読書チャレンジノート[21 Lesssons]

どうもです、たなかです。

今年の読書目標の一つの大きな山だった「21 Lessons」を
無事に登頂(?)できたので、忘れないうちにアウトプットしておきます。
読了できたとはいえ、咀嚼が足りず飲み込んだだけ、という感満載ですが。

誤読も含め、自分が見えていない世界のつながりを
幅広く感じる読書となりました。

○はじめに

ユヴァル・ノア・ハラリ氏の3部作である
「サピエンス全史」「ホモデウス」
そして今回のお題となる「21 Lessons」
全ページ合計したら何ページあるの?というボリュームですが、
一応一通り目を通した(読んで理解できたわけではない)。

中途半端な解釈にはなっているけど、自分が読んで感じたことを
アウトプットしておくことで、これから起こる社会の問題に
何かしら感じる部分がでてくるかなと思う。

にしても、読みきるだけでも大変!
1章ずつ着実に読み進めたけど、内容が半分くらい噛み砕けたのかな?
というレベル。
心の中で赤線が引きまくられました。
すでに図書館へ返却済のため、手元にないけど
「3部作」をあらためて読み直すタイミングを設けたいと思う。

■内容

○1.この本を読んだ目的、ねらい

・現代~近未来の課題について知りたい

本書では、著者の視点からいろんな問題を提示している。
その課題に対して、自分が共感する部分、まったく気づかなかった部分を
認識したうえで、自分事における「課題」として具体的にイメージしたい。

・著者が考える「未来に対してできること」を学びたい

著者として、課題を出し続けるだけではなく「じゃあどうすればいいか」を
著者なりの考え方、持論を持って提唱していると考えている。
著者としての切り口で社会課題への取り組み方を知り、学ぶことで
自分なりにできることは何か、という点を考えたい。

・日常の「不安」とつながる部分を探したい

漠然と感じるこれからの未来への不安を、本書の課題とつなげて
考えることで、具体的な問題点と、その問題点に対する
心構えを持てると思う。
自分なりに理解し、咀嚼することができれば、少しは
自分でコントロールできる問題になってくるのではないか、と思う。

○2.読んでよかったこと、感じたこと

・AIが社会を制御するのはそう遠くない

常日頃から感じていることではあるが、本書において、データ社会、
AIの社会への導入と侵食のスピード感への危機感は相当だと感じた。
また、生体工学についても、「健康」をデータ化しAIが管理する社会が
手放しでいい事と言えるか、と言う点については、その通りとしか
いえない部分ではある。

あらゆる部分で治療の高度化、未病への取り組みが進んでいるが、
それが果たしてすべての人類に対して「幸せ」と言えるのか?
(変な言い方にはなるけど「楽に死ねない時代」が来る気がする。)

人が考えることをやめ、AIに判断を任せる時代が来るかもしれないが、
「間違い」や「人間らしいミス」すらも許されない時代が
生きやすい時代なのか。
犯罪のないクリーンな社会が来るかもしれないが、
人間らしい営みが失われることにつながりかねない社会にも
なりうることを、念頭においておく必要があると思う。

なにより、手放しでデータを提供しているということの怖さは、
数十年後に、改めて「データを握るモノ」に委ねられると言うこと。
なんとなく感じていることではあったが、改めて認識しておきたい。

・グローバルな課題に対して、全人類で向き合うべき

本書では「テロ」「戦争」「移民」「宗教」といった、日本国内では
それほど感じることのない問題についても、グローバルな視点で
何が問題かを伝えており、視野の広さ、視座の高さを感じることができた。

身近に感じるものかどうかは、自分が所属する「コミュニティ」、「文化」によるものが大きいと思うが、そこにとどまらずに視野を広く持つことで
気づかなかった問題に色々気づけると思う。

テロや戦争なんかは、国内にいるうちはどうしても「蚊帳の外」の問題に
感じる部分はあるものの、情報としては大きいものとして入ってくる。

実際の大きさが如何ほどなのかがわかりづらいものではあるが、
その「事実」を本来のサイズの通りに理解しようとすることが
大事だと感じた。
(このあたりは「FACTFULNESS」にも通ずるものがある。)

情報に不用意に振り回されるのではなく、今起きている身近な問題を、
視野を広げてみることで、実は地球の反対側につながっていて、
大きな問題になっているかもしれない。

「知ろうとせずに生きることは、知らぬが仏で過ぎていくが、
 知ろうとするととてつもなく時間と労力を要する。」
知ろうとすることがあまりに大変で、知らずに生きていくのが
どれだけ楽な時代であるかを改めて感じる瞬間となった。

・平和のためには、自分を理解し、謙虚であること

ナショナリズム、宗教、移民の章を読んで思ったのは、自分の認識が
いかに「文化や国民性、宗教観」によって作られたものかがわかった。

価値観と一言でいうものの、実際にその価値観の違いをまざまざと
感じる瞬間っていうのは、日本に暮らしている上では
そう多くない気がする。
(もちろん、個人としての価値観のずれはあるけど。)

根本から違いすぎて、理解できない・相容れない、となることが、
宗教戦争・移民問題しかり、テロや戦争といった問題に発展していくもの。

グローバルな課題の一つ一つに対しても、まずは自分の軸を正しく理解し、
自分の価値観や自分の信念を持つことによって、初めて相手の主張や考え、
価値観と言ったものに言及できるように思えた。

そして、相手のことを知ろうとすること。相手の立場で考えることには
なによりも「謙虚さ」が必要
になること。
相手を信じ、受け入れることと、「自分が間違っている」という
前提を持って接すること
が、相互理解のうえでは重要な要素だと思う。

世界を見渡すと、自己主張の塊のような人もいる中で、
平和主義者と思える人の謙虚さ、寛大さについては、
なかなか知ることができない。

最終章となる「瞑想」でも感じたことではあるが、
仏教における「悟り」の概念については世界を一つにするうえで
必要な考えになるようにも思える。

日本人なら、他国にくらべると「悟り」を理解やすいはず。
(無心論者と言いつつ、色んな神を信じる人が多いと思うので)

昨今のマインドフルネスブームも、ある意味「平和」に
つながるために時代の流れがそうさせているのかもしれない。

自分を知り、世界の大きさを知り、自分が無知であることを知る。
謙虚さを作るために、自分の大きさを正しく理解することが、
第一歩だと思った。

○3.この本を読んで、自分は何をするか

・データとAIが支配する時代への心構えをしよう

何の気なしにいろんな情報を手に取り、入力し、発信しているけど
その一つ一つがすべてデータ化され、アルゴリズムによって分析され、
自分の行動がコントロールされていく。
そんな時代がやってくるかも(すでになっている部分もある)と、
頭の中に入れつつ、日常の些細な行動が未来のデータ社会へ
一歩ずつ前進しているということを理解しておきたい。

そのデータがどのように「利用」されるかは、後になってからしか
わからない。それでも、行動を意識しておくことで、
気づきの一つにはなるはず。
徐々に変わる世界を感じ取れるように、意識を持っておきたいと思う。

・世界という広い視点で「価値観」を認め合おう

日本にいて、なんとなく生活しているだけでは、世界全体の
大きな流れを肌感で感じることは少ない。
それでも、自分から意識して視野を広げていくことで、
世界で何が起きているか、全体の流れがどうなっているか、
そして、何がどこにつながっていくのかが見えてくるように思う。

今わかりやすい例で言えば、「新型肺炎」という情報が出回っているが
最初の小さい情報が、1ヶ月以上経って大きな事象になり、
最早無視できないものになっている。
これも、最初の気づきからつながりが見えていれば、個々の対処は
変わっていたはず。

自分の視点だけでなく、いろんな視点を持って社会を眺めるクセを
日常から持っておくことが大切だと思う。

・自分との対話を大事にしよう

自分を知ること、自分をありのままに理解すること。
瞑想しかり、自己内省しかり。
忙しい毎日に、ついつい周りの流れに自分を見失いがち。
情報に流されず、自分が自分をコントロールし、
自分が正しいと思う方向を目指す。

このことが、いかに重要であるか。
コミュニケーションや情報の流れが多面的になっている今、
自分を正しく認識することが、意識していないとできないようにも思う。

AIやデータ、そしていろんな情報に自分の行動、感情が
揺さぶられないように自分の中で軸をもつためにも、
余白を大事にもち、穏やかに自分と向き合いたい。

結局、自分が自分の思うとおりに生きていられるか。
そして、他者との距離感を正しく理解できるか。

自分を小さく見すぎず、大きく見過ぎない。
正しく認識するためにも、日々自分を見つめなおすことを
意識していくことが、一人ひとりに大切なことだと思う。

○4.3ヵ月後には何をするか、どうなっていたいか

・不安に対する自分なりの判断軸を持つ

いろんな情報が出回ってくる中、自分が持つアンテナの感度を高く持ち、
想像力、妄想力を駆使することで、自分なりに仮説を立てて
判断していくことができるようになりたい。

後手後手にまわって、振り回されないような自分軸をもちたいと思う。

・情報に振り回されず、自ら調べる努力を

自分が持つアンテナを、より正しい情報に精度を高めていくためには
でてきた情報を鵜呑みにせず、多面的にみて、自分なりに
判断する必要があると思う。
そのためには、自分だけの視点ではなく、他者の視点、
捉え方の切り替えから、逆のパターンで考える、等々
自分で考え、調べ、検証する力を養いたい。

「~さんが言っていたから」ではなく、その情報を元に
「自分で実際に行動し」自分なりに経験を積み、自ら経験することが大事だと思う。
情報を知るだけで満足せず、行動に移し、検証したものを
持論として積み重ねる。
そんなことができるよう、日々の経験を積み上げたい。

・自分を把握するスキルをさらに向上したい

自己内省とともに、穏やかな心を持ちたい。
そのためには、自分に向き合う時間を「雑念」を取り払って
集中する時間が必要だなと。
すでに瞑想を習慣化しているけど、日々雑念との戦いが続いている。
より深く瞑想し、自分を知ること、自分に向き合うことに
時間をとっていきたい。

忙しすぎる毎日に余白を設け、自己認識力を
今以上に高める努力をしたい。

○おわりに

著者は21の章に分けて、現代社会における課題や問題を、
さまざまな事例や実例をもとに紹介してくれていた。

その中の多くが、著者自身が感じている不安や課題に
警鐘を鳴らす内容であり、じゃあどうすればいいの?という
部分の多くは個々にゆだねられているように感じた。

「データ社会」「AI社会」に対する不安や危険視
社会が更に不平等な格差社会になりうるという偏向性
グローバルな問題に対して、世界はいっこうに一つになれない問題
すべてを知る難しさと、虚構によって支えられているという問題
などなど…

どれもこれも、言われてみると「未来の世界」にありえる問題ばかり。
なんとなく楽観視している未来のビジョンに対して、こんなにも
考えなければいけない問題がある、ということを浮き彫りにされた
書籍だったと思う。

ただ、問題に対して、そのまま受け止めて「問題だね」と
終わってしまっては、意味がない。

この課題や問題に対して、一人ひとりがどう向き合い、
どういう価値基準で行動していくか、と言うことが重要なはず。

AI社会、データ社会になることは避けられない事実だと思うし、
環境変化、自然破壊などのグローバルな課題に対して
根本解決できていないことも真実。

一つ一つの課題に「全人類」が力を合わせ、どうすればいいかを考え
対話していくことこそが、それぞれが描く未来を良いものに
変えていくと思う。

歴史は地続きであり、途切れたものではないことを改めて理解できた本書。
目の前の事象に対し、グローバルな視点で「つながり」を
感じる部分が多かった。
(「ディズニー映画」の例は、特にリンクする部分として納得できた。)

章ごとに読めば、それぞれの課題や方向性が一つ一つ
クリアになると思うので、少しずつでもいいので
ぜひ読んでみてもらいたいと思う。

個人的には、以下の章が特に面白いと感じました。
(他の章も十分面白いが、なるほど!と思う部分が多かったのが以下の章。)
3章 自由
9章 移民
12章 謙虚さ
15章 無知
19章 教育
21章 瞑想

にしても、瞑想1日2時間は、すごい。
無理はせず、まずは1日10分から。コツコツやろう。


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