不登校の子をもつサイボウズ社員に話を聞くイベント🗣開催レポート✏️
2022年10月、このアカウントで連載をした「不登校の子を持つサイボウズ社員に話を聞いてみた」。公開直後からたくさんの方にお読みいただき、不登校のお子さんがいる保護者の方、支援者の方、また、教育に関心のある方々からたくさんの反響をいただきました!
これを受けて『一方的な発信にとどまらず、当事者の方と語り合える場を作りたい』と考え、12月10日にオンラインイベントを開催。
参加者の方にも会話に加わっていただき、さまざまな知見が集まるイベントとなりました。
まずは登壇者の自己紹介。このイベントは、noteのインタビュー企画を進めた3人で運営しました!
まずはもっちーさんから、イベントの趣旨とここまでの経緯をご説明。
連載のきっかけとなった『サイボウズらしいワクワク学び場を創ろう』プロジェクトのことや、不登校には個別なケースが多いため色んな考えや経験を発信することが大事と考えたこと、そして、那奈さん自身、今も悩みや葛藤は続いていて、記事にしていない部分も含めて語り合える機会を作りたいと考えたことをお話しました。
今回は、参加のお申し込みの際に質問を募集していたので、いただいたテーマを軸にクロストークを行いました。(※個人情報などに配慮し、質問は多少編集させていただきます。)
学校は行かせた方がいい? 親の葛藤に共感続々
最初にご紹介したのは、学校に行かないお子さんの選択に対して、葛藤されている方からの質問です。
これには経験者の那奈さんから大きな頷きが。
「めっちゃ分かりますね。『学校に行かせた方がいいんじゃないか』と思っているから、”この前いけたから大丈夫だよ”とか、”行ってしまえば大丈夫だよ”とかいろんな説得をしていました。でも(前日の)夜に『行く』って言っても朝になるとまた号泣して…みたいなのを繰り返すうちに、こちらが辛くて限界がきてしまったんですよね。
うちはフリースクールに行けるようになるまでトータルで1年半引きこもりになっていたので、『私たちは永遠に引きこもりだ…』と思うこともありました。タイミングもありますが、先が見えないというのが不安ですよね。」
他の参加者の方からのチャットを読むと、那奈さんのように悩んでいる方、悩まず受け入れている方がいらっしゃる様子。不登校の受け止め方も人によって異なることがわかりますね。
では、悩んでいる方はどうすれば心が楽になるのかー。
那奈さんに当時のことを尋ねると、誰かに相談するより1人で抱え込んでしまっていたと話してくれました。
「学校やママ友からはさまざまな意見をもらいました。でも、”私のせいかもしれない”と思っていた当時の私は、これ以上何か言われたらもっと不安になりそうだったので、誰にも相談しないようになりました。夫も私の考えを尊重してくれたんですけど、一人で悶々としてしまうことが多かったですね」と振り返りました。
ここで、チャットには支援者の方からコメントが。
那奈さんも『そうなんですよね〜。』と苦笑い。家族で考えがすれ違ってしまうこともあったようで、当時を振り返りながら『本当に一人で抱え込んじゃうのはよくない』としみじみ。
今回のイベントにはお父さんも複数いらして、自身が活用した情報収集サイトを教えてくださる方もいらっしゃいました。(お父さんの声ももっと拾いたかった…!すみません…。)。
このままだと社会性が欠けてしまう…?将来に抱える不安
つづいてはお子さんの将来について不安を吐露してくださったもの。
これは那奈さんも経験があるようで、『学校に通わなくなると社会性が身に付かなくなる』と言われたことに不安を感じてしまっていたそう。
人との関わりが希薄になることで、コミュニケーションが苦手になってしまうのではないかと不安に感じる方もいるようです。
那奈さん自身も、Aちゃんの生活リズムが崩れて心配だったそうですが、今のフリースクールに通い始めると一変。早起きになり、活発なAちゃんに戻ったことを話してくれました。
チャットには、通信制の高校やオンラインスクールで楽しく過ごしているお子さんの様子を報告してくださる方からもコメントをいただきました。
さらに、『不登校は、自分で考える力を身につけるチャンスかもしれない』と那奈さん。学校に行かない間に何をするか、自分で考えるように話していたことを紹介し『学校に行かないと人生終わったと思っていたけど、そんなことはない』と力強く話していました。
不登校期は不安になる気持ちは尽きないかもしれませんが、子ども自身が持つ力を信じて、一緒にその子が楽しめる場を探すことに力を注ぐことが、この不安を吹き飛ばす1番の方法かもしれません。
子どもの個性を尊重!おすすめの施設を紹介
3つ目は学校に馴染みにくいお子さんの学び場について。
こちらの質問については、『子どもの個性を大切にした場をどう確保していくか』という切り口でお話を進めさせていただきました。
この中でご紹介したのが、那奈さんともっちーさんが以前視察した神奈川県川崎市にある「子ども夢パーク」さん。
子どもたちがその子らしく、自由に過ごせる、那奈さんおすすめの場所。遠方から新幹線で通っているという人もいるそうです。
「ずっと泥遊びしている子もいるし、歌を歌っている子もいるし、サッカーをしている子もいる。本当に素敵な空間なんですよ。
私自身も、夢パークにいらっしゃる西野先生とお話をさせてもらったときに『子どもはそのままでいいんです、お母さんもそのままでいいんです』って言ってもらって泣きそうでした。本当に心が救われました。」
参加者の中にもご存知の方がいらっしゃったようで、『夢パークのような施設がもっとあると良いのに』とおっしゃる方もいました。
こうして3つの質問から会話が盛り上がり、あっという間に1時間が経過。
声を出しての会話だけでなく、チャットでも盛んに情報交換が行われ、参加者の皆さんと一緒に学びの多いイベントを開催することができました。
支援者の方からのコメントも印象的でした。
また、お子さんと一緒に不登校を乗り越えた方からの『不登校は絶対に終わります』というコメントも、参加者の方に勇気を与えていました。
今回は参加者の皆さんのおかげで、不登校に関する情報交換の場が生まれ、イベントを主催した私たちもさまざまな気づきを得ることができました。
また、不登校に不安や悩みを抱える保護者向けの、情報交換よりカジュアルな語り場があっても素敵だなと感じています。
子どもたちがワクワク学べる場を創ることは、子どもだけでなく、保護者の方の幸せにも繋がるかもしれないー。そんなことを考えながら、多様な切り口で『ワクワクする学び場づくり』に取り組んでいきたいと思います。
サイボウズらしいワクワクする学び場を創ろうプロジェクトについては↓