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1魔術師(2021年2月25日)

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今日のサビアンシンボルは、魚座7度「岩の上に横たわっている十字架」です。24日18:35頃7度に入ります。

12感覚のうち、魚座は味覚だと言われています。舌で味わうように、世界を味わい尽くすのが魚座です。赤ちゃんがなんでも口に入れ、舌でその形を確かめ理解していくように、世界を舐め回すように隅々まで体験していきます。足は大きな舌のように大地を味わい尽くし、地上にさらされています。大地に直に接触しているのは足だけです。舌は一つで二極化していませんが、足は左右に分かれ二極化しています。

外部にある異物を取り込むことは命を懸けた行為です。毒も少量であれば薬になり、多量であれば死ぬこともあるように、異物である食べ物を舌で味わい、足を地上にさらすことは命懸けです。味わい取り込んでいたはずが、取り込まれていることもあり、限界を越えてしまうと、命を落とすことがあるわけです。

外部にあるものと格闘し、より大きなものに取り込まれ取り込むのは4の数字ですが、この縦軸と横軸の交点での格闘は、12番目のサイン魚座にも見られます。タロットカードの4は皇帝、12は吊られた男で、この二人の男の足は、接触するのが地上か天かの違いがあれど、どちらも4の形で描かれています。

4と12は外部にある異物と格闘し、飲み込み飲み込まれ、意識を拡大していきますが、4は地上に広がり、12は天上に広がります。4の数字が働く12は内的な生産性が高く、ワクチンによって抗体ができるように、小さく壊れることで、より大きな自己へと拡大します。大きな自己に回帰する魚座では、小さな自己は死にます。

魚座7度の十字架は、この4の働きを表し、岩の上に力なく横たわる十字架は、小さな自己が力尽き、大きな自己へと拡大しているように見えます。また足場となっていた信念体系が崩れ、個人を越えた意識に横たわっているようでもあります。7の数字は、上から下へ流れ落ちる勢いがあり、その無自覚に走り抜ける力は、気がつけば限界を越えています。

弱毒化した毒素を体内に取り入れ、毒素に対する免疫を構築するように、傷をつけると強くなり、体験によって自分が小さく壊れることで、その体験に免疫ができます。弱毒化した毒によって身体は悪化し、体験によって立ち直れないこともあり、限界突破とは命懸けです。

個人が力尽き、頼りにできるものは何もないと感じるとき、より大きな範囲における軸に気がつきます。もう後戻りはできず、先に進むしかありません。

今日のカードは1魔術師。世界内存在となる魔術師は、世界外のものを持ち込みます。頭上のレミスカートが象徴するように、境界線を越えるときとは、決して地続きではなく、意識喪失します。はじまりの意図や意志とは、着地点の見えない、どこへ向かっているのか、何なるかわからないものです。意志を明確になどできません。

個人を越えた高次な意識からもたらされる意図は、受け取る瞬間、個人は眠りの中にいます。天啓とは、考え続けているときには訪れず、その瞬間はふいに訪れます。すべてを諦めたとき、死を覚悟したとき、訪れるものです。

魔術師は、世界外から世界内存在になるとき、レミニスカートが交点で反転しているように、繋がらないけれど共鳴しています。天啓を与えているのも、受け取っているのも自分であり、大きな自己から小さな自己へもたらされたものです。

頭の中にはホムンクルスがいると言われているそうで、この小人は魔術師です。頭の中の小人は、「意識する私」として存在し、するとこの「意識する私」の中にも「意識する私」がいるという、果てしない自己想起のようなことが起こります。頭の中の小人は、私たちの体験をスクリーンで見ています。外からやってきて、世界の中に入って来た魔術師は頭の中にいるなら、それは私です。

魔術師のカードの机は3本足で、まだ着地していません。魚座7度の十字架が岩の上に横たわっているのは、大地に根づいた足が抜かれ、信念体系を岩の上にあげたからで、この状態なら天啓を受け取ることができ、魔術師は降りてくることができます。魔術師の机と、机の上にあるものが、岩と岩の上に横たわっている十字架と考えると、これまで自分を支えていた信念体系はたたき台となり、新しいものを作り上げるための土台となります。

崩れたように見えた足場も、新規の意識によって新しいものを作り上げる土台となります。魚座7度は、限界を越えることで意識喪失し、頭の中のホムンクルスが目覚めます。生まれたばかりの子どもの松果腺が活発なように、二極化がはっきりしていないと、松果腺は働きます。「今ここ」という二極化した世界にないものを、頭の中の小人は持ち込んでおり、それは天啓と呼べるような体験でしょう。

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