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編集・ライター講座の講師になった夢を見て、思ったこと

夢を見た、編集・ライター講座の講師になる夢を。正確に言うと、「その場で講師になると知らされた夢」を。

司会者の「田中さん、よろしくお願いします」というフリと、受講者の拍手。最前列のパイプ椅子から立ち上がり、牛も二度見するほどの牛歩で壇上に向かう。
えーっとえーっと。編集・ライター講座ね、名前は聞いたことあるよ。受講経験のある人とはよく出会う。けど、自分自身は受けたことはない。情報ゼロ。ピンチだ。

ディレクション的な話と「書く技術」的な話、どっちが聞きたいんだ? キャリア全般? 私は何のテーマでこの依頼を受けたんだっけ? いったい、なにが求められてるんだ?

ぐるぐる考えて、というかほとんど混乱しながら緑色の黒板の前に立つ自分の背中が見えた。夢だからね。

いざマイクを握って口を開くと「では、はじめに田中さんにお聞きしたいのが・・・・」と司会者から質問が飛んできた。

「ああ、トーク形式なのね! それならイケる…!」

そう思ったところで、目が覚めた。

はーっと息を吐く。ホッとして笑いがこみ上げる。そしてちょっと反省した。普段から、自分がやっていること、考えていることを体系的にもっと整えておくべきだなあって。「私に依頼するってことはこのテーマでしょ」みたいな強みを明確に打ち出しておくべきかなあって。とはいえ、「仕事に関してなにか喋ってください」というボヤッとしたお題でスラスラ話すのはちょっとハードルが高い気もするけれど。

しかし、最後の「聞いてもらえるならイケる」って感覚は興味深いなと思った。
「自分では自分に求められてるものがよくわからなくても、『聞く』を通せばなにか引き出してもらえる」
という期待があったわけだから。これってまさに、著者・インタビュイーの気持ちなんじゃないかって。

こういう仕事をしていると、インタビューされまくっている人にも、はじめてインタビューされる人にも会う。前者は話し慣れたネタを落語ばりのリズムで話してくださるので、いかに「それじゃない話」を引き出すかが勝負になる。

一方で前者の場合、はじめて自分の話を人にするわけで、なにがおもしろくて役に立つかわかっていない。だからこちらが、まだ本人さえも見つけていないおもしろい素材や希少な情報、魅力的な思いなんかを発見して引き出していく必要がある。

いずれにしても、相手が「コレはどうでしょ?」と差し出してくれる情報より、ひょんなことから聞けた話のほうがおもしろくて役に立って心動く、みたいなことはよく起こる。これが「聞く」の効能だよなあ、と。

まあ、これは取材に限ったことじゃなくて。「聞く」を含めた「おしゃべり」があるから、見つけてもらえる自分がいる。見つけられる相手がいる。

最近、人と話すと毎回必ずなんらかの気づきがあって、それってめっちゃすごいことだな、おもしろいなと思っていたところでの夢だったので、妙に自分の「イケる・・・・!」に納得したのだった。

またあの夢の続き、見られないかなー。

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