第22節 VS山口


3連敗という苦しい現実を突きつけらた試合。

①ボランチ脇のスペース

山形の守備の特徴は、本田が前線にもプレッシャーをかけにいくことにあります。これを合図に前がかりにプレスをかけにいくのが守備戦術の一つです。

しかし、この試合ではボランチ脇のスペースを相手に有効に使われていました。本田が前に食いついたシーンは特になのですが、ボランチ2枚の両脇には大きくスペースが空いています。ここをシャドーもしくはウィングが消す必要があるのですが、この連動がうまくいきません。

特にハイライトの21分のシーン、センターバックから廣木へ縦のパスを付けられたシーン。汰木は出し手にも受け手にもプレスに行けません。高木も廣木に食いついたものの距離感が遠く自由にプレーをさせてしまいます。さらに本田もボールへ向かってプレーしてしまったことから、小野瀬を捕まえきれずフリーでボールを持たれてしまいます。

ボランチ脇をうまく使われたこのシーンだけではありません。このように、プレッシャーが中途半端なことが多く、守備がうまくいきませんでした。


②ケガによる選手交代

この試合、前線の3人を阪野・高木・永藤という組み合わせで臨みました。今季初のメンバー構成です。前線の3人はほぼ固定であったことから、メンバーを入れ替えて停滞感を打破しようと試みたのでしょう。

しかし、瀬川の負傷交代により高木が一列下がり汰木を投入。高木のスプリントを活かした前線でのプレッシングを期待していたので残念です。

この交代の後からプレスが段々緩くなっていきます。前線の3人がパスコースを限定出来ず、ボランチ脇のスペースを使われ、DFが一対一の勝負を挑まれるシーンが多く出てきたのもこの交代からだと思います。
最近勝てないんですよ、一対一に。すごく気になります。茂木が岸田を止めたシーンなんかは素晴らしかったけど、それ以外は後手に回った印象でした。


③優平が見せたボールを動かす技術

後半途中から優平がボランチに入り、ボールが回り始めました。優平は動きながらボールを受け、ボールを出した後も動く。パスアンドゴーをきっちりやれていた唯一の選手でした。このように、自らパスコースを作り出す動きをすることで、後方からのビルドアップは楽になります。

チーム戦術として後方からのビルドアップを取り入れていますが、精度や技術が今一つな印象がありました。この優平の動きをいい手本にさらなるレベルアップを期待したいです。


チームとして機能していないことが、この3連敗という結果を生み出しています。選手の入れ替えを図りながら、いち早く立て直すことが求められているでしょう。

まずは守備。組織だったプレッシングを改めて見直し、体現してほしいものです。次は天皇杯。

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