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ラップは落語で落語はラップで


ローファイヒップホップというものがある。
YouTubeでインストのヒップホップの曲がひたすら流されているというもの。
なぜかジブリっぽい女の子が勉強したり本を読んだりしているアニメーションがついていて、作業用BGMとしてよく使われているようだ。

そのローファイヒップホップと落語の相性がいいらしいという話を聞いて興味をもったのでやってみた。
YouTubeでローファイヒップホップを流しつつ、それに被せてiTunesに入っている落語を再生。
そうしたら、本当に良く合うので驚いた。

https://t.co/Im5yhWC7sU

もともとこういう音源なんじゃないかと思うくらいしっくりくる。


何年か前、落語を少しずつ聴き始めた時、「ラップみたいだな」と思ったことがあった。
スチャダラパーのライブを観に行った時、「落語みたいだな」と思ったこともあった。
ラップは落語で落語はラップ。そう思っていたので、PC上でのこの融合に僕は静かに興奮した。

ヒップホップと落語、どうしてこんなに相性が良いのだろう。
ヒップホップと落語の共通点は何なんだろう。
言葉数が多いというのも共通点ではあるけど、きっと本当のキモは「どちらもグルーヴの円が大きいこと」なんだ。

音楽のグルーヴというのは要するに円。
音楽は横にツラーーッと続いていくものではなくて、ひとつの点を始点としてそこからぐるっと円を描いてまた戻ってくるもの。
その円の大きさは色々な種類がある。
一拍でひとつの円を描いて、それを連続して円を並べていくことでノリを出すこともある。
小節でひとつの円ということもあるし、曲の中の展開ごとにひとつの円ということもある。

その円の大きさが、ヒップホップと落語はとても大きいのだ。

ヒップホップは曲まるごとでひとつの大きな円を描いていて、そのトラックにラップがのっかる。
落語もそれと同じで、ひとつの噺で大きな円をひとつ描いている。

そこが共通しているから、それぞれの音源をタイミング適当で垂れ流しでもグルーヴが合ってきちゃう。
どちらも言葉の数が多いから、細かいところをキメキメでやってるかと思いきや実はもっと大きな視点でやっているのだ。
葉っぱや木ではなくて、森を大らかに見ている。
でも葉っぱや木のこともちゃんと見てるからバラバラな印象にはならない。
細かい符割りがタイトだから、本人たちの知らないところで(PC上で)セッションさせられてもピッタリきちゃうんだ。

く〜〜、たまらんね。

僕がやっているのはロックミュージックではあるけれど、ヒップホップや落語みたいにグルーヴの円をもっともっと大きくしていきたいなぁ!

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