普通の会社員がフリーランスで稼ぐ

普通の会社員がフリーランスで稼ぐ #全文公開_5 #IT・クリエイティブだけじゃない!文系フリーランスとは?

【Episode3】病気の母親との時間をつくりたい

「人生の優先順位を考えたときに、フリーランスになるということが選択肢として浮かんできたんです」
――3年前まで広告代理店に勤めていた葉山悟さん(37歳)。

新卒で広告代理店に入社。様々な企業のコミュニケーション施策の立案・実行に携わってきた。定量・定性調査、ターゲット分析、競合分析などの調査・分析業務、商品・サービスのコンセプトメイク、広告・プロモーション施策の立案から実行まで。
「毎日、終電近くまで働きましたよ。あんまり〝残業している〟っていう感覚はなかったですね。そういう働き方が‷ふつう〟な業界なので。仕事終わりにクライアントや同僚と飲みに行く機会も多くて、気づいたら明け方とか(笑)。そこからタクシーで家に帰って、シャワー浴びてまた9時に出社。そんな毎日でした」

仕事との向き合い方を考えるようになったのは、母親の病がきっかけだった。緊急手術をし、命には別条のない状態だったものの、定期的な通院を余儀なくされた。
「母は実は足が悪くて、一人での通院はとてもできない。父を早くに亡くしていておまけに我が家は一人っ子なので、僕がなんとか都合をつけて、病院への送り迎えをするしかないな、と。ちょうど親が死ぬまでに会える時間の少なさを取り上げた本を読んだことがあって、限られた時間を親ともっと過ごしたいと思いました。僕が働く時間に融通をきかせるためにフリーランスになりたいと言ったら、会社員の妻は驚いていましたけどね。最後は理解してくれました」

今は、広告代理店やコンサルティング会社から様々な調査・分析の仕事をフリーランスとして受けて働いている。週2回は母の通院に付き添う毎日だ。
「働き方はずいぶん変わりましたね。収入は会社員時代よりは減りましたけど、そもそも働く時間自体が圧倒的に減っているのでむしろ満足度は高いです」

※文中は仮名です。

IT・クリエイティブだけじゃない!広がるフリーランスの種類

そもそも一般的にフリーランスにはどのようなカテゴリーがあるのか、ここで挙げてみます。

①クリエイティブ系
ライター、エディター、デザイナーなど。紙媒体・ウェブ媒体などの取材・執筆、各種デザインなどの仕事を請け負います。

②IT系
プログラマー、エンジニアなど。システムやアプリ、ソフトの開発・運用などを請け負います。

③士業系

弁護士、行政書士、司法書士など。資格取得後、それぞれの専門事務所勤務などを経て独立して仕事を請け負います。

④ コンサル系
戦略系やシステム開発系、人事戦略系などの各種コンサルティング会社などを経て独立して各種フリーランスで仕事を請け負います。

⑤文系総合職系
事業会社の総合職として営業・企画・マーケティング・人事・広報などの部署でキャリアを積み、独立。経験を活かして仕事を請け負います。

私が新しい働き方の選択肢として提案するのは、もちろんこのうち⑤の文系総合職です。

「フリーエージェント宣言」する文系総合職

四大を経て事業会社へ就職後、10年~15年にわたり総合職として働いたのちに「フリーエージェント宣言」してフリーランスという生き方を選ぶのが、私が考える「文系総合職フリーランス」の一般的なキャリアです。

みなさんは「総合職」という言葉にどんな印象を持っていますか?
総合職とは、企業の基幹となる業務を担当しながら、幹部候補生として責任ある仕事を任される働き方のことで、たいていいくつかの職種・部署を経験しながらキャリアを積むことが多くあります。

総合職の方とお話しをすると、「いろいろな部署を経験してきたけれど、自分の強みがどこにあるのかわからない」といったことをおっしゃる方がいます。そんな総合職の方たちがフリーランスとして仕事ができるのでしょうか?

それができるのです。
これまでも事業会社のエグゼクティブや経営陣として活躍されてきた方たちが、会社を退職してアドバイザーやコンサルタントのような形でフリーランスとして仕事を請け負うことはありました。

ただ、今、生まれつつある文系総合職出身のフリーランスの方たちは、そういったエグゼクティブや経営層の方たちではありません。入社して10年前後~15年くらいで会社を飛び出す方たちです。彼らはポジションで言うと、プロジェクトの担当者レベルからリーダー層、マネージャー層くらいの方たちです。

マネージャーといってもプレイングマネージャーとして、実務もこなしつつマネジメントもしていたという層の人材なのです。そうした方々がフリーランスとして業務を請け負いつつあります。

一人ひとりはそれなりにスキル、専門性、経験を兼ね備えた人たちです。
優秀ではあります。ただ、いわゆる〝スーパープレーヤー〟では決してありません。文系総合職として堅実にキャリアを積んできた、そんな方たちです。

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