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「ダイヤモンド社での仕事」1年目

転職して1年が経った。

作った本は2冊。(仕込み中の本は、あと5冊ほど)

前職の2016年1月〜2017年12月の2年間では、25冊を作っていたわけだから、それと比べると、さぞ、サボってたかのように見える。笑

でも、12冊分の労力をそれぞれに込めた。

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1冊目 『投資家みたいに生きろ』 藤野英人・著

・ブックデザイン:tobufune
・発売3ヶ月で、8刷 5.4万部 (電子込み6万部)
・「自己投資しよう」という手垢にまみれたシンプルなメッセージを、どうやって新しく見せようかと苦心。藤野さんの力強い言葉を用いて改めて問い直した
・『ライフシフト』『僕は君たちに武器を配りたい』というベストセラーが売れたときの時代背景を考えながら編集した
・「みたいな」「シン・スタイル」「堀江さん推薦」という3つの取っ掛かりをカバーに立ててみた
・本書の中で気に入っているのが、「すべての行為に、投資か? 浪費か? の自問自答をしよう」というアドバイス。この一文を本書のハイライトに登場させることでコンセプトが強くなったと思う。

2冊目 『服が、めんどい』 大山旬・著、須田浩介・絵

・ブックデザイン:清水真理子(タイプフェイス)
・発売3日で、4刷 1.5万部 (電子込み2万部) 
・大山さんとは3冊目の企画。正直、「新しいものは出せないよね」というところから、ゼロベースでコンセプトを立てた
・「写真いらないんじゃない?」「実はNGの服が知りたいんじゃない?」「イケメンがモデルだと買いにくくない?」と、本音ベースでどんどんアイデアを盛り込んだ
・タイトルは、ストレートに心の声を表した「めんどい」にした。「めんどくさい」でも「面倒」でもなく、「めんどい」。デザイナーさんも面白がってデザインしてくださった
・実用書なので、「①イラストだけパラパラながめる」「②服を買いに行く前に要点だけ確認する」「③服を買った後にじっくりと読む」という三段階の読み方ができるように編集した

1年を終えてみて…

なんといっても大きな変化は、「言語化する機会が増えた」ということ。

ダイヤモンド社のスタイルでは、企画書だけで勝手に判断されるのではなく、自分の言葉で「どういう企画で」「どういう読者がいて」「どういう満足感を与えられるのか」を、社内で伝えなくてはいけない。

つまり、「この類書みたいな感じで作ります〜」みたいなノリがまったくない(それが許されない雰囲気がある)。

あと、他の編集者の方たちに対して率直な意見を求められることが増えた。
初めは、「当たり障りないことを言うべきか?」と思っていたけど、そうではなく、「自分が編集するとしたらどう作るだろう?」と考えながら本音を言わないといけない。

これが、じつは、企画力・編集力をすごく鍛えられる場になっている。
年間で、「10人の編集者 × 5冊 = 50冊」の企画についてPDCAを回すみたいなことになるからだ。

ということで。

「10冊作って3冊当たればいいや〜」みたいな気持ちは根本から消え去り、
1冊1冊すべてが重版するように、企画づくり・編集・プロモーションをしていきたいなと思う。

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