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建築士はデザイナーなのか、技術者なのか

「建築士は技術者で、デザイナーは別にいる」と思っている方に出会う事がある。noteデビュー第一弾として、この点について、いち建築士の立場から書いてみる。

結論、「建築士がデザイナーです」と私はいつも説明している。もちろん、建築士としての在り方は人それぞれではあるが、基本的に建築士は、建築デザイナーの認識でこの仕事に就いている。

ここで、「建築のデザインって、どこからがデザイン(設計)なのか?」という話であるが、単に壁紙や床の色、間取りを決めて、なんとなくスケッチするだけなら誰でもできる。この業務をデザイン(設計)と呼ぶのならば、誰でも「私が設計しました」と言える。

しかしながら結論、建築士が考える「デザイン」は表層のみならず詳細まで及び、その詳細までデザインしなければイメージ通りの建築は実現しないのである。一般の方からすると「ここまで気にするの?」と思える部分であるが、美しい建築は実はそこまでこだわっている。

その他にも、建築法規、予算、スケジュール、土地や既存建物の状況など、検討しなくてはならない事はたくさんある訳で、それらをひっくるめて統括し、建築物のみならずプロジェクト全体として、いかに完璧を目指せるかが、プロの建築士としての腕を問われるところである。

なお、建築士、建築家、設計者、デザイナーなど呼び方や名乗り方は人それぞれだが、最終的にデザインを現場に伝えるのは「図面」であるので、図面を書くという作業が最終的にデザインを実現する作業となる。

また「設計」は、建築士法にて建築士の独占業務とされているのだが、先述の「どこからが設計なのか?」議論から分かる通り、「設計やっています」という人には様々いる事も事実である。なお、建築士の業務については、建築士法に定められているので、建築士事務所はこれに沿って業務を行っている。

以上が、タイトルの問いに対する私の考えである。

次回は、建築設計には「建築(意匠)・設備・構造」の3つの道があり、この3者が協力して建築物を設計する事について、書いてみようと思う。

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