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ものがたる線ものがたり③

ものがたる線ものがたり③

今回の個展の宮城会場である塩釜という場との出会いは、斉藤文春さんとの出会いから始まる。コロナ禍で、誰もが出歩くこと、集まることを制限されたときに、閉塞感の中で精神的に保つことができたのは書道があったからだったと思う。その頃はだいぶ制限が厳しくなっていたが、わたしの中では必要以上の制限をするのは嫌で、そもそも書道塾taneに人など集まっていない!(流行ってないんだから)というひねくれた思考もあって、「少人数なら貸すよ」という場所で小さく(ある意味いつも通りに淡々と)場を作り続けていた。

そんなとき、誰でも出せる比べない書道展「花と夢展」のお知らせを知る。コンセプトに大いに賛同するどころか、うっかり自己PRで自分のやってることも書いたりなんかして、展示で会えるのを心待ちにしていた。出会って、書を見て、語って、そうか、こんな方もいるのだ、と思ったときの安心感!

それだけではなくビルド・フルーガスのあやさんを紹介してもらい、杉村惇美術館でのワークショップが実現し、そこでも素敵な方々と出会い、応援され、定期開催にまでつながった。

今回個展会場を決めるにあたって、わたしという存在を、ただただ置いておくのには、とてもよい距離感の場所なのではないか、と直感で思った。徹底したいのは「今」だけ。未完成で曖昧で、何にでもなるような、完璧ではない箱のよさを、本多工房は持っている、と思った。

わたしの中では「書く」=「居る」に近い。その感覚を幼い頃から持っていた。

そのあたりは次回。

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