第36節 VS町田 ~いつもと違うやり方~

印象的なのは、町田の相馬監督が「いつもの山形とは違うやり方だった」と試合後のインタビューで表現していたこと。

「いつもの山形とは違う」とは何なのか。

また、実況の中では「町田のやり方に山形が合わせる」とも言われていました。ここにヒントがありそうです。


まず、町田のサッカーの特徴を考えます。キーワードで表すのであれば「縦横圧縮サッカー」。詳しくは下記のnoteに譲ります。

スペースを圧縮して自由を奪うサッカー。それが町田ゼルビアの戦術です。


その戦術を踏まえ、山形は何をしていたか。

一つは、ポゼッションの放棄です。

スタッツを見ると、16分ー30分にかけては山形のポゼッションが優勢でしたが、それ以外の時間はすべて町田が50%以上を記録しています。

もう一つが、少ないパスでの試合運びです。

この試合のパス数は279本。今シーズンの平均が436本なので平均の63%のパス数となり少ない印象を受けます。


上記二つの要素を組み合わせると、この試合の狙いが見えてくる気がします。端的に表せば「しっかり守って少ないパス数でカウンターを狙う」という表現なのかなと。

ハイライトを見直しても、山形の攻撃ではダイレクトプレーが目立ちます。この試合の中で「手数をかけない」ということを意識しているからこそ可能であったのではないかと思っています。


つまり、「町田にボールを持たせること」と「攻撃時には意識的にダイレクトプレーを増やすこと」で町田の特徴である「縦横圧縮サッカー」を封じ込める狙いがこの試合にはあったんじゃないかなと思います。そのために、自分たちもあえてコンパクトな陣形で試合を進めていったように感じます。


両チームともにコンパクトな陣形をとることで攻守両面でスペースがなくなり逆にやりづらくなる。これがつまり「町田に合わせたサッカー」だったのではないのでしょうか。


結果は引き分けでしたが、見ごたえのある試合でした。勝利に至らなかったのは残念ですが、きっと次につなげてくれるでしょう。

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