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『着物と共にある出会いの人生』月輪屋 着物と雑貨てて 店主“村上悦子”さん

大阪・空堀にある『月輪屋 着物と雑貨てて』の店主 村上悦子さんにお話しを伺いました。

プロフィール
出身地 

大阪府
活動地域
大阪・空堀を中心に全国各地で活動中
現在の職業
2015年より大阪・空堀にの「月輪屋 着物と雑貨てて」にて、リサイクル着物を中心に、月輪屋セレクトの商品やオリジナル着物・雑貨の販売している。「日常に着物のある暮らし」をテーマに、呉服業界出身の夫婦で店を営む。着物相談、手入れ、着付けやレッスンも実施している。

親子三世代に渡りお付き合いする仕事

記者:現在どのような活動をされていますか?
村上悦子さん(以下、村上 敬称略):着物や雑貨の販売、着付け教室、イベントやワークショップなど色んなことをやっています。ネットシップもやっていますし、百貨店に小物を出店することもあります。イベントは、月に1回やっていて、着物で出かけるランチ会なども開催しています。着物のコーディネートが好きで、毎日インスタグラムにコーディネート集を投稿しています。

記者:どのような方針をもって活動をされていますか?
村上:もともと私も主人も呉服業界出身で、主人と一緒に仕事をしています。主人は主に店外催事などで呉服を扱い、運営などハード面を担当し、私はお客さんに近い細やかなやり取りとかソフト面を担当というように役割分担してやっています。以前は、ビジネス系のセミナーに行っていた時もありましたが、それをするとバランスが悪かったんですね。私たち夫婦のやり方で、力が抜けたくらいでやっていこうと思うようになりました。

着物を売るというと、押し売りというようなイメージが強いことが悲しいなと思っています。私たちは、もともと呉服業界で働いていましたが、親子三世代に渡ってお付き合いさせていただくこともあるんですね。親子三代に渡り、お付き合いさせていただくなんて、凄い仕事だと思っています。10年前に着物を買い、10年後にまたお声がかかる。10年後に、やっぱりその店で、その人にお願いしたい!と思ってもらえる。こんな仕事ないと思っています。三世代に渡りお付き合いできるのは、その人の魅力に尽きると思うんです。

呉服業界との出会いとは・・

記者:そもそも、どうして着物に興味をもったのですか?
村上:
アパレル関係の仕事したいと思っていて、服飾の学校に通っていました。主人も服飾の学校の出身です。学校に通う中で、私は「日本中どこでも廻れる。旅好きな人」という求人を見つけたことをきっかけに就職しました。

記者:実際に呉服業界で働いてみて、どのような気づきや発見がありましたか?
村上:
当時は、着物コーディネートは年配の方がすることが多かったのですが、若い人もできる会社だったんですね。若い人が、似合うようなコーディネートを提案するのは独特でしたね。入社した会社の面白さでもありました。

会社では、着物スタイリストという部署にいましたが、接客も何でも色々やりました。呉服業界は、若いと信用してもらえません。勉強して、知識を吸収することで「若いけど勉強しているな!」と信用してもらえるんですね。礼儀や着付けがとても厳しかったんです。今でこそ、楽しく着付け教室をやっていますが、当時は今以上に厳しかったように思います。でも、若い時にこういう経験ができて良かったのかなと思っています。


記者:どのような夢をお持ちですか?
村上:
着物が好きというだけでお店を始めました。着物が好きという気持ちが伝染したらいいなという感じです。今もその気持ちは、変わっていないんですね。着物に魅せられて好きになったり、着物を着るきっかけをつくれたらいいなと思っています。

夢というと、当初はオリジナルな物をつくるというような夢を掲げていました。今は、そこに重きを置いていなくて、ご縁や出会いが変われば自分自身は変わるし、それを楽しんでいる感じですね。

今は、この店にふらっと入ってこれるようなスタンスを大切にしています。
夫婦ともに張り詰めているとバランスが悪くなる。力の入っていない、力が抜けたくらいバランスが良いなと思っています。

着物とは、“共にあるもの”

記者:村上さんにとって、“着物”とは何ですか?
村上:
共にあるものですね。まだ学んでいる段階です。だから、共にあるという感じです。着物は、奥が深いんですね。勉強すればするほど、背景が見えます。好きな着物ができたとして、誰が、どこで、どうやって作ったのか。とても奥が深いです。
勉強していくうちに、時代背景や歴史なども出てきて、面白い。そうやっていくうちに、それに伴った人と出会っていきます。 年齢も、まったく畑が違う環境の人と出会ったりします。多様な出会いに恵まれて、長年やっていても飽きないんですよね。それが着物の魅力かなと思います。

記者:着物を通して、出会いに恵まれているんですね!
村上:
自分が楽しまないと、楽しい人は集まって来ないなと思います。お店ももうすぐ4周年になります。この3、4年で、お客様の好みや環境は変わることが多い。でも、私自身も、着物も変えていなんですね。今は着物を着ましょうと活動する人もたくさんいるし、革新的なものもたくさん生まれています。私の役割は変わらないものを提供することだと思っています。

記者:最後に読者の方にメッセージをお願いします。
村上:
浴衣など入りやすいところで、着物に触れてもらいたい、知ってもらいたいと思っています。そこから新しい世界が開かれていくと思います!


記者:村上さん、今日は本当にありがとうございました。

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編集後記
今回インタビューの記者を担当した森、清水です。親子三世代に渡り、お付き合いしていく仕事というお話が印象的でした。人を大切にし、長く人と付き合っていくことを大事になさっているお人柄が伝わってきました。それは、もともと日本人にあった心なのではないかと思いました。今後も、村上さんのご活動を応援しています。ありがとうございました。

(文責:田中佳奈江)


この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。