+多いと楽しみとはならず、狭い部屋から出れないと相当ストレスがたまりしんどかったのを覚えています。渡航前に友達がくれたのり玉のふりかけのごはん、味噌汁、そして緑茶でなんとか凌ぎました。本当にありがたかった。
 このホテルで10日間隔離され、その後大学内のホテルに移動し、そこで4日間の隔離を経てようやく入寮となります。

  私たちが入寮するのは、大学のキャンパスから大通りを挟んだ向かいにある「北京大学中关新园」という留学生専用の寮。

寮のお部屋(散らかっててごめんなさい)

 ここで一週間の経過観察を経て、ようやくキャンパスに入ることができるようになりました!長かった…!

2. キャンパスライフ、秋学期編

・10月

 10月は隔離から解放され、念願の対面授業に感激したのも束の間、ビザの居留許可証への切り替え、携帯電話の契約など様々な手続きに追われていました。  
 特に早急にやらなくてはいけなかったのが銀行口座の開設。
というのも、中国では支払いは基本的に微信支付(WeChat pay)か支付宝(AliPay)の電子決済しか使えず、この二つを使うには中国の銀行口座が必要になるからです。

口座はキャンパス内にある中国工商銀行(中国のメガバンク)で作りました。
通帳はなく、デビットカードのみ。僕はかっこいいと思うのですが、
友達曰く「小学校の時にもらう習字セットの柄みたい。」

 そして初の対面授業。やはりオンラインと比べて集中しやすさ、聞き取りやすさが段違いでしたね。北京大学の授業の様子については、また改めて記事を書こうと思います。

授業の教室(早く着きすぎて誰もいない)

 そして北京の伝統芸能である京劇も見にいきました。なぜか撮影OK(ちなみに中国では映画の撮影も黙認だったりする。知的財産権ェ)

中央にいるのが関羽

 内容は三国演義(三国志)から、赤壁の戦いにまつわる3場面。京劇の発音は非常に独特。耳ではほぼ何も聞き取れなかったのだが、当方は小学生の時より三国志をこよなく愛するオタクであるため、聞き取れずとも知識(と左右に設置してある字幕)で完璧に内容を理解できました。
 機会があったら記事にしようと思いますが、私と中国の最初の接点はこの三国志だったので、本場で三国志をみれたことには素直に感動を覚えました。
 このほか、寮の同じ建物に住む南アフリカ・韓国からきた留学生とご飯を食べたり、IKEAで家具を揃えたりと、留学生らしい生活を謳歌。
 そして月末には中間テスト。既にテスト範囲は膨大な量だったので絶望していましたが、テスト前日に持ち込みありに変更されたため首の皮一枚つながりました。

・11月

 中間が終わって一安心と思っていたら、相変わらず課題が湧いてくる湧いてくる。でもこの頃になると美味しいカフェの場所やお気に入りの勉強場所も見つかり、ルーティンが確立されていきます。落単に怯えてた私は毎日図書館にこもっていました。

北京大学図書館。城みたいでかっこいい。

 そして11月には「国際文化祭」という留学生主体のイベントが開催されました。各国の留学生が自分の国の文化を紹介する出し物を出店するイベントで、私の同期にも応募して出し物の準備をしている人がいました。私は準備には関わっていませんが、最後の片づけの手伝いだけ参加しました。
 ブースを回っている間、知り合いのモンゴルからきた留学生に誘われて、モンゴルの出し物である白酒(度数50%くらい)を真昼間からかっくらうことになりました。

国際文化祭北朝鮮ブース

  中国ならではなのが北朝鮮ブースがあること。民族衣装に身を包み、金日成氏のバッジをつけた学生が金日成の語録などを紹介していました。
 また、ウクライナ、ロシアのブースもありました。両国のブースの位置は背中合わせで、互いに目に入らない形に。この辺は一定の配慮がなされたということでしょうか。

 そして、激動だったのが11月末。コロナの感染拡大に伴い、急遽授業がオンラインになりました。さらには北京市がロックダウンされるとの噂が駆け巡り、同期の中には帰国や润(親族のいる別地域に避難すること。润自体は潤うという漢字なのだが、ピン音がrun=英語のrunなので、「逃げる」という意味のスラングとして使われる)をする人もいました。
 日本での報道を見た人もいるかと思いますが、中国各地でゼロコロナ政策に対する抗議デモが勃発し、実は北京大学でもデモが起きていました(食堂の壁に抗議の落書きがされ、翌日はトラックでその壁が隠されていました)。
 こう書くと、激動!危険!という感じがしなくもない。実際日本でもセンセーショナルに報道されていたと思うのですが、現地はオンライン化を除けばいたっていつも通り。僕も普通に家で勉強していました。

・12月

一番しんどかった時期。
 急転直下。先月までゼロコロナを堅持していた中国政府が、一転して同政策の撤廃を宣言。
 ロックダウンや隔離措置がなされるどころか、今まで義務とされていた2日に1回のPCR検査、行動履歴の記録といった措置も全て撤回。
 しかし、これはコロナ流行が収束したからではなく、なんなら先月末からの感染拡大は続いている状況。そんな状態で「(ほぼ)完全放置」といえる方針に転換したらどうなるか。

 …当然ながら大流行。

 時は12月中旬。期末試験を控える学生たちにコロナが襲い掛かります。四人一部屋(しかも個室なし)な現地生はもちろん、私を含めた留学生組も次々と感染。
 詳しくはまた記事にする予定ですが、北京大学でのテスト勉強はなかなかに大変です。普段の授業が1コマ3時間もあるため、テスト範囲も単純計算で二倍。しかも持ち込みなしです。
  ただでさえこの厳しさなのにテスト直前にコロナに罹ってしまったため、この時ばかりは私も落単を覚悟しました。
 

中国では、クリスマスシーズンも当然のごとく授業あり。

 しかし、先生までもが感染し始める事態とあってか、テストが例年より簡単になったり、持ち込みありになったり、あるいはレポート形式になるなど温情が与えられることに(後者2つに関しては、温情というより単純にテストがオンライン形式になったことに伴う措置だとは思いますが)。
 このこともあってか、なんとか無事に秋学期の単位を取得することができました。テスト勉強は大変でしたが、どの授業も日本ではまず学べないであろう新鮮な内容が多く、非常に有意義だったと思います。
 
 

おわりに

 渡航から隔離、そしてキャンパスライフまでざっと振り返りましたがいかがだったでしょうか(冬休みについては、また別で記事にしようと思います)。初投稿にもかかわらず長〜い記事を書いてしまった…
 ダイジェストである関係上、今回は細かな出来事までは振り返ることができていないのですが、春学期はこまめに更新していく予定なので、よろしければ読んでいただければと思います。
 ここまで読んでくださりありがとうございました!
 

 
 



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